白の世界 1
番外編クエリオの話
中編です
私はクエリオ
若い頃から自分に無茶をさせて死神の力を手に入れ
禁忌という術を自ら編み出した最年少の天才児と言われた
私はそれを過信はしない
私が努力を経て手にした だから私より上はいくらでもいる
自分は決して最強では無い だが自分は決して弱くは無い
悪は悪として処理をし 善は善へと処理する
それが死神の仕事
悪は善にならない だが善は悪になる
嫌というくらいそれを見てきた
だが私は知らなかった あの時までは
そうそれは 死神を初めてまだ知名度の低い幼少時代・・・
* * *
?「よいかクエリオ それだけの知能を得てまだ一人前と言うには
まだまだじゃ それをおもしろいと思う奴は多くない むしろ
蔑まれていると思う者の方が多いと言えよう」
この人はグラシオム 長命にして最初の死神だ
最高の信頼を得ていたが先日 ついに自分の命が尽きた
クエリオ「・・・」
グラシオム「じゃが実力をつければそれも直ぐに収まる よいかクエリオ
奴等から早く信頼をつけるのじゃ」
クエリオ「仰せのままに 我が主」
グラシオム「・・・とは言うもののもう少しゆっくり身につけてよいのじゃぞ?
焦りは身を滅ぼすだけじゃ」
クエリオ「いえ 背に腹はかえられない いつ何があるともわからない
そういつも口癖のように仰っていた我が主の誇りにかけて
私は己の限界を常に超えるだけです」
と言うといつものように仕事に出かけるクエリオ
?「どうだ先代 お前の生まれ変わりの様子は」
グラシオム「む・・・ おぉ・・・久しいのぉミカエル
いや何・・・誰に似たのか知らぬがあのように頭が固くてはな・・・」
ミカエル「グラシオム・・・私は心配なのだ あのような若輩者が
自分の知恵と力に自惚れ謳ってやしないかと」
グラシオム「相も変わらず ミカエルは気にしすぎなのじゃよ」
ミカエル「平和ボケした爺よりはましだ」
* * *
クエリオ「今日の仕事は・・・ふむ・・・13歳の少女
私とあまり変わらん年齢が何故・・・」
死神リストとして死ぬ事となる人をチェックし
いつものように裁く ただそれだけだ
だから死ぬ意味など知る必要も無い
でも今回は違った
自分とあまり変わらない年齢などあまり例が無いから
いつもはもっと年齢層の高い人の裁きや不幸な事故 被害者・・・・
クエリオ「ぐ・・・こんな事で心を揺らしてはならぬ
死神とは常に平等に人を裁く 心を揺らせばたちまち飲まれる」
自分に自制を聞かせ気持ちをやり過ごす
クエリオ「・・・とにかく見届けるとしよう 場所はこの近くのようだしな」
赴くままに某病院へと足を向けた