TRPG畑出身のチート論
チートのもともとの意味の「ズル」は、MMOでの不正データを使用してのズル。だと言われている。
ネット小説上でのチートは能力値が最高とか最強などの、いわゆる「強くてニューゲーム」状態の事を指す。
能力値以外にも即死させるとかもあるが、無条件もしくは簡単に主人公が無双出来るようになる。という事だろう。
(分かりやすく戦闘力だけをピックアップ)
これを私はガチのチート略して、ガチートと呼んでいる。
で、これに対して微チートとかプチートと呼んでいるモノ。
そのキャラクターが属するコミュニティにおいて、無双出来る訳ではないが比較的秀でている。という位のチートである。
古くからのエンタメ系の創作の主人公は、何らかの秀でたモノがあり、微チート・プチートであることが基本。
スポーツマンガ等でも、ほとんどの主人公はなんらかの微チートを持っている。
(無い主人公を探す方が困難だと思う)
他のマンガの主人公も、微チートが殆どだと認識できる。
TRPGでもプレイヤーキャラであるというだけで優遇され、微チートを与えられるシステムが殆ど。
例えば、ソードワールド(1)では冒険者レベルを持っているだけで『英雄候補』(プレイヤーキャラは微チート)でそのキャラクターが『英雄』になる『過程』をプレイする事が出来る。
ガチートの『英雄』は基本的にプレイヤーキャラにはならずに、世界の背景。
ガチートの六英雄をプレイして、魔神戦争時代のロードス島の魔神の迷宮に挑む。というようなモノもあったがこれは例外
※ソードワールド ロードス島ワールドガイド
微チートの『英雄候補』であるプレイヤーキャラが冒険して成長していく『過程』こそがゲームの醍醐味。
チート無し、つまり無チートがプレイヤーキャラのTRPG、あるにはありました。
ゲームのシステムと世界設定だけで、ご飯三杯いけるような方向きのゲームでした。
プレイヤーキャラは一般人と同じレベルだから、冒険になんて行けなくて村で門番してたの。
その世界設定の舞台に生きている。というダケで楽しめる玄人向け……
いや奇特な方向けでしたね。
無チート主人公はエンタメには向かない。
と体感しました。
勿論TRPGでガチートキャラでいわゆる「強くてニューゲーム」状態をプレイする事もあります。
ただ、こういうプレイって少しすると飽きちゃうんですよ。
シューティングゲームで無敵モード(被弾してもダメージ無しとか)をプレイしても、すぐに飽きちゃうと思うんです。
私もやった事ありますが、5分もすると飽きて苦痛になっちゃう。
ネット小説の話に戻りますね。
ガチート主人公の最大の欠点は、上の『飽きちゃう』という事だと思います。
作者も飽きるだろうし、読者も飽きちゃう。
『飽きる』からエタる。
で、エタった後別の設定のガチート主人公で新しい話を始める。
そして『飽きて』エタる。
繰り出しです。
ガチート主人公の作品を何作もエタらせては作ってを、繰り返している方を知っているかも知れません。
もっとも人は過ちを繰り返すから……
何とも言えません。
ガチートが大好きな方が居ることは事実ですし。
エンタメの主人公は微チートが基本で王道。
無チート主人公で面白いエンタメ作品を作れるのは、ガチート作者だけです。
ガチート主人公の最大の敵は『エタ』
主人公がどんなにガチートを持っていても『飽き』からくる『エタ』と戦うのは苦しい戦いになると思います。
今回はチートを
ガチート・微チート・無チート
と分けました。
私は微チートが好きです。