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『波間歌集』  「タザリア王国物語」より

錆色の月

 懺悔(ざんげ)するなら 私はあなたの神になろう

 ただひたすら あなたを(ゆる)す存在に

 あなたを(いや)す人になろう


 (たお)した者達を言葉にするとき

 あなたは悪夢を見るから

 私はこの胸に (くさび)を打ち込む

 どんな恐れも 笑顔に変える強さを打ち込む


 運命について知っていることは少ないけれど

 あなたがそうだと知っている

 私のたった一人の(さび)色の月


 過去に(すが)りたいなら 私は思い出になろう

 去ってしまった人々と同じく

 あなたの許から(つゆ)と消える


 二度と会えないことがあなたに

 優しさや強さをもたらすなら

 私はこの想いを 永久に閉ざそう

 あなたのぬくもりを この身に閉じ込めてしまおう


 運命について知っていることは少ないけれど

 あなたがそうだと知っている

 私のたった一人の錆色の月

 私のたった一人の運命の人



アンブロシアーナ作『波間歌集より「錆色の月」』


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