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負けられない戦い


 2022年10月。

 一回目の投薬治療が始まりました。


 投与時は全身の激しい痛み、投与後は眩暈と吐き気、体内では白血球の著しい減少が起きます。

 白血球の減少により病気への免疫力が低下し、ちょっとした風邪が肺炎に繋がり、死のリスクが高くなるので、完全隔離で面会NGとなりました。


 最初の入院は十日間の予定が二週間に、そして三週間になり…ようやく帰宅したと思ったら、その翌週には二回目の入院となりました。


 抗癌剤の副作用は二回目投薬の退院後に一気に表面化しました。


抗癌剤の副作用で最も有名な「脱毛」でした。


 髪の毛だけではなく、眉毛も睫毛も…体中の体毛がボロボロと抜け落ちるのです。


 退院して二日目の夜、妻はワタシに


 「丸坊主に刈ってください」


 と頼んできました。

 妻の頭髪はところどころバッサリと抜け落ちていました。


 ワタシは洗面台の棚からバリカンを取り出し、妻の頭を丸坊主にしました。

 妻の頭を泣きながら刈っていると、


 「泣きたいのは私の方です」


 妻は背中を震わせながら呟きました。


 「ワタシも丸坊主にする。」

 と言うと…


 「私は治療が終わればまた髪は生える。

  あなたは丸坊主にしたら二度生えない。

  だから丸坊主にするな。」


 と言われました。

 妻の心の強さにまた涙が流れました。


抗がん剤の副作用の脱毛はとても強かったです。

 丸坊主にした後、髪の毛は生えてくるのですが、直ぐに抜けてしまうのです。

 朝起きると枕元に5ミリほどの髪の毛が抜け落ちているのを見るたびに妻はショックを受けていました。

 ワタシは入院で病院に向かう時の為にウィッグを手配する為に妻と相談しました。


 医療用のウィッグを検索して妻にデザインを選択する様に見せたら…


 「治療が終わったら元に戻るので

  高いモノは要らない。安いヤツで十分。

  長いと手入れが面倒なので、ショートタイプの

  黒色と濃い茶色の2つ買ってください。」


 この時は『相変わらず節約するなぁ』と軽く考えていました。


 抗癌剤の副作用影響は「体重の減少」もありました。

 発症前は160センチ/49キロの細身の体型でしたが、2017年の摘出手術後は40キロまで減少、その後45キロまで回復しましたが、抗癌剤治療開始後40キロまで一気に減少しました。


 副作用の吐き気で食欲低下、治療中はほぼ寝たきりなので筋力の低下、退院後は少し増えますが、すぐに入院でまた体重減少の繰り返しで、体重は減少する一方でした。


 それでも妻は抗癌剤治療を続けました。


 既定の六回と、追加の二回もやり遂げ、あとは投薬結果の確認待ちとなりました。


ここまでお読み頂きありがとうございます。


次回は 2026年1月11日 公開予定です。


ep14:丘の上で手を振る人影

ep15:笑顔で隠す死の恐怖


身体の痛み、心の痛みに耐えて

最後まで抗癌剤治療をやり切りました。

それは「勝利」でも「終わり」でもなく、

家族が次の時間へ進むための通過点でした。


宜しければ引き続きお読みください。

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