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反少年主義 第三幕  作者: 椎家 友妻
其の一 カバトン改造計画
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5 カバトンのうめき声

 という訳でオレは、一人でカバトンの家に向かった。

 それにしてもカバトンの奴、一体どうしたんやろうか?

学校をサボるってキャラでもないし、事故にあったとも考えにくい。

まさかこの前のカスミみたいに誰かに誘拐されたとか?

でもあいつはかなりの太っちょやから、無理やりさらうにはちょっと重すぎると思うけどなぁ。

あ、でも、

『お菓子をあげるからおじさんについておいで』

とか言われたらホイホイついて行きそうやな。

おいおいマジかよカバトン・・・・・・。

 と、頭をかきながら歩いていると、カバトンの家が近づいてきた住宅街で、

何やら変なうめき声が聞こえてきた。

 「ヌ~ん、ヌ~ん・・・・・・」

 まるでお相撲さんみたいな野太い声が、変なうめき声をあげている。

しかもこの声には聞きおぼえがある。

おそらくカバトンや。

 するとカバトンと思しきその声は、虫の息でこう続けた。

 「ナ、ナすけて~。ノのままだと、ニんじゃうよ~っ」

 ちなみにカバトンは言葉の最初の文字がナ行に変化するという何とも変わった口癖があり、

オレはこれをナーナー弁と呼んでいる。

これは間違いなくカバトンや。

ていうかこのままやと死ぬってどういう事やねん⁉

まさかホンマに誘拐されそうになってるんか⁉

 そう思ったオレは、声がした方に向かって一目散に走りだした!

 待っとれよカバトン!

オレが今すぐ助けに行ったるからな!

 そしてオレはカバトンの声がするすぐ近くまでたどり着いた!

そこは住宅が並ぶ見通しの良い道やったけど、カバトンの姿は見当たらんかった。

 「おかしいなぁ。多分この辺りに()ると思うんやけど」

 そう呟きながら首をかしげていると、再びカバトンのうめき声が聞こえた。

 「ノ、ノシオく~ん。ノっちだよ~う」

 それはオレの左側から聞こえた。

なのでオレは声がした方に顔を向けた。

すると、何と。


 カバトンが(せま)い路地の間に(はさ)まっていた。



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