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4、フライドポテト

結構短めです。すみません…

 

 仕事についての説明が終わると、時刻は15の刻を過ぎたくらいだった。お店はちょうど客足も少ない時間帯だったので、厨房にお邪魔することにした。


 前世の記憶が戻ってからずっと思ってたのだけど、ここの世界の食事ってとてもシンプルなのよね。

 肉をそのまま焼きましたーみたいな感じ。不味いと感じたことはないけど、やっぱり日本での食事を思い出しちゃうとね・・・。


 ぐるりと厨房を見渡すと、じゃがいもがあった。じゃがいも・・・・・


「小麦粉ってありますか??」


 そう聞くと、ソロというイヴァンカさんと同い年くらいの男性が持って来てくれた。ソロさんはここの店のコックさんらしい。


 ちなみに店員さんはイヴァンカさんとソロの2人だけらしく、私がここで働くと知った彼はものすごく喜んでいた。


 じゃがいもと小麦粉と油、あと塩があれば、あれが作れるのだ!そう、フライドポテト!!


 ソロさんにまじまじと観察されながら、料理を始めた。


 今世では料理なんてしたことなかったけど、前世では、よく料理やお菓子作りをしていたのだ。毎日自炊してて良かったぁ。。


 そんな感じでフライドポテトが出来上がった。本当はケチャップとかマヨネーズとか作りたいところなのだが、時間がないので、またの機会に作ることにしよう。


 フライドポテトは、イヴァンカさんとソロさん、あとお店にいたお客さんに試食してもらった。


「…っ!!!これ美味しい!」


「うまい!!いくらでも食べれそうだ」


「これ店で出してくれよ〜!」


 おぉ、なかなか好評みたいで良かった。


 イヴァンカさんにレシピ考案係を任されたので、ソロさんにフライドポテトのレシピを書いて渡してあげた。あと、マヨネーズとケチャップに必要な材料をメモして、これを集めておいて欲しいと頼むと、喜んで引き受けてくれた。


 これから楽しくなりそうね…!!


 そんな風に思いながら、屋敷に帰ることにした。


 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 帰る途中、私はイヴァンカさんのあの言葉が引っかかっていた。


「リリィちゃんは、魔法は使えるの??」


 そう、この世界では魔法が存在する。ただ、魔法が使える人数は少なく、全人口の10%くらいである。しかも魔法が使える人の大半は、水や火、風を起こせるなど、日常生活を楽にしてくれる程度のものしか扱えない。

 その中で、転移魔法や治療魔法など威力の高い魔法を扱える者は非常に少なく、その少ない人材は、ほとんどと言っていいほど、宮廷魔法局で魔法師として宮廷に仕えることになる。


 ちなみに、何故か貴族の身分で使える人は1人もいない。魔法が使える平民を貴族に迎えても、魔法が使える子供が生まれるということはなかったという。


 ただ例外で、貴族でも魔法が使える一族がある。…それが王族である。王家の者として生まれる人はほぼ全員魔法が使えるのだ。


 ということは、魔法の使える使えないは、血縁関係に何か関係があるのか?と思いきや、魔法が使えた者が今までいなかった家系から、突然使える子供が生まれることもあり、魔法が使える者と使えない者の違いは、永遠の謎とされ、魔法研究員たちの頭を悩ませている。


 私は、ずっと貴族だと思ってたから、魔法は使えないものだと思い込んでいた。


 でも、私は貴族じゃない。


 ということは・・・もしかしたら使えるかもしれない!!


 せっかくファンタジーな世界に転生したんだから、魔法使ってみたいなぁ。


 とか呑気に考えていた。




 この好奇心が、後であんな事態を起こすなど、考えもしなかった。




最後まで読んでくださりありがとうございます!

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