人と精霊の光景4
「………。」
「ふぅぅぅぅぅんっっっ!!!」
「はぁぁぁぁぁぁっっっ!!!」
「……………。」
「うりゃあああああっっ!!!」
「すぉりゃああああっっ!!!」
「………もし。」
「せぁりゃあああ、………ん!?」
「あの、目覚まし時計の精霊さん?」
「おぉっ!!箸の精霊!!久しぶりだな!!」
「はい。お久しぶりです。………あの、」
「ん!?」
「これは、一体?」
「何がだね!?」
「いえ、その………。確か、あなたにご依頼をしましたよね?彼の醜悪な肉体を改造してくれ、と。」
「うむっ!確かにそのように承っていたぞ!」
「…確かに、あの時のような、身長と体重が同じ数値を記録しているような、おぞましい状態は改善されている様子、ですが…」
「うむっ!そちらの希望通りに仕上げたつもりだが!?」
「……………。」
「ふんっ!!ふんっ!!ふんっ!!ふんっ!!!!」
「誰が筋肉だるまにしてくれとお願いしましたか!?」
「むっ!?何か不満かっ!?」
「不満ですっ!!」
「何がだっ!?」
「出番がなくなったんですよ!!私のっ!!」
「どういう意味だっ!?」
「………いいですか?私は、箸の精霊です。」
「うむっ!」
「箸の精霊である以上、箸を使ってもらうことで、初めてそこに存在価値が生まれます。」
「うむっ!」
「最近の彼の主食はなんですか?」
「鶏のささみだっ!」
「どうやって食べてますか?」
「手掴みだっ!」
「他には?」
「プロテインだっ!」
「それ以外には?」
「無いっ!!!」
「それが不満なんですっ!!」
「何故だっ!?」
「わからないんですか!?あなた脳味噌まで筋肉ですか!?」
「はっはっはぁっ!!そんなに褒めるなっ!」
「褒めてませんっ!」
「んっ!?」
「………ですからね?最近の彼は、鶏のささみと、プロテインを、接種する生活を、ずっと続けていたのですよね?しかも、鶏のささみは手掴みで。」
「うむっ!」
「箸使ってないじゃないですかっ!!!」
「そうだがっ!?」
「そうだがっ!?、じゃないですっ!!箸を使ってもらえなければ、私の存在意義がないじゃないですか!!!なんのために依頼をしたと思ってるんですか!!!!自分の存在価値を無くすために依頼をしたのではありませんっっっ!!!!!」
「嫌だったのだろう?」
「…え?」
「この男に使われるのが、嫌で嫌で仕方なかったのだろう?」
「それは…、そうですが。」
「ならば本望ではないか。」
「それは!………あの時の状態の彼に使われるのが嫌だったわけで、正常な人間になってくれれば、別に………。そのために、あなたに依頼をしたんですから!」
「都合の良い願望だな。」
「っ!………、」
「………。」
「…それくらい………、いいじゃないですか。」
「………ま、精霊により、価値観は様々だからな。お前の言いたいこともわからんではない。だが、お前の丁寧ながらも鋭く深すぎる言葉は、少々悪意の毒が強すぎる。以後気をつけねば、精霊関係をさらにこじらせることにもなりかねん。気をつけろよ。」
「……………。」
「………サラダくらいは食べるように指導しておくとしよう。」
「………すいません。」
つづく
注:この作品はフィクションです。
これって、我が儘?




