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現実を受け入れた妻の告白

 

 【12月22日の夜】

 一日中寝たきりの妻が起き上がりました。


 「鎮痛剤の効果で身体が楽になった。

  少しお腹が空いたから何か食べたい。」


 「何を食べたい?

  お粥でも作ろうか?

  甘い物が良ければ買ってくるよ」

  と聞くと


 「とりあえずトースト半分」


 というので準備しました。


 トーストを食べ終わると…

 妻は唐突に話し始めました。

 ここ数日の様子からは考えられないくらいに

流暢な話し方でした。


 「どうしてこんな事になったんだろう。

 私は今まで一生懸命に生きてきた。

 悪い事もしていない。

 たくさん努力してきた。

 たくさん我慢もしてきた。

 たくさん頑張ってきた。

 どうしてこんな事になった?


 人生で辛かった事が三つあります。


 一つ目は大学進学を両親に相談した時。

 小学一年生の頃から親元を離れ寮生活で

 淋しいのを我慢して一生懸命に勉強して

 北京の大学の特待生に選抜された。

 それなのに進学を相談したら

 「遠くの大学なんか必要ない

 実家近くの大学に進学しろ」と

 今までの努力を否定された…

 むかついたから進学を諦めて、

 縁もゆかりもない広東省で就職した。


 二つ目は結婚を両親に相談した時。

 広州で知り合った外国人ワタシ

 結婚したいと言ったら

 「遠く離れた場所で働いた結果、

 外国人と結婚するくらいなら、

 北京の大学に進学させて、

 中国人と結婚して欲しかった。」

 と父に言われた。

 大学進学を諦めさせられたのに、

 今度は結婚を否定されて超ムカついた。

 超ムカついたから

 絶対にワタシと結婚すると譲らなかった。


 三つ目は長男出産の時。

 自分が上手く立ち回れなかった事で、

 両親とあなたが上手く交流できずに

 家の中が殺伐とした雰囲気になり

 両親やあなたに嫌な思いをさせた。


 結婚生活で我慢した事はたくさんあった。

 でも、私はあなたと結婚した事を

 後悔していません。

 あなたは頑固で気の利かない人です。

 でも、あなたは家長の責任感が強く

 家族のために一生懸命でした。

 やり方は不器用だけど

 家族の幸せを最優先に考えています。


 私は死んでしまうけれど、

 子供たちの生活を心配していません。

 それは、あなたが健康でいれば

 子供たちも健康だからです。

 私は子供たちが独り立ちしたあとの

 あなたの事が心配です。

 それは子育ての責任感から解放されたあと

 自分の健康の事を考えなくなるからです。

 私はあなたが再婚しても気にしません。

 それはパートナーへの責任感で

 自分の健康を大切にするからです。

 私はあなたと結婚して幸せでした。

 ありがとう。」


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