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誤睡

作者: 百鬼

 いつからだ、眠れなくなったのは。

 ひたすら眠いのに、目を閉じても眠れなくなったのはいつからだ。もうずいぶん経つような気がする。あの心地良いまどろみの快感を味わいたいのに、おれの頭は、体は、それを一向に引き起こそうとしない。

 眠れない理由は知っている。

 怖いからだ。

 世界が途切れてしまうのが怖いからだ。もっと言えば、途切れて再び始めることができるという確信がないからだ。

 自分のしたことが眠りによってふっつりと終わってしまうのならば眠らない方がいい、と、判断してしまっているのだ。

 眠りは一瞬のうちにやって来る。眠りによって意識は始まりに戻る。進んで来た道が結果的に遡って無かったことになってしまうんじゃないか、それが怖い。世界がそこに存在しているのに、おれの方がそれを無視するが如く夢の中へ行ってしまってもいいものか。

 いや、過度な謙虚はよそう。誇張は要らないんだ。ありのままを記すことの難しさ。心とはどこにある。

 眠るせいで紡ぎ続けることができないのなら、一体どうすれば休まるというのか。世界は、人生は、間断なく続いて行く。どこで一旦区切るのか、決める権利があったっていいだろう。

 ただ、その区切りが、眠りが、誤ったもので無いことを願う。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 眠りに対する独特な見方がすばらしいと思いました。 [気になる点] 誤ったものとは具体的にどんなものなのか。 [一言] 独特な考え方は、あなたの宝物なので大切にしながら今日もまた誤った区切…
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