そして妻は神判の門をくぐった
大きな手術を決意した妻は、手術前に中国に里帰りすることを切望しました。
妻としては大きな手術前に両親や親族と会って気持ちの整理をするために、どうしても里帰りしたかったのです。
担当医から「風邪をひいて体調を崩さなければ帰国しても大丈夫」とお墨付きを貰い、里帰り準備をしました。
そして3月末から4月初の二週間の里帰りを無事に終えて帰国。
帰国後は急いで手術に向けた入院準備を始めました。
最短一ヶ月半の長期入院です。
着替えや生活用品など、最低限の荷物をスーツケースにまとめました。
入院までの数日間、妻は毎日のように「手術したくない」とワタシに懇願し、それを説得する…これの繰り返しでした。
2017年4月16日。
手術前日に入院…
体調を崩さない様に病室で早めに休むことになりました。
病室の妻も、自宅のワタシも緊張と不安でほとんど寝れない夜となりました。
4月17日
手術当日、ワタシは会社に休みをもらい、7時に妻の病室へ行きました。
8時には手術室に向かうという事で、震える妻の手を握りながら
「心配いらない。
この病院は日本でもトップレベルです。
手術は絶対に成功する。」
と言い続けました。
そして8時、看護師に案内されて手術フロアへと向かいました。
手術室へと入る扉の前で
「手術が終わるまで待合室で待ってる。」
と伝え、手術エリアのドアを通過する妻を見送りました。
妻は扉が閉まる前に一度振り返ったので、ワタシは妻に向かって小さく手を振り、笑顔で送り出しました。
ここまでお読み頂きありがとうございます。
次回は 2026年1月4日 公開予定です。
ep10 世界が赤く染まった日
ep11 驚異の回復、希望の光
ep12 一進一退の攻防戦
次回からは手術やICUなど描写や
病気の進行など、生々しい描写が含まれます。
苦手な方は、ご自身のペースで
読み進めていただければと思います。




