大日ペ帝国総理大臣と化したNKTIDKSG第2話『早すぎる戦争』【HOI4】
HoI4チャイナチャレンジ終わると支那事変で義勇兵送ってくるソ連にキレていつもバルバロッサ便乗してしまうわ。
鉄とアルミもゲット出来るし一石二鳥でござる。(なおドイツ国境用防衛師団)
アメリカ合衆国 ミシガン州 デトロイト市 ブラックタスク社管理異界最深部
荘厳な教会の広間にも似た部屋には後光を放つほどの神聖さに満ちた二対の羽根が生えた金髪の女性が目を閉じ佇み、
紫と白の祭服を着た老年の男性とシスター・助祭達と共にその女性を拝していた。
《私は大天使ウリエル。神の御前に立つ四人の天使の一人です》
キリスト教司教とその配下の姿恰好をしている彼らはウリエルを崇敬する宗派、アメリカ正教会の人間だ。
クレイグがプロテスタント・カトリックでは認められていないウリエルを秘匿していたが、それを嗅ぎつけてやって来た筋金入りの信仰の徒である。
もっとも嗅ぎ付けられたからと言って、相手も世界宗教の一派に暴力的に対応するつもりの無かったブラックタスク社は監視付きの交流を許可していた。
それが今回の様に"ウリエルの方から"の要件で有っても融通を利かせるぐらいは協力相手に便宜を図っている。
「ウリエル様、拝謁出来て誠に光栄です。この度は私どもに用件があるそうですが、お伺いしてもよろしいでしょうか?」
《このまま話すには少し不都合です、貴方の心に直接語り掛けましょう》
「仰せのままに」
そうすると、ウリエルは音を発さずに会話を始めた。監視についているブラックタスクに聞かれたくない内容なのだろう。
司教が頭を伏せて只聞く姿勢に入ると無言で行われる会話が場を支配した。
そのまま一時間程話し合いが行われると表情を抑えた司教が立ち上がり、他の助祭やシスター達も一斉に立ち上がる。
《今回の話はここまでです。次に来る者にも宜しく伝えるように》
「そのように致します」
部屋を辞そうとする集団に対して、監視のスペシャルオフィサー達が扉を開けた。
その一人の大尉が内心で毒づく。明らかな厄介事の気配が漂っているからである。
彼の軍歴経験上と悪魔業界で磨かれた勘は警鐘を鳴らしていた。
(俺達に聞かれたら不味い様な事を一時間みっちり話していたって事だな。・・・いや、上級悪魔の念話だから体感時間を延ばしていても可笑しくないどちらにせよ面倒事だ)
報告する事が増えたと如何にも面倒くさそうに部屋を出ると、扉を頑丈な物理障壁と電子認証で封鎖して司教たちを護衛しながら異界を抜ける。
道中出くわす悪魔達を蹴散らしながら彼は考えていた。
(これがいつ問題になるのか分からないが、確実に俺達の出動案件になりそうだ。今から憂鬱だぜ)
司教たちを無事護送し終えた大尉は、上司であるドミニク・サンソン中佐にこの話を持っていく。
装甲服を専用ロッカー収めた後に局長室の前まで行き、ノックをした彼は返事を待つ。
「入れ」
「失礼します」
局長室はブラックタスク社のビルの上階の防弾ガラス製の広い間取りで、中佐以外には局長を補佐する秘書がデスクと共にいた。
お昼休憩の合間であろう様子が伺ええ、パンダエクスプレスのテイクアウト容器とオレンジチキンがある。
「ベン大尉か、用件はウリエルか?」
大尉のさっきまでの仕事を覚えているのだろう、直球で話が進む。
この仕事は危機に対して非常に敏感でなければならない為、従業員たちは殆ど第六感というモノにある程度信頼を置いている。
「そうです。正教会と念話で一時間ほど話していました、時間加速もあり得るかと。正直言って危険では」
大尉は自らの所感を率直に述べた。具体的な証拠や根拠は無いが彼の戦場で培った経験は嘘を吐かない。
それに対しての中佐の反応は想像から外れていた。
「これは一部しか知らないが、ボスは既に正教会に監視を付けている。余りにも最初の接触が不審だからだそうだ」
「ウリエルの目的もボスは知っているようで、今はお互いを利用し合う関係で落ち着いているらしい」
「だから露骨な妨害などは今の所予定には無いそうだ」
これに対して大尉は僅かに眉を顰める。信用は出来ても信頼は出来ないと言い切られたからだ。
「大丈夫なんですかい?」
「大丈夫なら監視などつけんさ」
不安に対する声には肩を竦めた返答で返される。
根本的な解決策が必要とされていた、世界を守り続ける為に。
◇
2000年 日本 東京都
夜の東京、まだまだネオンが至る所で輝く不夜の街の一角で七年前に大打撃を受けた混沌派が再び蠕動を開始していた。
今の今まで次の幹部を立てる為に延々と内輪もめを繰り返してきていたが、大陸から流れて来たある一品を手にした派閥が一気に政敵を押し込みトップに立つ。
当の貴重品を使用する儀式の為、組織の資金を使い確保した龍脈のビルの地下駐車場。
そこでは現在進行形で古くから脈々と伝えられてきた秘奥と秘儀が多数使われ、古式ゆかしい術が行われていた。
【四神にして四方の長よ、四季にして五行の中央にありし彼方に乞い願う】
様々な呪具と術具が四方と五行に沿って配置され、香の香りがあたりに立ち込めている。
その中心には一人の千早を来た凛々しい少女が真言を魔力を伴い詠唱していた。
【我次代の国を背負う者、遍く衆生を導く者足らん、いざやこの難行成し遂げようぞ】
古いこの術式は汎用性にこそ欠けるが、神秘が薄れた現代においても高い効果を発生させる優れたやり方の一つである。
ブラックタスク社の様に悪魔召喚プログラムで縛る方式は汎用性に優れる反面、出力に劣る面があった。
【されば瑞兆契約を持って力を貸さんとするべし、この身汝と共に在ろう】
そして詠唱を行っているのは現代では殆どいなくなった"超人"とも言われる超越者達の一人だ。
超人には先天性と後天性の二種類いるが、今はそれよりも儀式の方が重要であろう。
【黄龍飛翔、いざ飛び立て大地の龍、今こそ此方に繁栄あるべし】
周囲を囲っている巫女や術師たちの補助を受けながらも詠唱が完全に終わり、失われて久しい神代の魔力が周囲に溢れ出した。
今や当たり一面黄金色の粒子が舞っているように見える。間もなくこの集団の目的の悪魔が現れるだろう。
地面に描かれた五行と呪具術具が光り輝くと大きな光が地下駐車場に広がり、次の瞬間"それ"は現れた。
《呼び出されるのも幾年ぶりであろう・・・。我を呼んだのは汝か》
輝ける黄金に光る龍が粒子が収束し現れ、召喚陣の中央に位置する少女に問いかける。
名前の通りに黄金色の鱗が全身を覆い、特徴的な角を持ち赤い瞳を持つ東洋のドラゴン。
皇帝の権威の象徴とも言っていい四方と五行の中央に位置する支配者。
空間そのものが黄龍の質量に軋むかのように嫌な音を立てていた。
それほどまでに通常ならば現界する事が無理な存在強度である。
龍脈の上であり補助器具を用い過去に日本で召喚された由縁があるからこそ何とか顕現出来ていた。
「はい、その通りです。力を貸してくれますね?黄龍」
凛々しい雰囲気を纏った長い青みが含まれた黒髪の少女は黄龍に返事をする。
その表情にあるのは畏怖でも崇拝でもない、敬意と対等さを感じさせる堂々とした感情だ。
《良かろう、その資格があるかはこれから見定めていくつもりだ。一先ずは宜しく頼むぞ召喚者よ》
この日を契機に、混沌派神道勢力は日本の混沌派の頂点に達し勢力を拡大。
またこれ程の召喚が行われれば当然都内を監視しているブラックタスク社が感知しない筈がない。
決戦の時を両勢力が決めるまで小競り合いが多発し、偵察部隊同士の衝突なども発生する事となった。




