ふたごって・・・。
このお話はわりとおもいつきなので、途中やめになるかもです。
ご注意ください。。
私達はいつも一緒だった。私達は同じだけど違うモノ。2人で1つの存在。年齢も生まれた日も顔も、この世に生を受けた日でさえ同じ。一言で表すならばクローンといったところであろうか。もともと1つだった個体が、ある日突然2つになった。もとは同じ存在。ようするに双子、一卵性双生児の姉妹。つまり、最初に言ったとうり<同じだけど違うモノ>なのだ。だからといって同じ人生を歩むわけでもなく、好みがまったく持って同じというわけでもない。顔や姿はそっくり生き写しだけど性格や雰囲気はまるでちがっている。正真正銘違う人間。たまに皆は同じ存在だと勘違いしているみたいだが、できればまっつたくちがう人としてみてほしい、というのが最近のひそかな願いだったりする。だって、代用がきくって言われているみたいだからーーー。
双子はいつもの仲良しさんで、可愛らしいお洋服や小物とかをこれまた可愛らしいピンクや水色なんかのいかにも<女の子>って感じの色でおそろいにするとか、洋服の貸し借りをするとか、誰が言ったの?私と双子の妹の梨花は、いつも仲良しとか今のところ絶対にありえないし、おそろいもお母さんの趣味で洋服を選んでいた幼稚園の年中さんまでだ。ちなみに当時は<元気はつらつカラー>のピンク系を私、<おとなしめ清楚カラー>の水色系を梨花が担当していたはずだ。年中さんまで、というのはいち早く自我の目覚めた梨花が控えめながらも自分で洋服の好みを主張したからだった。小学6年生になった今でもその名残なのか私は明るい感じの、梨花はおとなしい感じの洋服を好んで着ている。小学5年生までを思い返すといろいろちがうのが今更ながらわかってくる。幼稚園のお遊戯会でも私が元気よく大きな声で歌っていたのに対し、恥ずかしそうに小さい声で歌っていた。よく先生に「おっきい声で歌おうね?」とやんわりと注意されていたが、近くで聞くと鳥の鳴く音のようでとても繊細な美しさを子供ながら感じたのを覚えている。それでも真面目に家でこっそりと練習していた。しかし、大きな声で歌おうとすればするほど、声はかすれて歌声を台無しにしていた。それを先生に言うと「かばってあげてえらいわね。」と言われた。私はなぜ褒められたかわからなかったけど、なんだか嬉しかったのを覚えている。しかし、意味を理解できていた梨花は悲しそうにしていた。これがたぶん最初のちがいだった。運動会のリレーの時もそうだった。テストとかも、赤点ぎりぎりをキープしているの私に対して常に90点以上の優秀な梨花。ほら、ちょっと例を挙げただけでこんなにたくさんちがうところがある。それは確かに存在している私達の大切な個性の1つなのだ。
「え~それでは、これで、始業式をおわりにしたいと~おもいま~す。え~、一学期もがんばりましょう。」という校長先生の声がした。ふぅ、やっと終わった。いつも長いのだが新学期ということもあるのか今日はさらに長々しかった。まぁ、実のところ校長こういう感じの話をする時は、朝早くから図書室を訪れては話のネタを探しているらしい。図書室にはさりげなく新聞があるから。梨花が2年のときに司書の先生に教えてもらったらしい。梨花は本が大好きなのでよく図書室を利用する常連なのだ。
HR前の時間、いつもと違うことがあった。6年になって初めてのHRということもあって、にぎやかな感じの教室。どうやら、転校がいるらしい。小6という微妙な時期に転校してくるとは、かわいそうだな、と私は顔も見たことのない人を気の毒に思った。結局のところHRまでの短い時間で私が集めた情報は、転校生は男子ということだけだった。それにしても、元ネタって誰がどうやってしらべているのだろう。女の子にしては珍しくあまり噂話とかしない私(と梨花)にとっては不思議でしかたない。転校生は女子のほうがよかったのにな・・・この時はこう思っていた。この転校生との出会いが私達の未来を、運命を変えるとはしらずに・・・。
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