決戦!お見合い2
心を撫で下ろしたのも束の間、今度はアーデルベルト様のターンのようで
「エルナ嬢は、何か武芸を嗜むのですか?」
はて?
この質問は今まで聞いたことないな。
「私、病弱なのでナイフとフォークより重いものは持ったことがないのです・・・コホッコホッ」
ちょっとわざとらしかったかもしれないけど、まあいいか。あ、語尾のばすの忘れた・・・
それにしても、なんで武芸の話なんて聞いてきたんだろう。私と武器談義でもしたかったのか。アーデルベルト様に差し入れしている精神安定剤(武器カタログ)はチェックしてるからできなくもないだろうけど。答えがでないうちに、アーデルベルト様からの連続攻撃
「そうですね、失礼しました。ところで、お庭を案内していただけませんか?アンダーソン男爵家のお庭のユリは大変見事だと聞いたことがありまして」
「は、はい!喜んでぇ!」
・・・どこかの酒場の店員みたいになった。
だって、しかたないじゃない!
なんで、急に庭?!
あなたの家には、もっとご立派なお庭があるでしょう!!
薔薇とかとっても綺麗ですよねー。
知ってますよー。
言わないけども。
「エルナ嬢」
「はい?」
「外を歩くのに扇子をもったままは、危ないですよ」
「い、いえ大丈夫です、え〜っと・・・日焼け防止なので。」
「そうですか・・・」
日焼け防止の扇子なんて聞いたことないわ。
でも、バレると困るし・・・
それを聞いてしばらく考え込んでいたアーデルベルト様だったが、徐にこちらへ右手を差しのべてきた。
なに、握手?
戸惑いながら私も右手を差し出し、アーデルベルト様の手を握る。
「「?」」
あれ?違うの?
私だけじゃなくアーデルベルト様まで不思議そうな顔をしている。
「あの、握手をするのではないのですか?」
「違いますよ。」
「あ、じゃあお手・・・「違いますよ(笑)」
お手と言いかけると、アーデルベルト様は笑顔だったが目が死んだようになった。
「転ぶと大変ですから、私と手を繋ぎませんか?」