白の世界 4
迫りくる明日奈の危機
これ以上自分の罪を犯せないクエリオ
はたして結果は・・・
完結です
クエリオ「本当にこれを着るのか!?」
目の前にはシンプルなタキシード
そうここは結婚式
あれから明日奈は本当に奇跡的な回復を遂げる
明日奈の心から生きたいという気持ちが
病気に勝ったのだ
それまで寝たきりの明日奈はもぉいない
今では自由にどこでも行ける
まだ病院に行き来はするものの普通の人と変わらないまでになった
退院してから5年 明日奈は23歳
死期の期間からちょうど10年は過ぎている
もう訪れやしないんじゃないかと思うくらいに
約束通り私は結婚をする事になったのだが
どうにも落ち着かない
本当に良いのかと相も変わらず自問自答してしまう始末
約束したのは自分なので断るにはいかず
しぶしぶタキシードを着飾る
明日奈「クエリオさん・・・仕度出来ましたか?」
ガチャリと扉を開けた目の前には
クエリオ「おおぉ・・・う・・・美しい」
純白無垢の明日奈がいた
クエリオ「しかし今日の体調はいいのか?」
明日奈「はい・・・」
緊張するようににっこりと笑う姿は昔と変わらず生き生きとしている
クエリオ「では行くか・・・」
互いの手を取り赤い絨毯を歩いた
* * *
式はおおむね順調だった
周りはみな明日奈の関係ばかり
私はすごくいたたまれない気持ちで消えそうになる
そして終盤へと進む
神父「汝健やかなる時も病める時も明日奈を妻として永遠に愛する事を誓いますか?」
クエリオ「はい!」
神父「では誓いのキスを」
明日奈「クエリオさん・・・私今すごく幸せです
あの時・・・私が自分の死を覚悟し生きる希望を失ってたあの私を
助けてくれた事 それが無ければ私はここにいません
あなたのおかげです 本当にありがとうございます」
クエリオ「ああ・・・ 私も明日奈の生命力の強さに
驚いた いつまでもそれを忘れなければ本当に病気など
消えるかもしれぬ」
そう明日奈に伝え明日奈のベールをめくる
目をつむる明日奈
そのまま・・・
起きる事は無く
倒れた
「明日奈ーーーっ!」
誰ともわからぬ声で騒然とした
明日奈 23歳 結婚式中に死亡
きっと本当は苦しかったのだろう
式の最中から明日奈の様子はちょっと変だった
だけどクエリオが気持ちに負けてはいけないという言葉で
無理に強がっていたのだと後から知った
私は何も無いものを必死に掴むようにこぶしを握る
クエリオ「明日奈・・・」
そこにはいつものように動いて笑ってくれるそんな顔だった
* * *
グラシオム「クエリオ!」
クエリオ「!!我が主」
グラシオム「そちは過去を引きずる癖が強すぎる
またあの頃に戻っておったのか?」
クエリオ「すみません」
グラシオム「あれから何年前になるかの・・・?」
クエリオ「おそらく5843年くらいでしょう」
グラシオム「そんな前の事を昨日のようにぶり返すで無い
常に世界は回っておるのじゃ もっと周りを見にゃ」
ラファエル「大変だ!クエリオ すぐに来い!」
グラシオム「何事じゃ ラハエル」
ラファエル「次期死神候補に反乱が起こったんだ
次期死神になる奴が死んで大騒動なんだよ!」
グラシオム「むぅ・・・どうやらもう私はゆっくり出来ぬようじゃの」
クエリオ「では・・・我が主 私は私のやるべき事を
我が主の名に恥じぬよう努めていきます」
ミカエル「早く!早く来て!死人がどんどん増えてしまう!」
グラシオム「気をつけるのじゃよ クエリオ」
クエリオ「はい・・・」
* * *
そして現在に至る
クエリオ「待て!待ってくれぬか!」
マリア「しつこいわね・・・・諦めの悪い男は嫌いよ」
クエリオ「茶菓子が余って仕方がないのだ すまぬが処理してくれ」
マリア「い・や・よ!」
クエリオ「頼むぅ・・・マリアぁ・・・」
ミカエル「彼は本当に問題児ね」
ガブリエル「まったくだ 昔人間に恋をしたかと思えば今度は
悪魔の女の尻を追いかけているのか」
ラファエル「ああいう所は先代に似無くていいものを・・・」
ふぅっと三人して頭を抱える
マリアとの出来事はまた別のお話
病名とか本当はつけたかったけれど
どれに該当するのかわからなく結局無名のまま終わってしまいました
内容はもともと出来上がっていたので納得のいく終わり方になって
良かったです