もう一人の召喚者
◆◆◆
その日、アドモス城は朝から蜂の巣を突いたような騒ぎの中にあった。
その騒ぎの中心はこの国の国王。
朝食の席である報告を受けた国王は、食事を途中で切り上げ、ある場所に向かった。
そこは、末姫エヴァンジェリンの部屋。
国王がその部屋に入るが、そこで見たのはいつものエヴァンジェリンの部屋。
特に荒らされることもなく、ドアや窓も、どこも壊れている様子もない。
だというのに、この部屋の主がいない。
「……本当にエヴァンジェリンがいなくなったのか? 湯浴みにでも行っているのでは……」
「湯殿も確認済みでございます。どこにも……どこにもエヴァンジェリン様の御姿が見当たりません……」
王族を警護するための近衛兵が、暗い顔で俯きながらそう言った。
近衛兵にとって、王族が行方不明になることなど絶対にあってはならないこと。
だが、今回それが起きた。
「待て待て、いなくなったというのはどういう意味だ? エヴァンジェリンがふざけて隠れているのか? それとも攫われたのか?」
それが咄嗟に判断できない程、いつも通りの部屋。
近衛兵は国王の言葉を聞いたあと、しばらく俯いたあと、ようやく言葉を洩らした。
「……分かりません。昨晩は、この部屋だけでなく王城自体に異常など全くありませんでした。不審者の影すら見えておりません」
「なら、やはりエヴァンジェリンが自分で隠れているのか……?」
国王がそう思って城内の捜索に切り替えようとしたとき、エヴァンジェリン付きの侍女が「あっ!」という大きな声を出した。
「どうした?」
国王がそう言いながらその侍女に近付くと、侍女は化粧台を指差してガタガタと震えていた。
「化粧品が……エヴァンジェリン様が愛用していた化粧品がありません……」
メイドの指差す化粧台の上を見るが、化粧品は他にもあって男である国王にはなにがなくなったのかサッパリわからなかった。
「あるではないか?」
「……」
メイドは一瞬、信じられないものを見る目になったが、すぐにその相手が国王だと気付いて説明を始めた。
「そこに置いてあるのは日常使いのものではありません。数日に一回とか数週間に一回とか使うものです。無くなっているのは、エヴァンジェリン様が毎日お使いになるものです」
「……つまり、それがないということは、エヴァンジェリンが持って出たということか?」
「そうなるかと……」
メイドの話を聞いて国王が導き出した答えは……。
「まさか……家出したのか?」
それを聞いた近衛兵は、咄嗟に声をあげた。
「ありえません! この城の出入り口を介さず城外に出ることなど、エヴァンジェリン様にできるはずがありません!」
「それもそうか……」
国王は、この城を取り囲む城壁を見た。正規の出入り口を通らない場合、この城壁を乗り越えなければならないのだが、それをエヴァンジェリンが出来るとはとても思えず近衛兵の言葉に納得した。
「しかし、ならばエヴァンジェリンはどこに行ったというのだ? 賊が侵入した形跡もない、城から出た形跡もない。まさか、この部屋から煙のように消えたとか言うつもりではあるまいな?」
「……正直、そう言われた方が説明が付きます……」
近衛兵のその言葉を聞いた国王は、思わず大声を出した。
「ふざけるな!! そんなことあるはずがなかろう!! とにかく、まだエヴァンジェリンの悪戯だという可能性もある、城中を捜索しろ! 今すぐにだ!!」
「は、ははっ!」
近衛兵は国王の命令に即座に返事をすると、バタバタと走って行った。
その後ろ姿を、国王は睨みつけながら言った。
「エヴァンジェリンの悪戯ならまあいい。もし、本当に失踪していたら……命はないと思えよ」
国王はそう呟いて執務室に向かった。
そうして城内大捜索が行われたのだが、執務室にいる国王のもとに届くのは、エヴァンジェリン不在の報告ばかり。
その報告が届くたびに国王の苛立ちは増していき、執務室には常に国王の怒号が響くことになった。
怒れる国王を宥めるために、一刻も早くエヴァンジェリンを見つけ出したい城の人間たちは、徐々に人員を増大していき、ついに城中を巻き込んだ大騒動になったのだった。
ただ、そんな騒ぎに参加していない人間が一人いた。
「あれ? 朝メシが来てない? まったくもう、ちゃんと仕事してくれよな」
城内にある客室で目覚めた太田が、いつもならテーブルに用意されている朝食がないことに気付き、ブツブツと文句を垂れた。
「ん……ぅん? どうしたの?」
太田の独り言を聞きつけたのか、昨晩太田の相手をした女が眠りから覚め、ベッドから声をかける。
「ああ、今日はまだ朝食が届いてないんだよ。折角二人で食べたかったのに」
太田は不満気にそう言うと、テーブルに置いてある呼び鈴を鳴らした。
いつもならすぐに城のメイドが現れるのだが、今日は中々姿を見せない。
そのことにも不満を覚えた太田は、さっきよりも強めに呼び鈴を鳴らした。
すると、バタバタという足音とともに、メイドが現れた。
「はぁっ、はぁ、お、お呼びですか?」
息を切らせながら現れたメイドに、太田は労いの言葉をかけるでもなく、悪態を吐いた。
「お呼びですかじゃないよ! 朝食が用意されてないんだけど、どういうこと!?」
太田にそう言われたメイドは、チラッとテーブルを見た。
確かに、朝食が用意されていない。
それは確かに失態だが、今日はそれどころではなかったのだ。
なにか事情があったと察することはできないのだろうか?
普段の行動から太田に対して不満のあったメイドは、太田へ悪態を吐きたい衝動に駆られたが、なんとか思い留まって頭を下げた。
「申し訳ありません。本日は朝から城内でトラブルがありまして、不備があったようでございます」
メイドがそう言うと、太田は「はあぁ」と大きな溜め息を吐いた。
「そんなの知らないよ。いいの? 君らは僕たちを浚って来た誘拐犯でしょ? それが許されてるのは僕たちを厚遇しているからでしょ。それなのに、こんなの失態でしょ? 大問題でしょ? あーあ、いいのかな? この国、出て行っちゃおうかな?」
太田のその悪態に、メイドは心底キレそうになったが、この男を厚遇すると決めたのはそれこそ国王だ。
国王の意思を一介のメイドである自分が台無しにしたとあっては、どんな罰が下るか分からない。
メイドは、喉元まで出かかった言葉を寸前で呑み込み、頭を下げた。
「申し訳ございません。すぐにご用意いたしますので」
「早くしてよ」
太田はそれだけ言うと、女がいるベッドへと向かって行った。
それを心底見下した目で見ていたメイドはすぐに踵を返し、部屋を出て行った。
「なんなのアイツ、なんなのアイツ! なんなのアイツ!!」
いつもと違い、皆がバタバタと走り回っている城内で、調理場へと向かう途中のメイドは思わずそう叫んでしまった。
それがあまりにも大きな声だったので、バタバタと走り回っていた者たちも思わず足を止めてしまった。
「ど、どうした?」
そう聞いてきた文官と思われる男性に「聞いて下さいよ!」と、メイドは先ほどの太田とのやり取りを聞かせた。
それを聞いた文官は、眉間に皺を寄せ、険しい顔になった。
それを見たメイドは、ヤバイと思った。
その文官は、見るからに地位の高そうな人物だったからだ。
怒りに任せて、王国の客人である太田の文句を偉そうな文官にぶちまけてしまった。
普段はこんな場所で見るような立場の人ではないはずだが、今日はいつもと違って城中を色んな人が走り回っている。
なので、見るからに地位の高そうな人だというのに、一瞬気付かなかったのだ。
そんな人が、自分の話を聞いて険しい顔をしている。
ああ、終わった。
メイドはすぐにそう思った。
しかし……。
「そうか……オータ殿は、そういう態度なのか……」
「え?」
「いや、真面目に修練に励み成果を上げていたナラ殿と違って、オータ殿からはなんの成果も上がっていないからな。上がってくるのは、娼館を利用した請求書ばっかりだ」
文官は苦笑をメイドに向けたあと、厳しい顔を太田のいる部屋へと向けていた。
「報告ありがとう。さあ、急いでいるのだろう? 早く行くといい」
「あ、は、はい!」
助かった? と思いながら、メイドは調理場へと向かう。
その背を見送った文官は、もう一度太田の部屋を見た。
「なるほどね。そういう態度なら……おっと、今はそれどころじゃなかった」
文官はそう言うと、改めてエヴァンジェリンの捜索に向かった。
こうして、一日中城内を探し回ってもエヴァンジェリンの姿は見つけられず、城外にもその捜索の手を伸ばしたのだが、そもそも昨晩正規の出入り口を通った記録がなにもない。
なら、抜け道でもあるのかと、さらに大捜索が行われたが、それすらも見つからなかった。
まさに忽然と、エヴァンジェリンの姿だけが消えてしまったのだ。
「どういうことだ……まさか、本当に煙になって消えてしまったのか……」
国王は、近衛兵を罰する気力も無くなっていた。
こんな奇妙な現象、どうやって防げというのか?
国王が執務室で頭を抱えた、そのときだった。
「陛下、失礼いたします」
王国の重鎮の一人が執務室に入ってきた。
「どうした!? エヴァンジェリンが見つかったか!?」
「い、いえ。そうではありません。それが、その……」
なんとも歯切れの悪いその重鎮に、国王は苛立ちをそのままぶつけた。
「ええい! ハッキリと申せ! なにがあった!?」
「は、は! それが、ワイマールの使者がやって来まして……」
「ワイマールの使者?」
こんなときになんだ? と思った国王だったが、次の報告で頭が真っ白になった。
「例の、先代召喚者、ケンタ=マヤの討伐に向かったミツヒコ=ナラ以下六名の遺体を届けに参りました」
「……なっ!?」
一瞬、なにを言われたのか分からなかった国王だったが、徐々に言葉の意味を理解すると、思わず叫んでしまった。
ちなみに、このとき届けられた奈良と言われる遺体は、ワイマールが用意したダミーの遺体だった。
炎の魔法で焼かれたと思われる遺体は損壊が激しく、奈良と言われたらそう信じるしかアドモス側には判断材料がなかった。
「し、失敗したのか!?」
「どうやら、そのようです……」
「なんということだ……」
国王はそう言うと、全身の力が抜けたように椅子に崩れ落ちたが、あることに気付いてもう一度立ち上がった。
「ワイマールは!? ワイマールは一体なにをしていた!? まさか、奴らがナラ殿たちを!?」
国王の言葉に、重鎮は首を横に振った。
「いえ。ワイマールはことさらに「この件に我々は関与していない。我々は、彼らが国を通過するのを許容した。それ以降のことは与り知らない。この遺体も預かっただけだ」と、この件には一切関わっていないことを強調していました」
「そうか……」
国王はそう言うと、椅子に座り直し、また頭を抱えた。
「失敗した……ケンタ=マヤの討伐に動いて失敗した……これはマズイ……マズイぞ……ケンタ=マヤがここに攻めてくる……」
エヴァンジェリンがいなくなったという異常事態でも頭が痛いのに、さらに最凶と噂される召喚者に喧嘩を売ってしまった。
奈良なら大丈夫だと思ったのに、まさか失敗するとは思ってもみなかった。
「……早すぎたのか? ……もう少し経験を積ませるべきだったか……」
エヴァンジェリンに手を付けられた怒りに任せて、奈良を健太のもとに送り出したことを、今更後悔し始めていた。
そもそも、エヴァンジェリンが召喚者の心を射止めたのであれば、それを祝福するべきだったのではないか?
召喚者の血を取り込めば、アドモス王家はもっと強くなれていたかもしれない。
あのとき、父としてではなく国王として対応していれば……。
国王は、今さらそんな後悔をしていた。
「……ところで、もう一人の召喚者はなにをしている?」
奴ならいけると思った奈良を失ったことで思い出したもう一人の召喚者、太田のことをようやく思い出した国王は、重鎮にそう訊ねてみた。
すると重鎮は、小さく溜め息を吐いたあと、小さく首を横に振った。
「あれはダメですな。確かに我々と比べて身体能力も高いし魔力も多い。しかし、自分たちを浚って来たこの国には自分たちを養う責任があるはずだと、そればかりを主張していて、ナラ殿のように鍛錬に励まれることも全くありません。夜の鍛錬には真面目に取り組んでいるようですがね」
重鎮は、心底侮蔑するように太田のことをそう評した。
その報告を聞いた国王は、エヴァンジェリンと奈良を失った怒りを、全て太田にぶつけた。
「……もういい」
「はい?」
「奴を召喚してから今日まで、十分すぎるほど養ってきてやったはずだ。だというのに、奴はなんの努力もせず遊び惚けている。これ以上、我らが奴を養ってやる必要があるか? 奴がナラ殿のように、我らの施しに報いようとするならともかく、なにもしていないんだろう?」
「そうですね。報告を聞く限りなにも。それに、今日上がった報告では、メイドが奴に罵倒されたようですし」
「そんな奴に、これ以上我らが施しを与える必要があると思うか?」
「ありませんね」
国王の問いに、重鎮は即答で答えた。
「我らは十分に償い、施しを与えた。ナラ殿はそれに応え、命さえ投げ出した。だというのに、我らの施しに胡坐をかき、惰眠を貪る輩にはこれ以上の施しは不要である」
「は!」
「オータを放逐せよ」
「御意!」
重鎮はそう言うと、そそくさと部屋を出て行った。
重鎮が出て行ったあと、国王は奈良の存在がどれほど重要だったのか、改めて思い知った。
「こんなことなら、素直に二人を祝福してやるべきだったか……勿体ないことをした……」
その言葉は、あくまで使えるコマを失ってしまったことへの後悔だった。
なぜなら……。
「もう一度リンドアに頼むか。今度は失敗しないようにしなければな」
もう次の召喚について考えていたからだ。
そして、太田は……。
「え? それ、本当ですか!?」
喜色満面といった顔で役人からの言葉を聞いていた。
その役人が太田に告げたのは、今日はいつも利用している娼館を貸切ったので、その娼館で存分に遊んで来ていいという話だった。
いつも一人ずつ部屋に招いていた太田は、娼館で派手に女遊びができると、ウキウキと役人の話を受け入れ、娼館へと向かって行った。
馬車で娼館へと送られた太田は、送ってくれた役人に笑顔で手を振るとすぐに娼館の中に姿を消した。
そんな太田を娼館まで送り届けた役人は、ニコニコとした顔で太田を送り出したあと、大きく行きを吐き出し、さっきまでの作り笑いではない、心からの笑顔を浮かべた。
「あははは! ようやく、ようやく厄介払いができた! これで城内の風紀も元に戻る。役立たずに偉そうにされることもなくなる! ああ、せいせいした!!」
そう、この日太田は、確かに娼館で豪遊する。
しかし、それは太田に対するアドモス王国からの手切れ金のようなもの。
これ以降、太田が城に戻ることはできなくなる。
なぜこんな手段を取ったのかといえば、役立たずとはいえ召喚者である太田は他の人間より力が強い。
そんな太田を取り押さえて放逐するのは時間と労力がかかる。
ならば、太田が喜んで城外に行くような用事を作って自分から出て行ってもらい、あとは城に入れさせなければいい。
剣の訓練もせず、魔法も小さいものしか使えない太田は強引に門を突破することはできないだろうという判断からだ。
その判断は功を奏し、存分に遊んだ太田が城に戻ろうとするも迎えの馬車はなく、不審に思った太田が徒歩で城に向かうも、まさに門前払いを受けた。
「な、なんで……?」
その言葉を聞いた門番の兵士は、太田を鼻で笑った。
「なんで? ナラ殿があんなに頑張っておられたのに、お前はなにをしていた? ただ女と遊んで惰眠を貪っていただけじゃないか!」
「そ、それは……僕は魔法使いになるのであって……」
「それを、誰から教えて貰うつもりなんだ?」
「だ、だって! その先生を紹介してくれなかったじゃないか!」
太田のその言い分に、兵士たちは心底呆れた顔をした。
「そんな魔法を教えられる魔法使いなど人族にはいないと、何度説明すれば理解するんだお前は?」
「え? だ、だって……異世界モノでは、そういう先生がいるものだし……」
太田は、夢想していた。
合法ロリな魔法の先生と、キャッキャウフフしながら魔法を習い『す、すごいわ! こんな魔法見たことない!』『あれ? 僕、なにかやっちゃいましたか?』をすることを。
しかし、現実には人族に魔法を教えられる先生などいない。
なので、剣の訓練をするようにと言われていたのだ。
それを奈良は理解したが、太田は「異世界でそんなことあるはずない」と、アドモス王国が嘘を言っているのだと勝手に決めつけてしまったのだ。
「陛下からのお達しだ『我々は貴殿に十分な施しを与え、厚遇してきた。しかし、それを当然と思いあまつさえ罵倒までされては、これ以上貴殿と共に歩むことはできない』だそうだ」
「そ、そんな……お、おかしいぞ!! この国には、僕たちを拉致してきた責任があるはずだ!」
「それには十分に報いてきただろうがよ!!」
太田の主張に、兵士はとうとう大声を出した。
その剣幕に、太田はビクリと固まった。
そして、兵士が嫌悪した顔で自分を見ていることに気付いた。
「ナラ殿は! ナラ殿は自分が厚遇されている理由を理解していたよ! それでも、そこまでして自分たちを呼ぶ理由があったんだと、それに応えようと努力していた!! ナラ殿は戦場で! 泣きながら! 吐きながら魔族を倒していた!! なのに!! それなのに……なんでナラ殿みたいな御方が死んで! お前みたいな穀潰しが生き残ってるんだ!?」
「え?」
話の途中で涙を流しながら叫んだ兵士の言葉を聞いた太田は、呆けた顔をした。
「奈良君が、死んだ?」
その言葉を聞いた兵士は、蔑んだ顔で太田を見た。
「はっ、そのことも知らねえのかよ」
「いや、だって、誰も教えてくれなかった……」
「それだけで、お前が城でどう思われてたかって分かるだろ」
「そ、そんな……」
「いいからさっさとどっか行けよ。お前の顔を見てるだけでイライラしてくる」
最後に飛び切りの嫌悪感をぶつけられた太田は、その顔に恐怖を覚え、逃げるように城門から駆け出した。
そして、城下町にやってきた太田は、これからどうしよう、と悩みだした。
「うーん……お城で魔法とか教えてもらえると思ったんだけどなあ……そういうシステムはなかったのか。なら、冒険者になって冒険者ギルドデビューでもしようかな。それで受付嬢と……」
太田は、そんな未来を夢想しながら街を歩いていく。
どうやら太田は、この世界のことをゲームや小説の世界と混同しているらしく、兵士の涙ながらの言葉も心に響いていなかった。
そして、この世界には冒険者ギルドなどという組織はなく、それに該当するのが探索者協会であると気付くまで数日を要することになるのであった。
そして、そこに美人な受付嬢はいたが事務的な対応しかしてもらえず、さらに太田の期待した魔力チェックすらなく、淡々と探索者になった。
「……あれ?」
自分の期待とは、まったく違う展開に、太田は首を傾げるのであった。
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