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琴音との出会い

 4月中旬の夜中、まだ肌寒い中だというのに俺は薄着でブランコに乗っている少女?を見つけた。それがすべての始まり……



 「なんで、なんで私が責められるの……」


 「……なあ、こんな中でそんな格好して寒くないのか?」


 「お兄さん……誰?」


 まあそうなるか…。急に知らない男に話しかけられたらそうなるよなと思いつつ、話しかけたからには放っておくわけにはいかないと自分の事を話すことにした。


 「急にごめんな。こんな寒いのに薄着でいた君が心配になってさ。俺はこの辺に住んでる神藤 涼介(しんどう りょうすけ)っていうんだ。別に怪しいやつじゃないよ。ちなみにだけどもし良かったら君の名前も聞いてもいいかな?」


 「え……私は浅井 琴音(あさい ことね)。それと別に私寒くないから、気にしないでください」


 「いやいや、明らかに震えてたろ?誰が見たっておかしいと思うぞ?」


 「そう……じゃあ私をお兄さんの家に連れてってください」


 「は?どゆこと?」


 「私の事心配してくれてるんですよね?だったら悩みとか聞いてほしいのでお兄さんの家に連れてってって言ってるんです」


 「別にそれは……いや良くないだろ」


 「なんでです?」


 「いやいや、普通に考えてみ?どこのどんな人かもわからない人を家にあげないしさ、君は君で僕になにかされるかもしれないんだよ?」


 「お兄さんは私になにかするつもりで声をかけたんですか?」


 「そうは言ってないしそんなつもりは微塵も無い」


 「ですよね?だから大丈夫ですよ!こんな私に声をかけてくれる人なんてお兄さんくらいしかいないですし」


 「でも親御さんとかが心配するんじゃないか?」


 そう問うと、少女は暗い顔をし始めたので踏んではいけない地雷を踏んでしまったのかと少し後悔しながら慌てて言葉を続けた。


 「あー、言いたくないんなら別にいいんだけどな」


「まあ、ここでは話せないですかね」


 「そうか……じゃあな」


 「え?声をかけておいて帰っちゃうんですか?」


 「……冗談だよ。ほら、行くぞ」


 「行くってどこにです?」


 「俺の家だよ俺の家」


 「え?でもさっきはだめだって」


 「まあ本来なら連れて行きたくはないんだけどな、まあ放っておけないしな」


 「ホントですか!ありがとう、お兄さん」


 俺はこうして素性の知れない少女、浅井琴音を連れて家に帰った。

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