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悪役令嬢の双子の兄に転生したので、妹を全力で守って恋を応援します!《旧版》  作者: 桃木壱子


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幕間・赤毛と委員会 おまけの小話

赤毛のウォルフガングの話です。

前回のおまけの話になります。

 委員会の仕事を終えて。さてケーキを切り分けようという段になって、ナイフがないことに気づいた。

 どうする、学食か寮から借りてくるかと話し合い、結局オレが予科練生として常に持ち歩いている短剣を使うことになった。いいのか食べ物をと思ったが、ヴィー自身が気にしないというのでその短剣を使ったのだが。

 ケーキごときに力は必要ないが、柄を握りしめた時にマメが潰れたようだ。僅かににじんだ血をハンカチで拭いていると、ヴィーがどうかした?とのぞきこんできた。


「あ、マメが潰れたんだ。ちょっと待って」

 ヴィーは立ち上がると自分のカバンからなにやら持ってきて卓上に置いた。ポーチだ。

「かわいい!」

 とディアナが声をあげると、ヴィーは嬉しそうにへへへと笑った。

「アンディにもらったんだ。かわいいでしょ?ミリアムと色違いなんだ」

 なるほど。それが誕生日プレゼントか。若草色の地に小花の刺繍が施してある。どう見ても女物だが、先程かわいもの好きを公言したヴィーは気に入っているようだ。

 その中から小さな容器を取り出すと、ヴィーは蓋を開けて、はいとオレに差し出した。

「軟膏だよ。塗っておくといいよ」

 普段はマメなんてほったらかしだが、有りがたく拝借して塗り込む。

「なんでこんなものを持ち歩いていいるんだ?」

 質問してから、自分の馬鹿さに呆れる。

「よくアンディもマメを潰すから」

 だよな。そうだと思った。学校にブルトン小隊長はいないぞと突っ込もうかと思ったが、アホらしいのでやめた。常にポーチを携帯しているのだろう。


「ずいぶんいっぱいだけど」とディアナ。「何が入っているの?」

「んー?」

 ヴィーは中をごそごそと漁った。

「ハンカチ」とハンカチが出てくる。「櫛」と櫛。「鏡。これはミリアムからもらったんだ」と小袋から細工の美しい鏡を取り出す。「クリーム」軟膏より大きめの容器。手や顔に塗るやつだ。「これだけだよ」とヴィー。

「私、ハンカチしか持ってないわ」

 とディアナが赤面する。


「じゃあディアナの誕生日にはポーチセットをプレゼントするよ。楽しみにしてて」

 ヴィーがにっこり笑うと。

「俺は10月だ」とバレン。

「何がですか?」とヴィー。

 仏頂面になるバレン。

「嘘うそ、冗談です」とヴィー。「殿下の誕生日もプレゼントを贈らせてもらいます」

 キースとティントレットが顔を見合わせる。

「もちろん、二人にも!」

 小さくガッツポーズをする二人。


 そうしてヴィーは出したものをポーチに戻すと、早くケーキを食べようよと楽しそうに言ったのだった。


読んで下さってありがとうございます。

ブックマークをして下さった方、

評価や感想を下さった方、

励みになっています。重ねてありがとうございます。


次回、本編に戻ります。

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