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不良令嬢と残虐鬼辺境伯の政略結婚!!  作者: 桜あげは 


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85/99

85:白衣の悪魔と辺境出発

 いよいよ、クレアたちは王都へ出発することになった。

 この日の空は快晴で気候も穏やかだ。

 馬車の前まで行くと、サイファスの選んだ同行者たちが待っていた。


「こんにちは辺境伯夫人。第八部隊隊長ユージーン、王都への旅にご同行させていただきますね」

 

 辺境騎士団の第八部隊は医療チームだ。騎士や兵士たちの怪我や病気を引き受ける、なくてはならない部隊。それゆえに、発言力はかなり強いという。

 そして、隊長のユージーンはなぜか、他の部隊の者から「白衣の悪魔」と呼ばれ、大変恐れられていた。


「おう、ユージーン、よろしくな!」


 彼とはそれほど会話した記憶がないが、騎士団と仲良くなることはクレアにとってもプラスだ。

 馬車の横には、大量の荷物を持ったマルリエッタもいる。


「クレア様。もちろん、侍女であるわたくしも同行させていただきますわ。害虫駆除はお任せを」

「マルリエッタは令嬢なのに虫も平気なのか。エイミーナなんて、見ただけで悲鳴を上げていたぞ」

 

 噛み合わない会話を続ける二人を、アデリオが複雑な表情で眺めていた。

 

 馬車に荷物を積み込んでいると、屋敷の方からサイファスが貴族男性らしくない恐ろしいスピードで走ってくる。

(さすが残虐鬼、素晴らしい速度だ)


 クレアは感心した。

 

「間に合ってよかった、クレア!」

「どうした、サイファス? 見送りに来てくれたのか?」


 サイファスを前に、クレアはまた挙動不審に陥ってしまう。

 

「あたりまえだよ。愛おしい奥さんの旅立ちを、見送らない夫なんていないでしょう? はあ、一緒に行きたい……仕事を終わらせ次第、僕も王都へ向かうからね」

「そこまで長引かないと思うけどなぁ」


 見送りが嬉しい気持ちと、照れて恥ずかしい気持ちに翻弄されつつ、クレアは平常心を保とうと心がけた。


「道中、気をつけてね。何かあれば必ず私に知らせるんだよ?」

 

 皆が見ている前だというのにサイファスはクレアをきつく抱擁し、額にキスを落とした。

 クレアは借りてきた猫のように大人しく、夫の腕の中で硬直する。

 

「う、うん。それじゃあ、い、行ってくる」


 しどろもどろに挨拶し、足をふらつかせながら、残りのメンバーと馬車に乗り込むクレア。


「本当に気をつけてね、クレア」

「ああ、サイファスも、仕事、頑張れ」


 こうして、馬車は辺境ルナレイヴを出発した。

 愛する妻に応援されたサイファスは、その後、猛烈な勢いで仕事を片付けていったという。

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― 新着の感想 ―
[一言] あーもう、可愛い可愛い可愛い二人( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆
[一言] もう片時も離れていたくないって感じっすね(笑)
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