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あっぷでーと。 ※短いです

短いです。 済みません(汗)

 夢から覚めて横を見る。 すやすやと眠る煌夜の姿。 

ここは、 幻の家のベットの中だ。 私が上半身を起こしたことで、 天井の星がシャランと揺れる。

星の明かりは寝る前に煌夜が消したので今この場所は薄暗い。

 眠る煌夜の顔を覗き込み、 そっと触れる。 

くすぐったそうに動いて、 むにゃむにゃと寝言を言う煌夜に少し癒される。

夢の中とは違う、 平和な光景だ。 


 「今のは」


 本当に夢…… ? それとも実際にあった事??  

まるで、 物語の中の主人公と一体化していたような感覚。 今ここにいる私が現実なのかと言う事でさえおぼつかなくて困惑する。 私が私でないような乖離かいり感。

 

 夢の最後に出てきた神様は確かに、 私をここに送った人だ。 


 ハイイロ―― あの子が最後に感じた灼熱の怒りの熾火おきびがグズグズと私の心を焦がす。

私の物ではないはずの焦燥感、 憎しみ、 そして家族を思う慟哭が心の中に居座って神様に対する不信を叫ぶ。


 あれは、 煌夜の過去だと思う? ―― 分からない。 


 自問自答してみたけれどもちろん答えが出るはずもない。 

けど、 実際に聞いて確認するのも躊躇われた。

 最後に残った妹と話す事も出来なくなったあの長い時間―― ハイイロの孤独を思って自然と涙が零れる。

 あんな胸の痛い思いが本当かどうかなんて、 煌夜に確認なんてできない。 

聞いてもしも、 本当の事だったら私は舌を噛んで死にたくなるだろう。 

 ただ、 今の煌夜の寝顔が安らかな事が唯一の救いだった。 

 

 「違うといいな」


 何処かで、 あの夢は煌夜の事だと確信めいた気持があるくせに、 きっと夢だと思いこみたい自分がいる。 物凄く心細くなって私は煌夜の傍に寝転がった。

 おずおずと煌夜に手を伸ばす。 完全に熟睡している煌夜は私が抱き締めても起きる事は無かった。

そのまま、 静かに泣き続けて私は眠りに落ちた――。



 『ふむ。 アップデートした時に繋がっちゃったかなぁ。 失敗失敗。 真白ちゃんにはもう一度忘れてもらおうか。 僕に敵意を持たれると、 連動してプロテクトが解けちゃうかもしれないし。 これから先を楽しませて貰うなら、 今壊れて貰っちゃ困るもんねぇ』


 パチン


 あの音が、 室内に響く。 けれど、 眠っていた私達についには聞こえる事はなかった。


アップデートは無事終了したものの……。 神様がまた記憶を消してゆきました。 

前話が煌夜sideで無かったのは、 ましろが見た夢のようなものであったからです。


次回からは、 レベル上げを再開できたらと思います。

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