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不良令嬢と残虐鬼辺境伯の政略結婚!!  作者: 桜あげは 


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87/99

87:辺境伯夫人、着せ替え人形になる

 そうして、クレアたちはミハルトン伯爵家へ到着した。

 

「このお屋敷も、しばらくぶりですねえ。クレア様」

「そうだな、マルリエッタ」

 

 馬車から下りると、クレアを出迎える人々が門の前に集まっていた。

 その中から、ふわふわのピンク色のドレスを纏った女性が飛び出してくる。

 

「クレア様ーっ!!」

 

 ピンクの塊を難なく受け止めたクレアは、微笑みながら女性に話しかける。

 

「エイミーナ、久しぶりだな!」

「ああっ、クレア様! お会いしたかったですわ!」

「嫁いでからも元気そうで良かった」


 エイミーナの後ろには、仏頂面のクレオがいた。


「手間をかけたな、クレア」

「問題ない」


 体調が悪そうだが、ミハルトン家の代表として、出迎えに出てきたのだろう。


(具合が悪いのは本当みたいだな。今日は絡むのは止めておこう)


 現在、クレアの見た目は女なので、今は姉弟として対峙している形だ。


「今回は、お義兄様は来られなかったのか。残念だな」


 不思議なことに、クレオはサイファスに懐いている。

 これも、サイファスの人格がなせる技だろうと、クレアは感心していた。


「クレア様、さっそく屋敷の中へ入りましょう。私、楽しみにしていましたのよ?」

「それは嬉しいな」

「舞踏会で着る、クレア様の衣装もご用意しておりますの! 試着してくださいませ! あの衣装を着たクレア様は、王子様のように素敵でしょうね!」

「……王子か。王子にはなりたくないなあ」

 

 クレアのよく知る王子とは、意地悪で他人をからかうのが大好きな第一王子である。

 エイミーナの相手をしながら、クレアは弟を見て言った。


「一緒に来たメンバーを紹介しておく。こっちは見覚えがあると思うが、従者のアデリオと、侍女のマルリエッタだ。もう一人は辺境騎士団、第八部隊隊長のユージーン。俺の護衛兼、救護係だ」

「さすが、お義兄様。過保護だ……クレアなんか、放っておいても大丈夫なのに」


 クレオやエイミーナに案内され、クレアたちは屋敷の中へ入った。

 もてなしを受けるのもそこそこに、さっそく、クレアは舞踏会のために用意された衣装で、エイミーナの着せ替え人形と化す。

 部屋にはすでに、クレオが注文した服が何着か届いていた。

 マルリエッタまで一緒になって、クレアを着飾らせる。


「さあさあさあ、クレア様! 次はこっちを着るのですわ!! 女同士ですもの、遠慮は要りません!」

「まあっ! 素晴らしいですわ、クレア様! ドレスも素敵ですが、こっちもお似合いですわ! アクセサリーも付けてみましょう」

「いいですわね! 髪型もいじった方がいいかしら?」

「お任せください!」

 

 クレアに逃げ場はなかった。

 エイミーナとマルリエッタは気が合うようだ。

 気合いの入った女性二人に散々着替えさせられたクレアは、解放された頃には放心状態になっていた。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 「一緒に来たメンバーを紹介しておく。こっちは見覚えがあると思うが、従者のアデリオと、侍女のマルリエッタだ。もう一人は辺境騎士団、第七部隊隊長のユージーン。俺の護衛兼、救護係だ」 と、…
[一言] クレアご災難(笑)
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