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5.5話 歪な関係

「たっ、ただいま」

 私、桜葉瑞希は、とても気まずい中で私は家に帰った。

 安佐川君や唐沢さんが私を助けてくれた。

 でもそれは私の力ではないわけで。

 お母さんにも色々事情があって。


 私は本当に正しいのだろうか? と思ってしまう。



「あら早かったのね。もう少し遅いものだと思ってたわ」

 そういって、夕食の準備をするお母さん。

 安佐川君がどんどん変わる私についていけないって言ってたのがよくわかる。

 確かに違和感が凄いね……




 夕食を食べる時もいつも無言だった。けど、


「それで今日、私に噛みついてきた子は彼氏なの?」

 と初めて話しかけてきた。


「えっ!?」


「それとももう一人近くにいた子の彼氏かしら」

 そういって普通に日常会話をするお母さん。

 まるで今までのことはなかったかのように。



「お母さんは怒ってないの?」

 私は恐る恐るお母さんに問いかける。


「怒るわけないじゃない。今までごめんね、瑞希」


 お母さんの久しぶりに見る優しい顔に釣られて、私は泣いてしまった。


「何で瑞希が泣くの。もっと明るい話をしましょ」


「明るい話?」


「それであの子は彼氏?」


「だからそれしか興味ないの? 違うから!」

 そんなに娘の色恋沙汰が気になるのだろうか。


「まぁ、あの子はもう一人の女の子と付き合ってそうだったわよね」

 

 確かに唐沢さんとは、まるで付き合ってるみたいだった。

 というより親子のような感じ? かも

 面倒見のいい安佐川君と、甘えて絡み続ける唐沢さん。

 正直羨ましい。


「だからその子も違うって。まぁ、仲は良さそうだけど」


「瑞希は別に恋愛感情とか持ってないのね」


「それは、うん。ただの友達」

 たぶん、友達、だよね。


「けどあの子は危険な匂いがするから気をつけなさいね」

 と、お母さんが一言付け足す。


「それってどういうこと?」


「あの子は私と違って、私と似ている気がするわ。瑞希もサポートしてあげた方が良いと思うわ」


「わかった」

 完璧には分からなかったけど、これで安佐川君に借りができた。

 それはいつか、しっかり返そう。


 それからも色々話した。

 お母さんの昔のこと、私のこと、これからのこと……

 本当に、明日からの学校が楽しみでしょうがない。こんな気持ちは初めて。


 ねぇ、安佐川君は今楽しい?

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