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番外編 ~すての無謀な挑戦4~

すて 「全国数十名のヒルクライマーの皆様、19名の『ヒルクライムラバーズ』ファンの皆様、そして数十名の『弱虫ペダル』ファンの皆様お待たせしました。『ヒルクライムラバーズ番外編 ~すての無謀な挑戦』完結編です!」


マサオ「だから誰も待ってねぇって。ってか、謝れ! 『弱虫ペダ』ファンの皆様に謝れ!」


ハルカ「それとリアルな数字出してるんじゃないわよ。アンタ、絶対バカでしょ!」


すて 「いや、これでも控えめに言ってんだぜ。本編でも更新すれば数十名の方が見てくれてはいるからな」


トシヤ「ブックマークは増えたり減ったりして、結局20を割っちまったけどな」


すて 「それはお前等がロードバイクに乗らないからだろーが」


マサオ「いや、俺とルナ先輩のラブストーリーにすればブックマークが激増するんじゃねぇか? ロードバイクなんてオワコンだしよ」


すて 「何がオワコンだ!まあ確かに『弱ペダ』のアニメが終わってロードバイクの販売台数は激減したらしいがな」


トシヤ「やっぱアニメに踊らされるのかなぁ……」


すて 「バカ野郎! 流行なんか関係無い。自分の好きな事やってれば良いんだよ」


ハルカ「そんな事言ってるからモテないのよ」


すて 「俺には他にも色々と問題があるんだよ。それは自覚してるから放っておいてくれ」


ルナ 「自覚してるなら直せば良いのに……」


すて 「まあ、そんなこんなで遂に完結! 『ヒルクライムラバーズ ~すての無謀な挑戦4~』お楽しみ下さい!」


ハルカ「お楽しみ下さい!」


 そこから少し行くと、分岐があった。


挿絵(By みてみん)


 標識が出ているので間違う事はまず無いだろうが、パッと見はどう見ても「こっちが脇道やろー」と言いたくなる様な細い道(写真では広く見えるが)が酷道308号線だ。

 道幅は狭いが、感覚が麻痺してしまっているのか斜度はどうと言う事は無い。この感覚のまま十三峠を上れたらさぞ良いタイムが出るだろうな……なんてのは今だから言える事。ただひたすらに足を回してのろのろと進むのが精一杯だった。そして遂にコンクリートの舗装が石畳に変わった。


――もうすぐゴールだ――


 石畳の道もミストラルなら楽勝だ。ヒルクライムに備えて空気圧は7キロに上げたものの、28Cタイヤは伊達じゃ無い! ボコボコと言うよりボヨボヨという感覚で走るとすぐに『奈良県』『生駒市』の標識が見えた。


「ゴオオオォォォーーール!!!!!!」


無謀な挑戦は終わった。


挿絵(By みてみん)


 たかが2.4キロを走るのに死ぬ思いをしたが、課題である『何度足を着いても押して歩かない』事だけはなんとか守った。峠のお茶屋さんの敷地にミストラルを乗り入れた俺はヘルメットを脱ぎ、グローブを外して店に入って開口一番に言った。


「冷たい飲み物、何がありますか?」


 テラス席(って言うのか?)でサイダーを飲みながら喫うタバコ(ココでは灰皿が用意されているのだ。素晴らしい!!)は格別に美味かった……? いや、疲れ過ぎてあんまり美味しく無かったです。サイダーは最高に美味しかったけど。

 周囲を見ると、自転車で来ているのは俺だけだった。まあ、あんなトロトロ走ってても他の自転車に抜かれる事が無かったから、今日は俺だけしか上って無かったんだろうな。歩きの人達(要するに俺以外の人達だな)はカレーうどんとかカレーライス(カツ丼とかきつねうどんとかもやってるのに妙にカレー率が高かった)を食べていたのだが、俺は食欲など全く無い。それどころか今何か食べたら吐いてしまうかもしれないぐらいだ。サイダーを飲み終えた俺はお茶屋さんの人に一言残して去る事にした。

「食欲無くてジュースだけですみません。あっ、空き缶、ココで良いですか?」


 お茶屋さんを出た俺は『奈良県』『生駒市』の標識の下でミストラルをスマホのカメラで撮り、大阪側へと下った。


 ネットでは暗峠のダウンヒルは怖いと言われているが、別段そんな事は無かった。まあロードバイクで来てたら怖いんだろうが、クロスバイクならブレーキが良く効くから安心だし、路面を横切る悪名高い排水溝も28Cタイヤで楽勝だ。上るのにあれだけ苦労した暗峠が下りならほんの数分で終わってしまった。


          *


 走行時間なんて計る気は最初から無かった。ただ、歩いた方が多分速いと思う。

 十三峠を初めて上った時は第一ヘアピンで足着いて(そりゃ、ロードバイク買って二回目に連れて行かれたから仕方無いよね)以来、悔しくて何度も上り、今では遅いながらもなんとか足着き無しで上れる様になったのですが……


挿絵(By みてみん)


 はっきり言って、今の『すて』では十三峠を上るのも結構(もの凄く)しんどいです。『休むダンシング』が出来たら少しは楽になるのでしょうが、出来無いものは出来無いのでオールシッティングで上ってます。でも、しんどくてもまだ「何やってんだろうな……俺は……でもな、ペダルを踏まなきゃ前に進めねぇ。自分にも向き合えねぇ。だからさぁ……止まらねぇぜ!」とガンダムダブルオーのロックオン・ストラトスごっこをするぐらいの事は出来ます。さすがにゴールの展望台目前で「トランザム!」とか叫んでスパートは出来ませんけど。それに比べて暗峠ではそんな余裕など全くありませんでした。まあ、初めて十三峠を上った時も全く余裕が無かったのですが。ただ、一つだけ言える事があります。


『暗峠は二度と自転車で上る事は無いだろう』


 心からそう思います。ついでに言うと、暗峠のダウンヒルをしてからミストラルのブレーキが前後共キーキー鳴く様になってしまいました。


――了――



 こんなクソつまらん話にお付き合いいただきましてありがとうございました。本編の「ヒルクライムラバーズ」もよろしくお願いします。




マサオ「あー、終わった終わった。コレで次回からは俺が活躍出来るんだな」


すて 「ちょっとは余韻に浸るぐらいの事はしろよな。活躍させてやんねーぞ」


ハルカ「うわっ、やっぱり人間小っさい!」


すて 「うっせぇな、そーだよ。俺なんてモンはブレーキシューを留めるボルトぐらい小せぇ人間なんだよ」


ルナ 「それは小さ過ぎますね。せめてペダルを留めるボルトぐらいにはなって下さいよ」


すて 「おう。じゃあ左のペダル留めるボルトな」


ハルカ「アレは捻くれてるワケじゃ無いでしょ。アレは走行中に緩まない様に逆ネジになってるだけなんだから」


すて 「そんな事はわかってるわ! とにかく俺は小っさい人間なんだよ!」


ハルカ「……まあ、アンタが小さい人間なのはこの際どうでも良いとして、結局どうだったの? 暗峠を上ってみて」


すて 「どうでも良いのかよ……って、お前、ちゃんと書いてあるだろ、『二度と上る事は無いだろう』って。そんだけキツかったんだよ。しんどかったんだよ!」


マサオ「それにしても十三峠を上ってる時にロックオン・ストラスごっこって……」


すて 「ああでもしないと心が折れちまうんだよ。大丈夫、誰にも聞かれてないと思うから」


ハルカ「でも、公言しちゃったわよね」


すて 「ああっ、しまったぁ!」


ルナ 「まあそれはそれとして、ともかく課題は達成出来て良かったですね」


すて 「ああ。何度押して歩こうって思ったことか…… でも、それだけは譲れなかった。たとえ何回足を着いて止まっても、いくら時間がかかろうとな」


ハルカ「じゃあ次は足着き無しを目指して頑張ろー!」


すて 「いや、だから二度と上りたくないって」


トシヤ「最後の最後までお付き合いいただきまして本当にありがとうございました」


ハルカ「番外編は終わっても、本編はまだまだ続きます」


ルナ 「これからもよろしくお願いします」


マサオ「俺のアツい走りに期待してくれよな!」


すて 「いや、そんなアツい走りのシーンなど無いぞ。ただ淡々と坂を上る、それがヒルクライムだ」


ハルカ「だが、それが良い!」


すて 「おお、わかってるじゃないかハルカ。そう、俺が目指してるのはリアルなヒルクライムの描写だ。派手なダンシングも無ければ羽根が生える事も無い、地味な走りを表現したいんだよ」


ハルカ「妙に『派手なダンシング』と『羽根』に拘ってるけど、巻ちゃんとマナミー嫌いなの?」


すて 「好きだよ。まあ、尽八はもっと好きだがな。俺の上りはスリーピングクライムだからな」


ハルカ「ダンシングが下手だからシッティングでペダル回す事しか出来無いだけだどね」


マサオ「眠るのは森じゃ無くって一緒に走ってるヤツが眠くなる程遅いって事なんじゃねぇの?」


ルナ 「またグダグダになってきたわね…… とにかくお付き合い下さいましてありがとうございました。これからもよろしくお願いします」


ハルカ「こんな貧脚おっさんをかわいそうだと思った方、ブックマークとかしてやって下さいねー」


トシヤ「感想なんかもいただければ嬉しいです。よろしくお願いします」


すて 「ありがとうございました。そしてこれからもよろしくお願いしまーす!」



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