新・迫真茶道部!男の娘学園と化した先輩。其の玖
ぬわぁんつかれたもぉん
1998年 アメリカ合衆国 ミシガン州デトロイト市
通信網の強化と雇用の確保を目的に、IT分野の教育を推し進めていくブラックタスク社。
失業者を中心に再教育の後雇用していったり、通常オフィサーとしての訓練と雇用を行う事で市政と州政に食い込む事を始めた。
今はまだミシガン州とデトロイト市のみだが、徐々に他州へと拡大を続ける為に他業種も確立させ始める。
その手始めが、悪魔や魔法を応用した製薬分野での台頭となる。
今までも他の製薬会社は秘密裏に悪魔等を活用しようとしていたが、専門の異界や私設部隊まで確保出来ずにいて、研究は捗らなかった。
そこにブラックタスク社が子会社化した製薬会社を捻じ込み、一気に開発を進め、市場を席捲する事に成功したのだ。
また、会社として使用している車両や飛行機材などの重整備の為に整備工場を建て、会社を興す。
主要な仕事はブラックタスクの使用機材の整備だが、自動車整備なども行い利益を求める。
雇用人数が莫大に増えて来たので、ダウンタウンのビルを何棟か潰して従業員の住む従業員寮と家族用マンションを並行して立てることになった。
これにはショッピングモールを併設させる事で更なる雇用と経済の循環を目的として建設を進めている。
警備は通常オフィサーを付ける事で社内で完結させておく。
今のデトロイト市は建設工事が何件も入り活気に湧いている。
同時に市議会議員や州議会議員のブラックタスク社のご機嫌伺いが急増した。
雇用し、半年の訓練を施した通常オフィサーはアメリカ全土を広くカバーする為に教会勢力と密着し地方の霊的防御を守る事が主任務だ。
なので地方で起こる主要な問題レベルの20は超えるように訓練を付けてある。
これによって今まで現地の情報を教会に依存していたころよりも、より悪魔問題の解決がスムーズに進むようになった。
そのように順調に拡大を続けていたブラックタスク社ではあったが、問題は本社で起こっていた。
社長の殺人的なスケジュールである。
分刻みの予定が毎日びっしりと詰まっており、まるで隙間が見当たらない。
これでも局長として第一中隊のサンソン少佐にある程度仕事を割り振ってなおの状況である。
朝起きれば異界でのトレーニングの後食事をすませ、シャワーを浴び直ぐ業務開始。
昼からは会談の予定がびっしりと詰まっており合間に定例会議が挟まる。
夕食も会談中に三件は入る。アメリカの食文化として、タフな男として食事も沢山食べなければならないのだ。
その後は会社に戻り、決済作業をたっぷり行う必要がある。
これらを弱音一つ吐かずこなし続けるあたりやはりクレイグは常人では無いのだろう。
◇
一方でファントムカンパニーとグリゴリはそれぞれ日本での活動を再度活発化させようとしていた。
お互いの方針が合致しない為協力関係こそ築いていないが、ブラックタスク社に恨みを持つ同士で情報交換を行っている。
だが彼らの活動が活発化すればすぐにでも部隊を差し向けて殺しにかかるのがブラックタスクだ。
両者ともに損切りできる下っ端の被害だけで済んでいるが、どこかの都市や地方で定住して新たに根付くというのは難しくなっている。
本拠点こそ襲撃されていないものの先細りは警戒するべき事項になった。
認めるしかないだろう。世界情勢は秩序派閥が全体として有利になっている事を。
そうなるとブラックタスク社はその部隊の矛先を別の勢力に向ける事を始めた。
アメリカを長らく蝕む麻薬問題である。
そもそもからして社長のクレイグは愛国者だ。ステイツの害となる事が我慢ならないので悪魔狩りを始めた人間が麻薬を許せるはずも無い。
98年に新設された第八中隊は生粋の殺戮マシーンだけを選抜して作られた部隊であり、人殺しに躊躇の無い人間が中心だ。
早速中南米支局としてジャマイカ共和国に進出すると、通常オフィサーは海上警備行動の為に巡視船を購入し訓練を開始。
スペシャルオフィサー達はメキシコとコロンビアマフィア達の隠し農場へと襲撃を敢行。
楽しいパーティをおっぱじめることになった。
◇
1998年 メキシコ共和国 領海 深夜
メキシコの東海岸地域の一つで作戦行動が始まった。標的となったのは麻薬の原料を生産する農場。
標的は麻薬マフィアの幹部から農場に至るまで幅広く狙われているが、今回はたまたま農場になっただけだ。
洋上からUH-1HとCH-47で兵力を投射。直接農場を焼き払う事が今回の作戦である。
このために古い強襲揚陸艦を買い付け、再整備を施して戦力化にまで持ってきていた。
『離陸を許可するガンマ1』
『ガンマ1了解。離陸を開始する』
先頭に立って離陸するUH-1Hが夜空を駆けていく。
それに続くように他のUH-1HやCH-47が飛び立ち目標の内陸部にある秘密農場へと向かう。
農場側は陸上からの警戒線は引いていたが、上空の警戒は甘く、農場から離れた地点に降下した第81、82小隊の接近に気づくのが遅れた。
こうなれば後は草刈りの様に一方的に狩られるだけだ。
混乱した指揮系統の元散発的な抵抗が見られるが、大した効果を得られていない。
組織が抱えている元特殊部隊崩れや軍人崩れを集めて編成した部隊ならばまた多少は違う結果になっただろうが、農場の一つにそんな大層な戦力を置くはずも無かった。
『α分隊敵保存庫の確保を完了。今から火を放ちます』
『β分隊敵の残敵を掃討中』
『c分隊降下地点を確保。周囲を掃討します』
スペシャルオフィサー達が芥子の畑を焼き払いながら掃討戦を遂行していく。
そこには一切の情というものは存在しない。
ステイツの敵には裁きを。ただそれだけである。
夜明け前にはこの地に溢れていた病毒は焼き尽くされた。




