〜思わぬバイト先
〜異世界でバイトをしますか?→YES NO
とある昼下がり、
俺は、何かに食い入るように見つめる先には、俺の長年の相棒パソコンがいる。
この真昼間に部屋にいるってことは、当然のようにニートだ。
親の視線に多少後ろめたさはあるが、この生活もつまらなくなってきたし、
バイトでもするか。
Goople先生に任せて、求人に目を通す。
コンビニとかファミレスとかつまらないんだよな。
「あっちーーー!!!」
ったく、クーラーくらい付けろよな。
あまりの暑さに気を失いそうになりながらも悪戦苦闘する。
「つまんねーな。」
と口に出しつつ、スクロールしていくと、見るからに怪しい
【異世界でバイトしてみませんか?】
というサイトを見つけた。
「なんだ、これ?」
黒く塗りつぶされたポップアップに淡々と並ぶ白い文字
まるで機械的に作られたような無機質なそれに違和感を覚えた。
と同時に直感的に「これしかない」と判断したのは、
好奇心か暑さにやられたせいかもしれない。
ゴクリと喉をならせてカーソルを広告に近づける。
クリックすると暫しの間読み込んで、
次に目に写ったのは、
【異世界に移動しますか?】
[yes] [no]
の字だけだった。
俺は、素早く[yes]に触れた。
【応募完了を確認しました。】
それを数秒見ていると、自動的に広告が閉じられた。
結局その後も、その広告を探したが、
不思議な事に何も見つからず、すっかり夢の中に入っていった。