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魔法ができてしまったこの世界で  作者: 銀色の侍
二学期 クラス対抗戦編
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第八十四話 最初の脱落者たち

すいません!!今更ながらタイトル変更しました!ここまで続けておいてなんだかタイトルがしっくりこないと思いまして・・・・・・。内容自体には変化はありませんので・・・・・・。


 Aクラス生徒対Eクラス生徒の三対三の激闘が始まった。

 先制攻撃はAクラスが見事に決まった。マサトの拳がEクラス男子生徒の頬に綺麗に入ったのだ。マサトの凄まじい威力の拳に体ごと後ろへと飛ばされるEクラス生徒。


 「くぅ!!」

 「撃てぇッ!!」


 残り二人のEクラス生徒がマサト目掛け集中して魔力弾を連射する。

 迫り来る魔力弾、しかしマサトの前にメイが飛び出して来て両手を向かってくる魔力弾に向かってかざす。


 「やあああああっ!!」


 メイの叫び声とともにかざした手から彼女の個性、〝守りの力〟による魔法が発動する。白く光り輝く盾がメイのかざした手から現れ、魔力弾を全て弾いて行く。


 「こ、これは、個性使いよこの子!!」


 魔力弾を撃っている女子生徒がそう叫ぶ。

 いくら撃ち込んでも彼女の盾には傷一つ付く様子がないため、攻撃の手を止める二人。マサトに吹き飛ばされたEクラス生徒は立ち上がると距離を取るが・・・・・・。


 「≪インパクトハンマー≫!!!」

 ――ドゴォォォォォォォォォォンッ!!――

 「くぅ!」

 「きゃあ!?」

 「くそぉっ!」


 レンが≪換装≫によって取り出した専用の武器、〝インパクトハンマー〟を思いっきりEクラス生徒達の付近へと叩き付ける!

 ハンマー本体は当たりはしなかったが、レンのハンマーは魔力を込める事で衝撃を放つ特殊な武器だ。ハンマーから放たれた衝撃は地面を揺らし、Eクラス生徒達の動きを一瞬だが怯ませた。

 そして、その一瞬をマサトは見逃したりしなかった。


 「喰らえぇッ!!」


 マサトはメイの盾から飛び出し一番近くに居たEクラスの男子一人の腹部に拳を叩き込む。


 ――ズドォンッ!!――

 「うぶぅっ!!」


 マサトの拳がモロに入り、その生徒はその一撃に倒れた。


 「(あぁ?)」


 自分の拳で倒れた生徒にマサトはある疑問を浮かべたが、その事は一旦頭の片隅に置いて置きもう一人の先程殴り飛ばしたEクラス生徒に攻撃を仕掛ける。


 「はあぁぁぁぁッ!!」

 「ちぃッ、舐めるなぁ!!」


 二度もただで殴られてたまるものかとEクラスの生徒も拳を振るう。


 ――ボクゥゥッ――

 「ちっ・・・・」

 「ふぐ・・・・」


 両者の拳が顔面へと入った。だが、マサトには大したダメージは見られず、即座に二発目をお見舞いしてやる。


 ――ガキィィィンッ――

 「あ・・・・・・」


 マサトの強化された拳は綺麗に下顎に入り、その衝撃が彼の脳を激しく揺らし思考を飛ばす。そのまま二発目の拳を無防備な彼の下あごにアッパーカットの要領で決めた。そのまま彼の体は空中に浮き、肉体と同じく意識も飛んで行った。


 「くぅ、やばい!?」

 

 三対一となってしまった事で焦る女子生徒。ひとまずこの場から離れようとするが、マサトが足に魔力を込めて一瞬で接近した。


 「なっ、速い!」

 「悪いな」


 マサトは一言謝りながら少女の腹部に拳を入れる。

 その一撃に少女の意識は飛んで行った・・・・・・。




 「よし、片付いたな」


 辺りを見回しそう呟くマサト、その周りには気を失い倒れている三人のEクラス生徒。

 すると、地面に倒れている生徒達の姿が光と共に消えた。


 「戦闘不能で空間から引き戻される・・・・こーゆー事ね」


 レンが手に持っているハンマーを軽く回転させながら生徒達の消えた跡を眺めていた。そんな中、マサトは何か腑に落ちないような顔をしていた。


 「マサト君、どうしたの?」

 「ん、何々、マサト君なんか気になることあんの?」


 マサトの表情に疑問の声を掛ける二人。マサトは何でもないと返し、二人もそれ以上は何も追及しては来なかった。マサトが疑問を感じたのは最初に自分が倒したEクラスの男子生徒にあった。


 「(あいつ、中々ガタイは良かったがパンチ一発で伸びやがったけど・・・・いくら何でもおかしくないか?)」


 仮にも代表選手に選ばれた生徒の一人でありながらあの程度の攻撃一発で倒せるとはあの時はとても思わなかった。それに体格から察するにあの程度で伸びてしまうとも考えにくいのだが・・・・・・。


 「(気にしすぎか?)」


 その時、アナハイムからの途中経過が報告された。


 ――Eクラス生徒三名脱落しました、残り人数二十二名です――

 「あっ、人が減るたびに報告が入るみたいだね」


 レンがたった今自分たちが倒し、消えて行った生徒の脱落を告げられこの大会の新しいシステムを理解した。

 その報告を聞きマサトも気持ちを切り替える。


 「(まあいいや、今はこの戦いに集中しねえと)」

 「さて、じゃあとりあえずタクミ君の所まで移動する?」

 「そーだな、向こうは二人で倍の人数を相手しているだろうし・・・・・・」


 三人は別れたタクミとミサキに合流するべく、此処まで歩いて来た道を戻って行った。






 一方、Eクラスの残り二人の代表生徒、夏野ケシキともう一人の男子生徒が今のアナハイムからの報告に驚きを表す。


 「ちっ、別行動していた三人が脱落しやがった。あと残っているの俺たちだけだぞ」

 「ああ、そうだな・・・・・・」


 ケシキがそう言うともう一人の男子生徒も相槌を打つ。

 しかし、この時ケシキは気付いていなかった。


 Eクラスの代表五人のうち二人はこの大会での勝利などを求めてなどいないという事を・・・・・・。


 「・・・・・・・・」


 ケシキと共に居るEクラス男子はポケットの中に手を忍ばせ、その中に事前に入れておいた〝ある物〟に魔力を注ぎ始める。


 「(悪いなケシキ、どうせ俺たちのクラスは優勝は無理だ。だったら――――)」


 少年はケシキの後ろで薄い笑みを浮かべる。


 「(せいぜい俺は自分の利益を獲得する為に動かせてもらうぜ・・・・)」






 Dクラス生徒は未だその場から誰一人動いてはいなかった。


 「ヘタに動けば位置を悟られてこちらが不利になる可能性もあるわ、もう少し様子を見ながら各自魔力を集中させて」

  

 センの言葉に他の四人は頷き静かに魔力を高め、肉体を温めておく。

 周りの生徒の様子を見ながらセンはこの時、ある場所から魔力を受け取っていた。


 「(Eクラス生徒の二人の内一人から魔力の受け渡しがされなくなった、今の学院長の報告で言っていた三人の中に一人いたのね)」


 まさかこんな短時間で一人協力者が脱落するとは・・・・・・だが、もう一人からの補給は今でも続いている。彼らに渡しておいた魔道具は観戦している教師や生徒の皆にも気付かれない様ポケットにでも忍ばせておく様に言っておいたけど・・・・・・。

 そこまで考えたセンであったが、それ以上の思考は打ち切った。


 「(まあいいわ、あの魔道具が見つかったとしても受け渡し先が私だと分かるはずもないし、それにいざとなったら切り捨てればいい訳だし)」


 現在の自分の魔力はほとんど消費しておらず、しかも補給を受けている事から万全な状態といえるだろう。

 自分の持つ個性魔法の力をこれならば十分に発揮できる。


 「(ふふ、見ていなさい他クラスの生徒共。最後に笑うのはDクラス・・・・いや、私なのよ)」


 センは表情にこそは出さないが、内心では醜い笑顔を浮かべていたのだった・・・・・・。



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