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イーロウさんの異世界講義2

早く冒険者にさせたい今日この頃です。

 

 「大体どんな奴らがこの世界に居るのかは分かった。 見た目はどうなんだ? 」


確かにさっきの情報だけじゃ判別出来ないもんね。  


 『ふむ。 大地の民は小麦色の肌に緑の髪が特徴的だな。 火の民は赤銅色の肌に赤い髪。 水の民は石膏石アラバスターの肌に水色の髪 風の民は乳白色の肌に青い髪。 光の民は白皙の肌に金の髪。 闇の民は浅黒い肌に銀の髪が特徴だね。 目の色は人それぞれだから分かりやすいのはこれかな』


 「大地が緑、 火が赤、 水が水色、 風が青、 光が金で、 闇が銀ね。 これは覚えやすいかも」


 『そう言われると確かに、 髪の色が一番分かりやすいかもね』


 私が考え込むようにして言うと、 イーロウさんが納得したように頷いた。


 『あぁ、 そうだ。 細かい説明はしないでおくけどヒト以外では精霊と竜がいるよ。 それから、 動物が魔素の影響を受けて変化した魔物とか』


 「魔物って元は動物だったんですか? 」


 『正確には動物だったものが多いって言うべきかな。 魔素って言うのはいつからか何処の大陸にも現れるようになった黒い霧のようなものでね。 数日で消える事もあれば、 一年近く消えない事もある。 濃さも様々でね、 口さが無いヒトには闇の民の呪いじゃないかとも言われている。 実際は違うと僕は思う。 ヒトにも影響が出るけど、 ナギは神様が加護をあっぷでーとしてくれれば大丈夫になるよ』

 

 イーロウさんのその言葉に煌夜も私も安心した。 それにしても魔素、 怖すぎる。 普通の動物を魔物に変えちゃうなんて。 人も影響を受けたら魔物になるのかな。


 「さて、 まし……… ナギのあっぷでーとが終わるまで問題なのは、 食料だな。 マナの実だけじゃマズイだろ? 」


ましろって言いかけて動揺する煌夜が可愛い。 


 『まぁねぇ。 果物だけじゃ飽きるし、 コレが万能食なら良かったんだけど。 コレは普通・・のマナの実だから』


 「普通? 普通じゃない実もあるんですか? 」 


 『あるよ。 長く生きたマナの樹の中にはその実一つで体力や魔力が全回復するって言う凄い効果を持つ実をならせる樹があるんだ。 その実の色は黄金。 味ももっと濃厚だよ』


 味を思い浮かべたのか、 うっとりとするイーロウさんに思わず私のレアなマナの実に対する期待が膨らむ。 コレより美味しいのかぁ。 ぜひ食べたいなぁ。


 『冒険者になってレベルが上がったら探してみるといい。 とは言ってもそういうマナの樹がある所の魔物は強いから。 本当に高レベルじゃないとキツイけど。 枝分けを許されれば、 樹を育てる事もできるよ』


 「枝分けってなんです? 」


 疑問に思ったので聞いてみた。


 『古い樹にはトレントって言う精霊が宿ってるんだ。 意識があるからね。 実も貰う時にはお伺いを立てなきゃだめだよ。 そんな樹から枝分けして貰えると、 稀にトレントの精霊が産まれる事がある。 分体って言ってね、 親の樹と同期しているから育ちが早かったり若木でも回復力の高い実を付けるようになるよ』


 「レアな樹になるのかぁ……… いいなぁ」


 なんて素晴らしいシステム。 是非、 枝分けされたい所だけど強い魔物か………。 レベルが上がって行けるようになるのはいつでしょうねー。 でも、 いつか手に入れられると信じたい。 


 『まぁ、 今枝分けされた所で、 幻の家で育てられないしね』


 「え? 駄目なんですか」


 なにゆえに。 と聞けば、 煌夜が答えを教えてくれた。


 「トレントも意識があるからヒトと同じ扱いになる」


 「あぁ、 パートナーの制約に引っかかるのか」


 残念。 精霊にも有効なのかその制約。


 「まぁ、 無い物をねだってもしょうがない。 他の栄養源をどうするか」


 『近日中にあっぷでーとじゃないの? 』


 「それを信用するほどアイツを信用してない」


 煌夜さん一刀両断。 本当神様への信頼度低いっていうかマイナスなんじゃなかろうか。


 『成る程ね。 一応小さい魚ならこの池にいるよ。 後は、 最悪、 僕の子供達を呼んで何か取って来させるけど』


 イーロウさんの子供さんかぁ。 ちょっと会ってみたいな。 どんなひとなんだろう。


 「近くにいるのか? 」


 『近くではないかな』


 「じゃあいい。 そんな面倒かける気はないからな」


 確かに遠くからわざわざ来て貰うんじゃ申し訳ない。 どうしようもなくなったらの最終手段で頼むって煌夜がイーロウさんに言っている。 


 『僕は暫くココを動く気ないから……… 申し訳ないけどご飯の協力はできないかも』


 「気にするな。 色々教えて貰えただけで感謝している」


「とにかく二、 三日様子をみようよ。 私はマナの実でも平気だよ? あっコーヤは肉じゃないと駄目? 」


 「大丈夫だ。 その間にヤツが、 まし……… ナギのあっぷでーとを終わらせてくれる事を祈ろう」


 まだまだ、 ナギって呼ぶのは慣れないみたいだね。 舌を噛みそうな顔の煌夜が首の後ろを掻いてる。


「そうだねぇ。 コーヤ、 問題と言えば幻の家ってお風呂とトイレは何処にあるの? 」


 はたと、 肝心な事を確認し忘れてた事に気付いて聞いてみた。

この二つは確実に重要案件のはずだと思う。


 「風呂? そんなのクリーンのスキルで……… あぁ、 ナギはまだ覚えてないしな。 俺が使えるから問題ない。 トイレは家に戻ったら作ろう」


 「作るの? てかクリーンて何? 」


 『クリーンは生活魔法みたいなものだよ。 身体とか家とかを綺麗にしてくれる』


 こっちって本当に便利だなぁ。 掃除いらずってなにそれヤバイ。 素敵過ぎる。 

けど、 出来ればお風呂は入りたいんだけど。 


 「家に戻れば、 カタログで出せる。 モンスターを倒したりするとポイントが入るんだ。 少しは溜まってるはずだからトイレ位は出せるだろ」


 何その仕様。 便利すぎて怖いんだけど。 後から莫大なお金とか請求されない? 大丈夫?

あぁ、 でもポイント交換って言ってたから、 モンスターを倒さない限りは使えないのか。

 お風呂、 お風呂は交換できますか?


 「そんな便利品が。 ついでにご飯とか出せればいいのにね。 所でお風呂って出せないの? 」


 「残念ながら食べ物を出せるカタログは無いな。 風呂は出せるけど必要か? 」


 「必要だよ。 絶対。 ポイント溜まったら作ってもいい? 」


 鼻息荒くそう言えば、 煌夜から引き気味に了解してもらいました。


 「まぁ、 構わないが」


 「じゃあ、 お風呂作ったら一緒に入ろうね」


 煌夜が真っ赤になって固まった。 笑いを噛み殺したイーロウさんがプルプルしてる。 あれ? そんな変な事言ったかな。


 『ブッフォっ、 ポイントが溜まったら服も 出した方が良いよ。 ナギの服は 独特だから、 目立つし。 後は髪色を変えれる 変化の首飾り とか出した方が良い。 こっちの世界のヒトで黒髪は居ないからね』

 

 笑いをこらえながら言っているから、 イーロウさんの口調が微妙な事に。


 「あ、 服か。 洗濯できるものも欲しいかな」


 服の指摘を受けて、 制服しか着る物が無かった事を思い出す。 確かにそれは由々しき問題だ。

花の乙女から異臭がする事態は断固として回避したい。


 『それもクリーンの魔法で綺麗になるよ』


 「そうなんですか。 本当便利ですね。 スキルって」


 最大の危機が回避されたようなので、 スキル凄いねコーヤって言ったらギギギと音がしそうな感じで

煌夜が私を見上げた。


 「”#%$&(%’&&%」


 ぼそぼそと何を言っているのかまったく分からない。 聞こえなかったので煌夜の傍にしゃがんで耳を近づけてみた。


 「まえは……… ましろ……… お前は もう少し 自重しろぉーーーーーーーーっ!」


 キッンと鼓膜が震える。 大音量の怒声に私の頭がクラクラした。


 「コーヤ、 酷い」


 「酷いのはお前だっ」


 涙目になった私は煌夜に延々とお説教をされました。


何とか今日中に更新出来て良かったです。

次の話しは、 煌夜の神様嫌いの理由が分かるかも。

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