みーつけ た 。
かーくれんぼすーるもーの、よっといで♪
私、かくれんぼの名人なんだ!
どこに隠れていても、見つけることができるの!
かーくれんぼすーるもーの、よっといで♪
私、かくれんぼの名人になれたんだ!
どこに隠れていたとしても、見つけ出すことができるようになったの!
かーくれんぼすーるもーの、よっといで♪
私、かくれんぼの名人になるって決めたのよ?
どれだけ遠くに隠れていても、絶対に見つけ出してやると決めたのよ?
かーくれんぼすーるもーの、よっといで♪
かーくれんぼすーるもーの、よっといで♪
誰も寄ってこないから、私、自分から寄っていくことにしたんだ。
かーくれんぼすーるもーの、よっといで♪
かーくれんぼすーるもーの、よっといで♪
私、ずっと、待ってたんだよ?
かーくれんぼすーるもーの、よっといで♪
かーくれんぼすーるもーの、よっといで♪
私の事、いつか誰かが見つけてくれるって、信じていたんだよ?
かーくれんぼすーるもーの、よっといで♪
かーくれんぼすーるもーの、よっといで♪
私の事忘れて、みんな、幸せに暮らしているんだもん。
ゆ る せ な い な あ ・ ・ ・
かーくれんぼすーるもーの、よっといで♪
かーくれんぼすーるもーの、よっといで♪
かーくれんぼすーるもーの、よっといで♪
「みーつけた!」
絶対見つからない場所を考えてくれた、健二君。
かーくれんぼすーるもーの、よっといで♪
かーくれんぼすーるもーの、よっといで♪
かーくれんぼすーるもーの、よっといで♪
「みーつけた!」
絶対見つけられない隠し方を考えてくれた、洋君。
かーくれんぼすーるもーの、よっといで♪
かーくれんぼすーるもーの、よっといで♪
かーくれんぼすーるもーの、よっといで♪
「みーつけた!」
絶対見つかるはずのないトリックを考えてくれた、秀夫君。
かーくれんぼすーるもーの、よっといで♪
かーくれんぼすーるもーの、よっといで♪
かーくれんぼすーるもーの、よっといで♪
かーくれんぼすーるもーの、よっといで♪
みんなで遊んだ空き地、懐かしいでしょう?
かーくれんぼすーるもーの、よっといで♪
かーくれんぼすーるもーの、よっといで♪
かーくれんぼすーるもーの、よっといで♪
かーくれんぼすーるもーの、よっといで♪
私、一人ぼっちで、ずっと隠れていたんだよ?
かーくれんぼすーるもーの、よっといで♪
かーくれんぼすーるもーの、よっといで♪
かーくれんぼすーるもーの、よっといで♪
かーくれんぼすーるもーの、よっといで♪
みんなで私の事、隠してくれたんだもんね?
かーくれんぼすーるもーの、よっといで♪
かーくれんぼすーるもーの、よっといで♪
かーくれんぼすーるもーの、よっといで♪
かーくれんぼすーるもーの、よっといで♪
私、久しぶりにみんなに会えて、うれしいよ……?
すごく、寂しかったんだ、私。
一人で、ずっと見つけてもらうのを、待っていたんだよ?
一人で、ずっと見つけてもらえない事を、悲しんでいたんだよ?
一人で、ずっと見つけてもらえないままなのを、恨んでいたんだよ?
私、かくれんぼなんてしたくなかったのよ?
でも。
みんなが、私を、隠すから。
みんなが、私を、隠したから。
みんなが、私を、隠して逃げ出したから。
私、かくれんぼを、せざるを得なかった。
誰も、私を、探そうとしなかったから。
誰も、私を、探しに来てくれなかったから。
誰も、私を、探すつもりがないってわかったから。
みんなが、私を、忘れていたから。
みんなが、私を、忘れたふりをしていたから。
みんなが、私を、忘れようとして笑っていたから。
私、みんなを探しに行こうって、決めたんだ。
見つけてくれなかったから、怒りたくなったんだ。
見つけてくれなかったから、お仕置きしたくなったんだ。
見つけてくれなかったから、同じ目にあわせてやるって決めたんだ。
さあ、みんなで一緒に、かくれんぼの続きをしましょう?
ずっと、ずっと、ここに隠れよう?
ずっと、ずっと、ここで隠れていよう?
ずっと、ずっと、ここに隠れたままでいよう?
なあに?
見つかるのが、怖いの?
見つかってしまうのが、怖いの?
見つかってしまってすべてが明らかになるのが怖いの?
大丈夫よ、鬼は、ここにいないもの。
永遠に、隠れ続けることができるわ?
みんなを見つけようとする鬼は、どこにもいないわ?
このかくれんぼに、みんなを見つけ出そうとする鬼は必要ないもの。
なあに?
見つけて欲しいの?
見つけてもらいたいと願うの?
見つけてもらって助けて欲しいと手をのばすの?
大丈夫よ、鬼は、ここにいるから、必要ないもの。
私から生きる力を毟り取った、人の皮をかぶった鬼が三人。
私から大切なものを奪って逃げた、人の皮をかぶった鬼が三人。
私からすべてを奪って、自分は何一つ失わずにのうのうと暮らしていた、人の皮をかぶった鬼が三人。
みんなで、お互いを見つけ合って、永遠にこの場所で遊びつづけましょう?
「みーつけた!」
私を突き飛ばした鬼さんこちら。
「みーつけた!」
私を踏みにじった鬼さんこちら。
「みーつけた!」
私を埋めた鬼さんこちら。
「みーつけた!」
私に見つかった鬼さんこちら。
「みーつけた!」
私に許してもらえない鬼さんこちら。
「みーつけた!」
私が許さない鬼さんこちら。
───助けてくれ!
ダメ、かくれんぼしてるのに、外にでてきたら。
───助けて!
ダメねぇ、かくれんぼしてるんだから、ちゃんと隠れていないと。
───た、す…け……
ダメじゃないの、かくれんぼしようって言い出したのは、みんななんだよ?
息を詰まらせて、土に混じらないとダメじゃない。
命を手放して、砂に混じらないとダメじゃない。
体を腐らせて、星に戻らないとダメじゃない。
……そっか、みんな、まだ、かくれんぼの、初心者だったっけ。
隠れるの、下手なわけだよね。
隠れるの、手伝ってあげるね。
隠れるの、ずっと見守っていてあげるからね?
安心して、苦しんでね?
安心して、罪の重さに潰されてね?
安心して、自分自身を悔やみ続けてね?
命をなぶるの、大好きだったよね。
安心して?
みんながニコニコしながら暴虐の限りを尽くしてくれたのと同じように、私も、出来る限りみんなを喜ばせてあげるからね?
か く ご し や が れ 。
さあ、みんなで、一緒に………。
た の し み ま し ょ う ?




