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帝神学園の現状 Ⅰ

 俺は、琴音さんに連れられ高等部長室へとやってきた。


 「部長、失礼します!」


 「……失礼します」


 そこで待ち構えていたのは、スーツに身を包んだ細身で若い男性だった。


 「おはよう、浅井くん。そして隣の方は申請のあったSSの神藤涼介君で合っているかな?」


 「おはようございます、小鳥遊部長」


 「おはようございます?」


 「ああ、僕も名乗らなければわからないよね?僕はこの学園の高等部のトップを一応務めさせてもらってる小鳥遊 侑(たかなし ゆう)っていうんだ。これからどうぞよろしく」


 「よろしくお願いします?」


 「……涼介さん、小鳥遊部長はこの学園内で数少ない平和主義者で私の味方ですから大丈夫です」


 「そうだよ?まあ、警戒されてもおかしくはないし皇大さんにも頭が上がらないんだけどね」


 「うちの社長を知ってるんですか?」


 「まあね?というか皇大さんのほうが先輩だからこんな口調で話してるわけにもいかないんだけど」


 俺は、確かにこの男から敵意や悪意を感じ取れなかったのでそのまま会話を続けた。


 「俺はどうしてここに連れてこられたんですかね?」


 「浅井くん、説明しなかったのかい?」


 「説明するよりも先に羽虫が湧いてきまして」


 「羽虫……アイリス家か」


 「2人ともアイリス家の覚え方ひどくないですか?」


 「いや、あの家の連中には僕も手を焼いているというか部長権限を発効しようにもあの家を抑えられるだけの武力を持ち合わせていなくてね」


 「なるほど……でもそれならよく琴音さんに対するいじめは一般的なレベルですみましたね」


 「まあそれはそもそも止められなかった僕に責任があるわけだけど、この学校唯一のルールである護衛無しの学生に対する武力行為の禁止だけは誰一人として破っていないんだよ」


 「なるほど……この学校がかなりヤバいところなのは理解できました」


 「だからね、僕は神藤君、君に期待してるよ」


 「俺なんて全然ですよ?」


 「いやいや、この世界に銃弾を狙った場所に寸分違わず跳ね返す人間なんて君くらいなものだからね?」


 「……まあ俺としても報酬をもらってますし、琴音さんを助けた責任もありますからやれるところまではやりますけど」


 「私は涼介さんの事信頼してますから!あの塵どもはひとり残らず消しちゃってください」


 「いや、そこまではしないからね!?」


 「とりあえず、そろそろ授業が始まる。護衛は教室には不可侵だから君はどうするかい?」


 「そうですね……この部屋にいさせてもらうことはできますか?」


 「いいとも。じゃあ浅井くんを教室まで送ったらここに戻ってきなさい」



 こうして、帝神学園の内情を少し知った俺はひとまず琴音さんを連れて教室へと向かい、また部長室へと戻った……

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