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魔法ができてしまったこの世界で  作者: 銀色の侍
二学期 クラス対抗戦編
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第七十二話 二学期の始まり

今回から二学期編始まりです。新キャラもそこそこ出てきます。

 学生達の長期休みが終わり、アタラシス学園は二学期へと突入した。学園登校初日の日、二学期の開始の合図である始業式も終わりその後、皆は教室へと移動して行った。

 朝は全校生徒は学園の講堂に集まり学院長を始め、教師からの挨拶や夏休み中の出来事、ルールの確認とお決まりの話が出て来た。正直眠たくなるような話であったが、学院長からの最後の話には強い興味が惹かれる内容であった。


 『そして一年生の皆さん、二学期では一年生の皆さんには〝クラス別魔法戦闘〟という行事があります』


 この一言に大部分の生徒は反応し、講堂内に小さなどよめきが生じる。アナハイムは皆をいったん落ち着かせ、話を続ける。


 『入学した一年生の皆さんの実力を計り、そして実際の戦闘を行う事、見る事で魔法使いとしての力を高め、認識をさせ、より有用な魔法使いとして精進してもらう意味も兼ねてこのイベントは毎年行われています』


 アナハイムの言葉に何人かの生徒は唾をのむ。

 そしてアナハイムは最後に生徒の皆へと告げる。


 『では皆さん、今学期も頑張っていきましょう。これで私の話は終わります』

 『学院長、どうもありがとうございました』


 進行役の教師がお礼を言い、そして始業式は閉会していった。






 教室ではクラスメイト達が久しぶりの再会で皆盛り上がり、教室内は騒がしくなっていた。タクミも久しぶりに再会した男子のクラスメイトと夏の思い出話に花を咲かせる。しばらくすると、担任のチユリがやって来て皆に席に着くよう声を掛ける。


 「はーい皆さん、席に着いてください」


 チユリの言葉に皆はそれぞれ会話を打ち切り自分の席に着いて行く。全員が着席したことを確認すると、チユリが皆に再開の言葉を送る。


 「皆さんお久しぶりです。夏休みは十分に満喫できましたか?長い休み明けで少しまだ夏休み気分が抜けてないかもしれませんが、今日からまたいつも通りの学校生活が始まりますのでシャキッとするように!!」


 チユリの言葉に皆が返事を返し、それに満足するチユリ。

 

 「では、早速授業を始めて行きます」


 こうして夏休み明け初めての授業は担任のチユリが行った。






 一時間目の授業が終わり、クラスメイト達は授業前に行っていた話の続きをそれぞれ再開する。タクミはいつも通りミサキとレンの二人と話をしていた。


 「いや~、夏休み明けに初めて再開した人も大勢いるけどみんな全然変わってないね」

 「まあ、一か月半程度で劇的に変わる奴の方が少ないだろ」

 「そうでもないよ、中学時代は私たちの学校でおとなしそうな眼鏡かけてた男の子が夏開けたらモヒカンになっていたし」

 「マジかよッ!?」


 レンの中学時代の経験に思わず大声で反応してしまうタクミ。いったいその男子は何を思ってそんな奇抜な変化をしたのだろう・・・・・・。


 「まあ事故で怪我した奴もいなくてよかったよな」 

 「え・・・・(タクミ君が言うの?)」


 大怪我を負って夏休み中二度も病院に行った彼氏の言葉に思わずそう思ってしまうミサキ。一緒に聞いていたレンも「アンタが言うなっ!」っとツッコミを入れている。

 なんにせよ、一年Aクラスの生徒はいつも通りであった。




 一年Bクラスでもクラスメイト達には特に変化がなく、カケルはシグレに学院長が言っていたイベントについての質問をしていた。


 「ん、ねえシグレ、学院長の言っていた〝クラス別魔法戦闘〟ってクラスの代表が五人は出るんだよね。どんな人が出ると思う?」

 「そうだな・・・・私が思うのはCクラスでは桜田ヒビキ――――」




 Cクラスではヒビキは相も変わらず自分の席で本を読んでいた。周りのクラスメイトとは話そうともしていない。だが、逆に話しかけて来る生徒はいた。


 「ねえねえヒビキ君。この夏で何か面白い事あった?」

 「お前はいい加減俺に構うのを止めろ」


 学期明けでもムラクモだけは相も変わらずヒビキに話しかけていた。いったい何故彼女はヒビキに拘るのだろうか?




 再び場面はBクラスへと戻る。


 「Dクラスでも一人気になる女がいる。多代センという女は個性使いらしいからな」

 

 シグレ自身、彼女のことを詳しく知っている訳ではないのだが、噂では彼女も個性の力に目覚めているとは聞いてはいるが、あくまでその程度の認識だ。


 「Eクラスにも何人か個性使いもいる・・・・誰が出て来るかはほとんど予測はつかん」

 「そ・・・・Aクラスは?」

 「まあ久藍タクミだろうな、お前はまだ転校してきていなかったから知らないだろうがあの男、二年の個性使いをほぼ一方的に圧倒していたからな」

 「そう・・・・でも今シグレが言った人以外に気になる人が一人いた」


 学園でカケルには複数気になる人物がいた。そして今シグレの言った人物以外にも一人いた。




 一年Dクラス――――


 Dクラスの教室では、机の上であやとりをしている一人の少女が居た。


 「・・・・・・・・」


 一年Dクラス所属、雲異ヒネ・・・・・・個性魔法使い。



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