初出勤からの宣戦布告
今話から帝神学園編が始まります!駄文になりますがよろしくお願いいたしますm(_ _)m
俺は、翌日の朝に浅井家に迎えに行く事を約束して自宅へと戻った。
「いや、なんで困ってるJK助けただけなのにこんなことになってんのかな。まあ割のいい仕事にはなりそうだけど」
そして翌日朝……
「おはようございます、涼介さん」
「おはよう、浅井さん」
「あの、お願いがあって…」
「なにかな?」
「私のことは名字じゃなくて名前で呼んでほしいんです!」
「え?それくらいなら全然いいけど……琴音さん、これでいいかな?」
「……ふふっ」
「なんかまずかった?」
「いえ、なんの問題もないですよ?」
「ならいいけど。ところでさ、わざわざ家から護衛につく必要ってある?学校からじゃ駄目だったのか?」
「まあそれでも問題無い…と言いたいところなんですけど多分他の同級生とか諸先輩方には涼介さんが私の護衛についたことは知られてると思うので多分家から護衛してもらわないと生きて帰れない可能性が出てきますかね?」
「え?ちょい待ち」
「何かありました?」
「俺がついてるのもう知られてんの?」
「まあ、帝神学園生の情報網はかなり高レベルですから」
「うわぁ、それはめんどくさいな」
「そもそもこれをめんどくさいで済ませられる涼介さんはおかしいと思いますけどね?」
「え?そうかな?」
「普通のSPやSSはこの時点で怖じ気づく人が多めなんですけどね?」
「このぐらいでビビってたら要人警護は務まんないよ。まあ琴音さんの事はちゃんと守り切るから安心してくれていいよ」
「大丈夫です!私は涼介さんの事は信頼してますから」
「そう言ってもらえるとSS冥利に尽きるよ」
そう話しながら着いた学校の正門をくぐろうとしたタイミングだった。
「あら?浅井さん、まだこの学園にいたのですか?」
「」
「シカトとはいい度胸ですわね?私の番犬たちの強さを知った上での所業ですか?」
「お、おい琴音さん?返事しなくていいのか?」
「……え?ああ、いいんですよ、あんな羽虫共がいくら喚いたところで私や涼介さんのような人間とは格が違うので」
「なんか琴音さん、やっぱり皇大さんの子供なんだなって実感しちゃうよ」
「そうですかね?」
「その、自分と自分が信頼を置く人間以外を人としてすら見ない感じとかね?」
「無視するな!!!」
「羽虫が、囀るな」
「Oh」
「羽虫だと!?よくも第2学年首席の私、アイリス・エリアを羽虫呼ばわりしたわね!」
俺はその名を聞いて少し震えた。
「琴音さん?今喧嘩売ってるのって……」
「確かヨーロッパかどこかの王女とは聞いてますけど、家の大きさに物を言わせて威張ってるようなドクズですから私には興味ありませんね」
「皇大さん以上に辛辣だった!?」
俺と琴音さんが会話をしていると、しびれを切らしたのかアイリスが先ほど番犬と呼んでいた護衛達が俺達を囲んできた。
「さっきの言葉、撤回してもらおうか」
「いえ、私は撤回するつもりはありませんから」
「ならどうなるか、わかってるんだよなぁ?」
「ええ、でも今回痛い目を見るのはあなた方の方だと思いますけど」
琴音さんがそう言うと、護衛達は笑い始めた。
「ははっ。その貧弱そうなやつに何ができるっていうんだ?」
「そうだそうだ!そもそもこの人数相手に1人で戦ろうなんて頭のネジでも外れてんじゃねーか?」
そう言いながら拳銃を取り出してきたのを見て、さすがの琴音さんも少し怯んでいた。
「ここは日本だぞ?そんな物使っていいと思ってるのか?」
「はっ、何も知らないんだな!この学園内は治外法権。日本の法律の適用外なんだよ!」
「なるほどね……じゃあ俺も合法的に殺れるってことだな」
「……なめたこと言ってんじゃねーよ!」
ドッ という音ともに放たれた銃弾に琴音さんは驚き、アイリスは勝ち誇ったかのような表情を見せたけど、俺にとって銃弾はなんの脅しにもならない。
キーン ドサッ
何かに当たった音と共に倒れたのは、俺ではなくアイリスの護衛の方だった。
「なっ、何が起こって」
「これに関してはうちの琴音さんにも非はあるから急所は外してるけど、1つ忠告しておく」
「な、何よ!」
「あまり俺と琴音さんを怒らせるなよ?」
そう告げると、アイリス達は一目散に校舎の方へと走り去った。
「いやー、初手からヤバいですね!」
「……いや、ヤバいのは涼介さんの方だと思うのですけど」
「いやいや、俺なんて普通なんで。それより、あんまり他の人を怒らせちゃだめですよ?」
「わかった」
こうして、俺の初日は朝から濃すぎるスタートを切った。
帝神学園 学園長室
「ねえ、ジン」
「なんでしょうか、お嬢様」
「今の、見えた?」
「正門の話でしょうか」
「ええ、そう。CSSの娘が遂に護衛を連れてきたと思ったら、あそこはこんな化け物を隠し持っていたのね?」
「そんなにすごい事をしたのですか?」
「ええ、すごいなんてものじゃないけれどあの護衛、確か神藤涼介だったかしら?彼、相手の撃った銃弾を正確に跳ね返したわ」
「神藤……ああ、それならその程度の事はできるでしょう」
「そうなの?」
「ええ、まあ詳しい話はいつか直接見えた時に彼から聞くのが一番とは思いますが」
「それもそうね……」
学園長、皇杞枢 寧々と秘書兼護衛のコードネーム、ジンは正門での出来事を話しているのだった。