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なろうっぽい小説

善悪と正誤の表裏

作者: 伽藍
掲載日:2026/06/26

「イレイン・グリーソン伯爵令嬢、お前との婚約を破棄する!」


 王立学園の卒業パーティーにて、婚約者である第三王子は、ひどく生真面目な、潔白な様子でそう宣言した。


 否、とイレインは胸中で呟いた。第三王子の思惑が完全なる潔白であるとは言い切れなくて、幾らかは懲罰感情が含まれているのかも知れなかった。

 イレインは自分が婚約を破棄される原因が、何となく判っていた。それでも、念のためというように確認した。


「理由をお聞かせ願えますでしょうか」

「そんなことは、自分でも判っているだろう」


 第三王子は唇を歪めた。第三王子は優秀ではあったが、自分の正しさを信じて疑わない面があった。


「本来であれば、わたしとお前は学園卒業の半年後には結婚するはずだった。それを、結婚を待って欲しいとは何ごとだ!」

「それは……」


 王族との婚約に待ったをかけるのは、確かにひどく不敬で、貴族としてはありえないことだった。けれど、イレインにはイレインの事情があるのである。


「北の国境付近の寒村で、不審な伝染病が報告されております。その特効薬の開発のために、お時間を頂きたいのです」


 第三王子は胡乱な顔をした。イレインが言い返してきたことが単純に気に食わない、そういう表情だった。


「もちろん、伝染病の報告は受けている」


 第三王子が頷いた。彼は物語にあるような公務を疎かにする王族ではないので、国の事情にも精通しているのである。


「だが、それがどうした?」


 そしてその上で、あっさりと第三王子は言い放った。


「亡くなった人びとは哀れだと思うが、報告に上がっているのは体力のない女性ばかりだ。大した伝染病ではない、そのうち落ち着くだろう」


 イレインが危機感を抱いているのは、まさしく第三王子のこういった態度だった。第三王子だけではなくて、この国はどこか、じわじわと広まりつつある伝染病に対して他人事なのである。

 なぜ貴族たちがこれほど楽観的であるのか、イレインには理解できなかった。ただ、言葉にしづらい気持ち悪さを感じるだけである。


「この国の王立研究所の人びとは、件の伝染病に対してこれといった方針を示しておりません。わたくし一人でも研究を進めたいのです」

「お前が同年代では天才と呼ばれていることは知っているし、お前がわたしの婚約者になったのは、お前の能力を認められたからだ。だが――」


 第三王子が首を傾げた。


「俺との結婚を拒絶までして、女に何が出来る?」


 第三王子に、自分を疑う様子はなかった。彼は本当にそう思っているのである。

 そして第三王子の考えは、それなりに正しいものだった。この国では、侍女や家庭教師以外に、貴族令嬢たちのまともな就職先はないのだ。


 騎士や魔法士も、研究者も、官僚たちも、この国では男性ばかりだ。二十人いて女性が一人でもいれば多いほうである。

 噂に聞けば隣の帝国では、体力勝負であり特に女性に向かない職業とされる騎士ですら、一割以上が女性だと言うのに――。


「殿下との婚約を拒否しているわけではありません」


 そういう色々な考えごとを押し殺して、イレインは言った。


「ただ、少しだけお時間を頂きたいのです。わたくしにできることがあるのであれば、可能性を探りたい」

「時間の無駄だ」


 軽やかに、何の悪意もなく、第三王子は言い切った。


「お前の仕事は俺との子どもを作ることだ。それ以外など最初から求めていない」

「ならば――」


 だったら最初から、イレインの頭脳を目当てになど婚約しなければ良かったのだ。

 従順に男に足を開いて、子どもを作ることを良しとする貴族令嬢などこの国には掃いて捨てるほどいる。この国の貴族社会とはそういうものだからだ。


 異端なのはイレインで、間違っているのはイレインである。それをイレインは、よく理解していた。

 それでも、譲れないものがあったのだ。


「もういい、先ほども言ったが、お前との婚約は破棄する」


 第三王子との婚約を破棄される、それはイレインが、この貴族社会でほとんど死に体になることを示していた。

 貴族社会からだけではない。この国では、女性が自立して働くことはとてもとても難しい。


 一人の女性の命運を、特に悪いことだとも思っていなさそうな様子で断ち切った第三王子が、別の女性を指し示した。


「わたしの次の婚約者は、ヘレナ・イシャーウッド公爵令嬢だ。能力も高く、後ろ盾としても不足がない。最初からこうするべきだったのだ」


 横に引き出されたヘレナが、完璧な淑女の笑みで礼をした。


 ヘレナは、イレインにとって一番の友人であった。穏やかで優しく、何より賢いヘレナは、イレインと話が合ったのだ。

 ヘレナには確か、想い人がいたはずであった。子爵令息の幼馴染みで、身分違いではあるけれども父公爵が許してくれたので、もうすぐ婚約するのだ、と嬉しそうに話していた。


 仮にヘレナの父公爵が何を考えていたとしても、王家からの求婚を子爵令息との婚約予定を盾に拒絶することは、できなかっただろう。


「……ぁ、」


 自分のわがままのせいで、幸せになれたはずの親友の婚約を潰してしまった。そのことに気づいて、イレインは血の気が引く思いがした。


「待って、お待ちください」


 慌てて、イレインは前言を撤回した。


「もうわがままは申しません。どうか婚約をご継続頂けないでしょうか」

「もう遅い」


 あっさりと、嘲笑うように、第三王子は切り捨てた。


「どこへなりと失せろ。結婚を拒絶するほどわたしが嫌いなのであれば、もうわたしの前に姿を見せるなよ」





 そういった一幕を経て、イレインはあっさりと王国の貴族社会から追放されることになった。

 それどころか貴族社会だけではなく、グリーソン伯爵家からも追い出されることになる。


「この、愚か者が」


 低く掠れた、酷く幻滅した声で、父伯爵は吐き捨てた。


「王族に嫌われれば、もうどの家とも婚約できない。どこへなりと失せろ、親不孝者め」


 自宅であるはずの伯爵邸であっさりとそう門前払いをされて、イレインは途方に暮れた。


 今からどこか仕事を探して宿を探して、生きていけるだろうか。

 多少賢さを認められていたとしても、イレインは成人したばかりの若い女性でしかないのである。ましてや、先立つものもなく追い出されてしまったのだ。


「……もし、」


 呆然と佇んでいるイレインに、声をかけるものがあった。男の声だった。

 イレインはひどく警戒しながら振り返った。女性一人になってしまったのだから、男に声をかけられて警戒するのは当然のことだった。


 けれどイレインは、拍子抜けすることになる。見知った男だったのだ。

 それはヘレナと婚約するはずだった、ヘレナの幼馴染みの、例の子爵令息だった。


「……何でしょうか」


 それでも僅かに警戒を滲ませた声で問い返したイレインに、子爵令息がそっと包みを差し出した。


「ヘレナから――」


 言いさして、子爵令息は口を閉ざした。仮に仲の良い幼馴染みであったとしても、第三王子の婚約者になってしまった令嬢を子爵令息が呼び捨てにはできない。


「ヘレナ様から、イレイン嬢へと」


 震える手で、イレインは包みを開いた。包みの中には、王国から逃げ出せるのと、そのあと数か月は暮らしていけそうな金子が入っていた。


「ヘレナから、わたくしに――」


 震える手で、イレインは包みを抱きしめた。ヘレナはきっと、イレインを恨んでいるのだろうと思っていたのだ。

 泣き始めてしまったイレインに、子爵令息が言った。


「逃げるなら帝国が良いでしょう。帝国は女性の働き口も多いと聞きます」


 そう言いながら促したので、イレインは怪訝に思って子爵令息を見た。子爵令息は、何故だか旅装をしていたのだった。

 イレインの疑問に気づいたのか、子爵令息は言った。


「わたしも帝国に行きます。わたしとヘレナ様は、実のところすでに婚約していました」

「婚約済み? であれば、第三王子とヘレナは婚約できなかったはずです」


 イレインは問うた。

 ヘレナの婚約が決まっていないのであれば第三王子からの求婚は断れなかっただろうが、相手が子爵令息であっても婚約が決まっていたのであれば話が違う。既に結ばれた婚約に大きな理由もなく割り込むのは、いかな王家と言えども横暴の誹りは免れないからである。


 イレインの問いに、子爵令息は酷く荒んだ顔をした。


「王宮に提出する婚約届が、届いていなかったそうです」

「届かなかった……?」


 理解しきれなかったイレインを察したのか、子爵令息が繰り返す。


「婚約届を提出したのは、イシャーウッド公爵家の家令です。何か間違いがあるはずがない。王宮に問い合わせましたが、受領していない婚約を認めることはできないと」


 それはつまり、王家に都合の悪い婚約を王宮が握りつぶしたということに他ならなかった。

 そっと細く息を吐き出して、子爵令息は言った。


「わたしの存在は、王家もご承知です。このまま王国にいるわけには参りません」


 王家にとって都合の悪い存在を、事故を装って殺す可能性を示唆しているのだ、とイレインは気づいた。


「幸い、慰謝料代わりにか公爵家から有り余る金子を頂きました。帝国で生活を立て直すこともできるでしょう」


 そう言い置いた子爵令息に促されて、イレインは歩き出した。

 イレインはいかにも貴族令嬢であることが判るようなドレス姿をしていたので、まずは目立たない服を買う必要があった。本当に、着の身着のまま追い出されたのである。


 世間知らずのイレインを、あらゆる場面で子爵令息が助けてくれた。イレインなど捨て置いて一人で動いたほうがよほど楽だろうに、子爵令息はイレインと一緒に行動してくれたのである。


「わたくしのことを、お恨みではございませんか」


 堪らず問いかければ、子爵令息は困った顔をした。


「経緯は存じ上げております。あなたは間違っていたのでしょう。あなたを恨む気持ちもあります」


 けれど、と子爵令息が言った。


「ヘレナが、わたしに、イレイン嬢を助けるように言いました。ヘレナはあなたのことを責めず、あなたが悪いとは一言も言わなかった」


 既に人目を気にする必要がないからか、子爵令息はヘレナを親しげに呼び捨てた。


「だから、わたしはあなたを助けます。イレイン嬢を信じるヘレナを、わたしは信じているからです」

「……左様ですか」


 割り切った顔をしている子爵令息に、イレインはそれ以上は言いつのらなかった。

 そんな様子で二人は、ひっそりと王国から脱して帝国へと逃げ延びたのだった。


***


 さて、その数年後のことである。


 無事に帝国に逃げ延びたイレインは、皇立研究所に拾われて働いていた。当初はそのような場所で働けるとは思っていなかったのだが、実のところ帝国でも、天才の名前を欲しいままにしていたイレインの存在はよく知られていたらしかった。

 ちなみにイレインの逃亡を手伝った子爵令息は、とある高位貴族に気に入られて下級官僚として働いていた。不器用ではあるが実直な人柄が好かれたらしかった。


 同じ研究所で働いている、帝国の侯爵令息である一人が、イレインに声をかけた。


「王国から救援要請が来たよ」


 侯爵令息が告げたのは、イレインの祖国である王国の名前だった。イレインが息を詰める。


「特効薬を分けて欲しいそうだ」


 そう言って、侯爵令息はひょいと肩を竦めた。


 話に上がった特効薬とは、王国から発生した伝染病に対するものだった。王国からじわじわと広がった伝染病は、今や隣国であるこの帝国でも猛威を振るっている。

 けれど、その被害は、王国とは比べるべくもなかった。帝国で一人目の発症が確認されるよりも前から、帝国への侵入を予見した帝国は特効薬の開発に踏み切っていたからである。


 特効薬の開発責任者は、イレインだった。イレインはこの功績をもって、女男爵の爵位を授かっている。


「左様ですか……」


 もの悲しい気持ちで、イレインは侯爵令息の話を聞いた。第三王子から婚約を破棄され家族から見捨てられ、最後はさんざんであったが楽しい思い出も残っているのだ。


「この五年で、王国の女性全体の二割が亡くなった。特に抵抗力の少ない若い少女たちの被害が大きくて、今や十歳以下の少女の四割が伝染病で亡くなっているそうだ」

「四割……」


 イレインはぽつりと呟いて、しばらく咀嚼して、それから愕然とした。


「四割? 王立研究所や、他の研究機関は何をしていたのですか!」

「事態を甘く見ていたようだよ。これは不味いと思い始めたときには、もう広がりすぎて手に負えなくなっていたようだ」

「何ということ……」


 王国が自身で特効薬の研究をし始めたのも、ほんの半年ほど前なのだという。

 遅すぎる、とイレインは呟いた。つまりそれは、イレインが逃げ出した五年前から何だかんだ半年前まで事態を楽観視していたということだった。


 帝国も、当初は様子見をしていた。けれど王国で収束の気配がなく、いよいよ帝国近くの街まで患者が広がり始めていたことから、帝国で患者が出るよりも早く三年前には開発に着手していた。

 帝国が本格的な研究に着手したのが三年前。実際に帝国で最初の被害者が出たのが二年半前。帝国は症状緩和のために各地に魔法士を向かわせたり対症療法のための薬を段階的に複数開発して被害者の抑制に努め、とうとうイレインを責任者にした研究チームで特効薬が開発されたのが一年前である。


 つまり帝国で特効薬研究の着手から開発までには、二年ほどの年月が経っている。けれど王国では、五年もの時間があったのだ。


 もっと早く動けたはずだった。もっと早く開発に着手して、もっと早く特効薬を完成させることはできたはずだ。


 イレインは確かに人びとから天才と呼ばれていて、研究チームの責任者を務めていた。けれど開発の成功はイレイン一人の功績ではないことを、仲間たちと動いていたから、イレインはよく知っている。

 詰まり開発の是非にイレインの存在はそれほど重要ではなく、注力さえすれば王国にも同じことはできたはずなのだ。


 イレインは同年代ではずば抜けた天才だと謳われているけれど、世の中には天才はイレイン一人だけではない。むしろこの皇立研究所で働き始めて、優れた能力を持つ人びとに打ちのめされてばかりである。


「どうして、そんなことに……」

「被害者が女性ばかりだったからじゃないかな」


 嘆くイレインに、あっさりと侯爵令息は言った。


「王国では女性の地位が低いことはよく知られている。件の伝染病は女性たちには致命的だが、男性には感染しない。だから甘く見積もられたんだ。他人事だったのさ」


 ぱさり、と侯爵令息はイレインの前に資料の山を置いた。王国からの嘆願書らしかった。


「この国では先々代の女帝の尽力で、女性の社会進出が進んでいるからね。男性たちにとっては他人事であっても、女性たちには自分事だ。だから女性たちからの突き上げで、これほど早く特効薬を開発できた」


 突き上げ、と言ってしまってから、侯爵令息は自分の口を覆った。言い方が悪かったことに気づいたらしかった。


「何ごとも善し悪しだね。女性はほとんど家庭に入るしか選択肢がないせいで、王国のほうが出生率が高いことは事実だし。もっとも、せっかく生まれた子どもたちも伝染病のせいでどんどん亡くなっているんだけどさ」


 イレインの隣の席に座って、侯爵令息は笑いかけた。


「皇帝陛下からのご下命だ。王国との交渉には、開発責任者としてイレインにも同席して欲しいそうだよ。大丈夫そうかい?」


 侯爵令息が案じる様子なのは、イレインが第三王子の元婚約者であって、半ば追放されるようにして帝国に逃げ延びたのが知られているからだろう。

 侯爵令息の考えは杞憂であると、イレインは笑って請け負った。


「王国の第三王子妃はわたくしの親友です。わたくしは彼女に、返しきれない恩と借りがあります」



 問題など起こるまいと思っていたイレインは、けれど後日の会談で思いがけない問題に出くわすことになる。


 すでに帝国の女男爵であるイレインに対して、交渉に出向いた第三王子が横柄に色々なことを命じたのだった。

 第三王子にとっては元婚約者であるイレインなど取るに足らない存在であって、横柄な物言いも悪気があるものではなかっただろう。けれど帝国にとっては、イレインはすでに功績を認められた女男爵である。


 これによって帝国の怒りを買った第三王子率いる王国の使節団は、見事に交渉に失敗することになったのだった。


 噂に聞けば、第三王子は何もかも全てを同席していた自分の妃であるヘレナの責任にして、ヘレナを切り捨てようとしているらしい。

 そういう動きを同僚の侯爵令息から聞いたイレインは、とある人物に情報を渡すことにした。本来はヘレナと婚約するはずであった、あの子爵令息である。


 イレインから情報を受け取った子爵令息は、すぐに休みを貰って旅支度を整えた。第三王子から離縁されるヘレナを迎えに行くためだ。


「これくらいじゃあ、恩を返せた気なんて全くしないけれど」


 言いながら、イレインは子爵令息にヘレナへの金子を押しつけた。それから忘れないように、旅に向いた動きやすいワンピースも渡す。

 イレインは子爵令息の手をきつく握った。帝国にしてみれば小国である王国出身とはいえ、高位貴族のお気に入りでもある子爵令息には山ほど縁談が届いているはずだけれど、彼はいまだにヘレナを一途に想い続けている。


「帝国にさえ逃げ延びてくれれば、わたくしにも手助けができると思うわ」


 女性であり、皇帝から功績を認められた女男爵であり、何より各国を震撼させている伝染病の特効薬の開発責任者であるイレインは、身軽に動くことができない。

 だから万感をこめて、イレインは子爵令息に言ったのだ。


「お願いよ、きっとヘレナを幸せにしてね」

 数年前の新型コ○ナはそれはもう大変な騒ぎになりましたが、同時に思うのです。もしもこれが仮に女性にしか感染/発症しない感染症だったら、あれほど世界中が大パニックになっただろうか、って

 別に男性だから女性だからと言うつもりはなく、女性の問題を男性が軽視するのと同じように、男性の問題を女性が軽視することは珍しくないでしょう。でも世の中を動かしているのは男性が多いので、どうしても社会全体の動きとして女性の問題は軽視されがちだよなーなどと思う次第でございます


 これ別に王家が間違っているというつもりはなくて、イレインとの婚約を破棄した王家の判断は正しかったのでしょう。ただ正しかったのと同時に、ある意味では愚かであっただけです

 世の中には一定数の賢いものは正しい/愚かなものは間違っていると決めつけたがる人びとがいますが、そんな二元論的に割り切れるものばっかりとは限らないよねー、という気持ちで書きました


 ヘレナは当初は『優秀だけれどイレインほどの反骨精神はないから命じられた婚約に従順に従う令嬢』という気持ちで書き始めたのですが、知らないところから幼馴染みの子爵令息が生えてきました。どこから出てきた??


 わたしは八割くらい左利きなのですが(一部の道具は右で使います)、ファミレスのスープバーとかでよくある横口レードルがどうしても使いづらいのですよね。これ同じく左利きの読者さんにはだいたいご共感頂けるかと思うのですが

 ただ横口レードルを最初に開発した誰かが『これで左利きの人間どもを苦しめてやるぜ!』だとか考えていたかと言えばそんな訳はなくて、思いついた瞬間には恐らく『俺ってばとんでもなく便利なものを思いついちゃったな……』みたいな自画自賛をしていたと思うのです


 世の中にはそういう、声の小さな誰かには不便である色々なことが蔓延していて、ただそれはマイノリティに対する悪意によるものばかりかと言えばそうでもなくて、大概において世の中を動かしているのは逆に声が大きかったり『正しい』人間であることが多いのでむしろ善意によるものであることが多いのだろうなぁ、と思う次第でございます

 わたしは自分が『正しくない』自覚があるので、つい『正しい』という言葉を悪意をもって使ってしまいがちです。それはつまり家庭環境や能力に恵まれていたり、賢かったり、経済力があったり、肉体的・精神的に強靱であったりする人びとを示します

 『正しい』人びとは大概において生きることに優れていて、(もちろん必ずしもとは言いませんが)幸福であることが多くて、だから自分を疑うことが少ないので自然と声が大きくなる。彼らがたとえただ善良なだけの人びとであったとしても、悪意なく『正しくない』人びとを押し潰すのです


 なろうテンプレ小説では『正しい』ことが正義であることが多いので、そういう部分でもやっぱりわたしとの相性が良くないなぁ、と思う次第でございます。わたしはいつだって、『正しくない』人びとが生きていたって良いでしょ、と思ってしまうので


 そういえば、なんだか知らない間にまた新しい設定が増えているのだわ……。『メディア化打診のサポート』……? わたしにはご縁のないことですけれども……

 ついこの前にAI設定をポチポチしたばっかりなので、いったんスルーでございます。新しい設定が増えるたびにやっていたらキリがなくてよ


【活動報告:20260626】

https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/799770/blogkey/3658669/


【過去作品:作者ID+総合評価降順】

https://yomou.syosetu.com/search.php?userid=799770&order=hyoka

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