88/200
幕間
赤咲レンの提案した思い出作りのキャンプ。
彼らは思い出の詰まった一ページを記した。だが、彼らは気付いていなかった。
自分たちを観察していた存在に・・・・・・。
全てが真っ白な空間、そこには入り口も出口も何もない。三百六十度見渡す限りの白い世界、そんな世界にただ一人、白い髪をしたおかっぱの髪型の少年が立っていた。
それは、キャンプ場でユウコが遭遇した少年。
「あれが・・・・久藍タクミ・・か」
銀色の髪に赤と青の瞳を持った少年。
少年は中でもこの少年のことを一番注意深く観察していた。
「あの人が・・・俺達と同じ世界の住人・・・・本来は〝こちら側〟で生きる存在」
少年はそう呟くと、その後徐々に体が消えていく。
「今は〝そちら側〟で楽しんでいればいい・・・・でも――――」
「いずれは〝こちら側〟に戻ってきてもらう」
その呟きと共に少年の姿は完全に消えた。
そしてその白き世界には誰もいなくなった・・・・・・・・。
初めての幕間になります。まだまだこの先も新キャラを続々出演させる予定です。