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3、バイトを始めました。

 

 町にはリリィに出会ってから出てなかったので、3年ぶりくらいである。久しぶりの町はちょっと変わったところもあるけど、そこまで変わってないようだ。


 やっぱりこの雰囲気好きだなぁ。


 そんなことを思いつつ、できそうな仕事を探す。


 ん〜でもなぁ、知り合いとかいないしなぁ。


 ・・・・・・あっ、いや待てよ?・・・あの人がいたじゃない!


 ふと、思い出して、その人がいるであろう場所へ足を運ぶ。私をリリィと呼ぶ、数少ない知り合いだ。



「ファントおじさん!」


 いた!!良かった!!覚えてくれてるかしら…


「あ?嬢ちゃん誰だい??」


 あぁぁぁ、、、やっぱり3年も経ってると忘れられるよね。。。ガーン…と頭を下げると、マントのフードから、はらりと綺麗な銀色の髪が垂れてくる。


「ん…??もしかして、リリィちゃんかい??」


「覚えてる??」


 そう言って赤い瞳をファントおじさんに向ける。


「あぁ、そんな綺麗な髪と瞳を持った奴は珍しいからなぁ。どうしたんだい??しばらく見なかったけどよ。少し大きくなったか??」


 えぇーと、どーゆー設定でおじさんと会ってたんだっけな。必死に思い出す。


「あ、えっとー、お父さんが仕事でまた、こっちに戻ってきてるの。」


 これで多分、大丈夫だろう。


 ファントおじさんは、メアリーを拾う前、よく町に来てたときにお世話になった人である。彼はこの町で有名なガードヴィッチ商会の当主であるから、なんか色々商品を譲ってくれたり、町でおすすめの店とかも教えてくれたりしたのだ。


 今愛用している懐中時計も、ガードヴィッチ商会の専門店で一目惚れして、ずーーーーっと見てたところ、ずっと売れてないものだからタダでやる、とお譲りしてもらったものだ。

 その懐中時計には私の瞳と同じ、綺麗な赤色の石がはめ込まれている。




 そして、私は本題に切り出す。


「ねぇ、ファントおじさん。お願いがあるのだけど…。」


「お?おじちゃんに出来ることならなんでも言ってみな!!」


 ファントおじさんはへへっと笑う。


「しばらくここに滞在するみたいだから、お仕事探してて…、お父さんに内緒だからあんまり外に出ないお仕事がいいのだけど」


「んーそゆことなら、、、おっ、イヴァンカ!!ちょうどいいところに!」


「なによクソ親父が」


「おい!クソ親父とはなんだ!!いつも言葉遣いに気をつけろと言ってるだろが!おまえ女なんだぞ??」


 ファントおじさんが呼び止めたのは、金色の髪を後ろで雑にお団子にしており、結構お胸がばーんって感じのかっこいいお姉さんだった。24、5歳くらいだろうか。どうやら、ファントおじさんの娘さんらしい。


 私は自分の胸部を見る・・・前世の方があったな…


「で、、、何??」


 不機嫌そうな顔でイヴァンカさんが聞く。


「あぁ、このお嬢ちゃんが仕事探してんだとよ。お前んとこの食堂とかはどうかなと思ってな??人手足りてねぇんだろ?」


 そう言って、ファントおじさんは私の頭をフード越しにポンポンする。


 すると、


「!!!!えっ、まって!!めちゃくちゃ可愛いじゃない!!父さん、どうしてこんな可愛い子、すぐ紹介してくれないのよ!!もちろん採用よ!あと、食堂じゃないわ!!喫茶店!!!ねぇ、貴女、名前はなんていうの!??」


 イヴァンカさんが凄い勢いでしゃがんできて、私の頰を両手で覆う。そんで、かわいいーと言われながらむにむにされる。・・・割と嫌じゃないけど、喋れない…。それに気づいたイヴァンカさんが手を離してくれた。


「えっと、リリィと申します!!よろしくお願いします!!」



 そういうことで、私はイヴァンカさんの経営する、"精霊の喫茶店"という、全く喫茶店っぽくない飲食店で働くことになった。


 精霊の喫茶店は屋敷から30分ほど歩いたところにある。住民はもちろん、旅人とか冒険者とかも利用するそうだ。喫茶店というより、定食屋って感じのお店。

 

 イヴァンカさん喫茶店の意味分かってるのかしら…??



 まずはシフトを決める。と、その前にこの世界の曜日みたいなものを説明しよう。火の日、水の日、風の日、土の日、光の日、闇の日、無の日、の7日間で1週間である。

 

 なんかゲームの属性みたいだな…。


 名前が違うだけで日付に関して基本は日本と変わらない。無の日が日曜日みたいなもんである。


 そして、家庭教師が来る日は火、風、光、の日であるから、他の4つの日にシフトを朝9の刻から夕方16の刻まで入れることにした。飲食店なのに夜働けないのは痛いが、メアリーに決められた門限が17の刻なので仕方ない。


 ちなみに時間は、日本でいう〜時が、〜の刻になっているだけである。


 あとは、仕事内容だ。自分がリリアンヌ・ルイスアーレであることがバレるわけにはいかない。一応、人前に出たことはないから、大丈夫だろうとは思うが、この世界で銀髪というのは結構珍しい。しかもこんなに煌めいた綺麗な銀色を持つものはほとんどいない。母であるアイリーヌも、私とは少し違うくすみがかかった銀色である。


 だから、ホールとかではなく、厨房とか裏で働きたいと言ったのだが・・・


「こんな可愛い子を裏に置いとくなんてできないわよっ!!まぁ、でも確かに目立つわよねーその髪。お父さんに秘密でやってんだっけ??んーーどうしたもんか…待ってね、今目立たない方法考えるから。」


 どうやら、表に出す気満々らしい。


 そして考えた結果。


 茶髪のカツラ…いやウィッグをつけることにした。なんかこのウィッグ、めちゃくちゃ有能で、暴れてもズレないし、何より銀髪が綺麗に隠れている。そして仕上げにその茶髪を2つに分けて編み編みにしていく。


 じゃあーん!!どこにでもいそうな田舎娘の完成〜!!


 まぁ、銀髪が隠れれば大丈夫だろう。。。


 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 こうして、精霊の喫茶店で働くことになった、リリィ。


 彼女が"茶髪の精霊"という二つ名で呼ばれることになると知る者は、未だ居ない・・・




最後まで読んでくださりありがとうございます!

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