いきなり二百枚以上の写真から選べと言われても!
注意。あらすじ通り、下着姿の従者を選ぶ内容になっています。
あなたは明るい空間の中にいた。
美少女にしか見えない女神もいた。
あなたの近くには木製テーブルがあり、上には大量の写真が無造作に置かれている。テーブルしかないこの空間は、異質な印象しかなかった。
美しき女神に、あなたは言われた。異世界へと転移した際の従者を、この二百枚以上ある写真の中から選んでほしい、と。
被写体は全部、女性だった。単なる美少女だけでなく、耳の尖ったエルフのような人間とは別の種族もいる。
あなたが写真を眺めていたら、急に写真が一枚、消えていった。
女神の説明によると、どうも今回の転移者はあなたを含めて十二人いるそうで、従者の選択は早い者勝ちになっているらしい。写真が消えたのは、それを誰かが選んだためだった。
説明を聞いて焦りを感じつつも、あなたは写真をじっくりと見比べる。あなたとしては、やはり、一番良いと思える従者を選びたい……。
非常に気になる写真を、あなたは発見した。
下着姿の子がいる。
彼女は上下揃いの、かわいらしい印象の下着しか、身に着けていない。
見た目は異種族ではなく、一般的な女子のように思える。
なんで下着姿の子の写真が混じっているのかは不明だけれども、とにかく彼女に惹かれた。
小さな白いリボンつきの下着を両手で隠すわけでもなく、ただ直立している。顔は恥ずかしそうに見えた。その点も良い。
他の誰にもこの子を渡したくない。そう直感した。
だからあなたは、彼女を選ぶ。
女神に写真を渡すと、従者契約は完了したと告げられ、あなたは瞬時に異世界へと飛ばされた。
到着先は、城内らしき大広間だった。あなたはここで、他の転移者達と顔合わせをする。従者は同数の十二人いたけれど、下着姿の従者は一人しかいなかった。
その下着姿の従者は、あなたの後ろで皆から隠れるようにしていた。
彼女の主たるあなたは、一部の転移者や従者に否定的な視線を向けられている。少なくとも、職業コスプレのような従者を選んだ転移者には、そんな目を向けてもらいたくない。
あなたは皆に、彼女が身に着けているのは下着ではなく、水着だと思っていたと、嘘をついた。
「水着ではなくて、すみませんでした、ご主人様……」
彼女に謝らせてしまい、あなたの良心が痛んだ。
後で二人っきりになったら、嘘をついたことを土下座で謝罪するとともに、そのまま足で優しく踏んでもらおうと思った。
(終わり)
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