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妻の最後の優しさが「さよなら」言わずに逝く事だった件


 ベッドに横たわる妻はまるで寝ている様に穏やかな顔をしていました。

 検死が終わり、介護士が妻の身体のお清めと化粧をし、濃紫のチャイナドレスに着替えさせてくれました。


 2016年に中国から日本へ戻る時に、「子供の結婚式」用に買っておいたチャイナドレスです。

 介護士はは妻に話しかけながら丁寧に身なりを整えてくれました。


 妻の死はワタシの目の届かない時に訪れました。

 

 妻の最後の瞬間に寄り添う事ができませんでした。


 これは妻の気遣いだと思っています。


 もし最後の瞬間を目の前にしていたら、

 ショックで卒倒していたと思います。


 妻としても、前回の危篤時に無理やり引き留められたので、今回は邪魔されずに旅立ちたかったのかもしれません。

 妻の顔は苦しんだ様子もなく、とても穏やかでした。

 その寝顔を見て、少し冷静になれました。


 そこからはものすごい勢いで時間が流れました。


 まずは葬儀の手配です。

 次に、生前に妻に頼まれていたので義妹に妻の死を伝えました。

 妻は両親を心配させない様に、自分の容態を正確に伝えていませんでした。

 妻が父親に送った最後のメッセージは亡くなる二日前でした。


 「日本の医療は凄い。

  自宅でも病院と同じ治療が受けられる。

  心配しなくて大丈夫」


 妻の両親や妹は妻が快方に向かっていると思っていたらしく、コロナで三年間里帰りできなかったので、次の春節には里帰りするものだと楽しみにしていたそうです。

 それだけに妻の「死」の連絡はショックを受けていました。


 妻は生前に…


「今の私の状態をありのままに伝えたら、

 両親はパニックを起こして直ぐに日本に

 飛んでくる。

 そうなったら、あなたに負担を掛けてしまう。

 私も両親や妹、そして親戚たちに会いたいが

 それは叶わない。

 私の身体が動くときはコロナで里帰り

 できなかったし、コロナが終わったら

 私の身体が動かなくなっていた。

 これはとても悔しいけど仕方がない」


と言っていました。

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。


妻は、最後の瞬間まで

家族や周囲のことを考えていました。


立ち会えなかったことに後悔はあります。

それでも今は、

それも妻なりの優しさだったと

受け止めています。


次話では、

亡くなったはずの妻が

思いがけない形で登場します。


ep22

 妻が夢枕で仁王立ちしてネガティブ夫に喝入れした件


ep23

 妻に来世でプロポーズしたら

 現世の黒歴史がリセットされる件【完結】


2026年1月25日 公開予定です。

次回にて、この物語も完結となります。

最後までお付き合いいただければ幸いです。

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