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しるし2(詩集)

ピアノ

作者: さゆみ

ぼくの中に忘れてきたピアノが惹かれてゆく

こそばゆい旋律と香ばしい戦慄が近づく

ト音記号の毛並み

休符の耳

ぼくを噛んだサミー

あたためる音源


ぼくを削ってくれる

彫刻刀で艶やかに

そう滑らかに抉る

ザラザラした舌で

キーを縛り

尾を突き刺し

月を射抜く


優しいルードヴィヒ

教えて?


ぼくが呑み込んだピアノが轢かれてゆく

額を潰し瞳を掬って

シャープに切り込み

蜜を舐め取る

スープが沸騰したら

息を綺麗に終う


ぼくが葬り去ったピアノが弾かれてゆく

洞窟の音が滴るタイヤ

黒揚羽のストローで吸う

ヘ音記号の目覚めについて

蝙蝠にクエスト

ペダルを漕いで欠伸する

農道の昼下がり




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