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なろうラジオ大賞2

伝説のサラリーマン聖女の暇つぶし~オネェ農民の必殺技が森のボロアパートで轟く~

作者: 高山小石

「ちょ、センパイ、このタイトル見てくださいよ」


 新人賞に投稿された作品を印刷していた可愛い後輩が、俺を呼んだ。


「『伝説のサラリーマン聖女の暇つぶし~オネェ農民の必殺技が森のボロアパートで(とどろ)く~』ぅ!? はぁあ?」


「全ッ然、中身が想像できませんよね?」


「これ、章題はどうなってるんだ?」


「『壱.ドラゴン大魔王(偽物)との決戦』」


「初っぱなから決戦でしかも偽物って明記されてる!?」


「『弐.幕末の忍者』」


「幕末に忍者は……まだいるか。その前に、異世界モノじゃなかったのか?」


「『参.文学少女のお昼は、おにぎりと牛乳』」


「お茶にしとけよ! もしくはパン!」


「『肆』これ読めないんですけど、順番的に四ですよね?」


「あぁそうだな。って『肆.入道雲をコントロールできるか名探偵』!? いや、名探偵なんだろ? 素直に推理させようよ」


「『伍.ブラック企業はブラウン管の中で』」


「なんで最後だけいい感じ風? しかも近代? 異世界と幕末どこいった? てか章題ですらカオス過ぎる。もっとまともなタイトルはつけられなかったのか?」


「もー、私たちが議論してたって仕方ないですよ~。読めばわかります!」


「そうだな。読んでみるか」


 ――読了後。


「せんぱぁい、私、ちょっと目眩が……」


「あぁ、俺もまだ脳みそが連続宙返り中だ。濃かった……。あのタイトルでさえ序の口だったとは思わなかった……。逆異世界転移した後タイムリープで歴史改編とくるとは……。あー、面白いのに、こんなに詰め混むともったいないな。一章を一冊くらいに薄めた方が詳しく書けて感動の余韻も残って読みやすいんじゃないかな」


「ええ? 前みたいに、お色気足せって言わないんですか?」


「お色気はすでにあるからな。この『オネェ農民のサラリーマン聖女』のヒーローかつヒロインっぷりは完璧だ。主人公と登場人物たちとの想いが届きそうなところでタイムリープが発動してしまう切ない感じがいい! そこらへんを丁寧に書いてくれたらまた読みたい」


「……センパイはオネェもオッケイで、包容力が高い人が好みってことですね」


「なにか言ったか?」


「いえいえ。さぁ次いきましょう次! センパイ好みの作品があれば、ぜひ私にも教えてくださいね!」

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