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夢は偽、現は贋。(さみしさの詩)
手に入れ、そして失う。世界の風景は、夢のよう。
世界は、常に幻影で。
手に入れたものから、消えていく。
失うことが怖くて。
それでも、やっぱり、手に入れる。
霞のように消えていく希望。
夢現な現実。
八重の桜、舞い散る下に、
街頭に照らされる佇む影と、
待ち合わせ。
短い永遠は、樹の下で、
ふたりは、きっと、夢の中。
手に入れ、失い、
見つけ、失くし、
成功し、失敗し、現実は夢現。
人の未来と過去を覗き見る。
もし、昨日が取り戻せるならば、
失われた過去は、金色に輝くだろうか?
闇の中に消えていく。
月光のように、虹のように、意識はとける。
糸をつむいで道を作る。
それが、唯一の生きる道。
人ごみを縫って、その先に。
ボクたちの見知らぬ土地。
でも知っている場所。
青い海と空、白い雲と波……
それは、海を見たものが思う方程式。
あの空を越えなくてはならない。
届きそうで、届かぬあの瞳。
意識の片隅にいるものは、微笑む。
糸をつむげず、歌えない人魚はビンの中。