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反少年主義 第三幕  作者: 椎家 友妻
其の一 カバトン改造計画
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4 カバトンは欠席

 「あれ?今日はカバタ君お休み?」

 ウチのクラスの担任であるカサノハラモモエ先生は、その日の朝礼で教室を見渡して言った。

 「連絡はなかったんですか?」

 手を()げて尋ねるオレに対し、モモエ先生は首を横に振りながらこう答える。

 「いいえ、カバタ君のおうちからは何も聞いてないわ。何かあったのかしら?」

 ちなみにカバタとは通称『カバトン』の事や。

食いしん坊で、ナーナー弁というちょっと変わった言葉を喋る。

学校を無断欠席するような奴ではないんやけど、一体どうしたんや?

あいつの事やから朝飯を食べすぎて、腹でも壊したんやろうか?


 今日は始業式なので授業はなく、午前中だけで学校は終わった。

そして終礼を終えて教室から出て行こうとすると、モモエ先生がオレに声をかけてきた。

 「キタヤマ君、ちょっといいかな?」

 「え?何ですか?」

 オレが立ち止まって振り返ると、モモエ先生は数枚のプリントを差し出して言った。

 「悪いけどこれ、カバタ君のおうちに届けてくれない?」

 「はあ、まあいいですけど、あれからカバトンの家から連絡はあったんですか?」

 「ううん。だからさっき私の方からカバタ君の家に連絡したんだけど、

カバタ君は今朝、学校に行く為にちゃんと家を出たんだって」

 「ええ?じゃああいつ、学校に()んとどっかに行ってしもうたんですか?」

 「そうみたいなの。もしかしたら学校に来る途中に、事故にあったのかも」

 「う~ん、でもそうやとしたら、すぐに家や学校に連絡がいくでしょ?

きっとどっかで道草でも食ってるんですよ」

 「そうだといいんだけど・・・・・・」

 「とりあえず、そのプリントを持ってカバトンの家に行ってみます。

で、まだ家に帰ってなかったら、あいつが行きそうな所を探してみますよ」

 「ありがとう、そうしてくれると助かるわ」

 「いやいや、これくらいお安い御用ですよ」

 そう言いながらモモエ先生からプリントを受け取っていると、

オレの首に腕をまわしながらマサノブが言った。

 「よかったなぁヨシオ。これでまたモモエ先生の好感度が上がったで」

 「なっ⁉アホか!別にそんなつもりないわい!ていうかお前も一緒に行くやろ?」

 「あー、おれはパス。帰ったら母ちゃんに買い物頼まれてんねん」



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