表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不良令嬢と残虐鬼辺境伯の政略結婚!!  作者: 桜あげは 


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/99

28:不良令嬢とまさかの不意打ち

 翌朝、クレアは完全回復したマルリエッタのもとへサイファスと向かう。

 マルリエッタは、クレアの正体をサイファスに告げていなかった。

 サイファスの態度から、それが見て取れる。


 てっきり、すぐに報告されるものとばかり思っていたが意外だった。

 侍女服に袖を通した彼女は、腰を垂直に折り曲げひたすら頭を下げている。


「大変申し訳ございません! 私がクレア様についていながら、こんなことになってしまうなんて。どんな罰でもお受けします!」


 しかし、サイファスはマルリエッタを責めずに宥めた。


「危ないところだったけれど、結果的に三人とも助かったんだし頭を上げて。クレアも君を責めたりしていない。むしろ、罰さないでほしいと訴えられた」

「ですが」

「君も御者も辺境伯家の大事な一員だよ。私には敵も多いから、苦労をかけてごめんね」

「サイファス様……」


 感極まっているマルリエッタだが、クレアは傍らで冷静に考えを巡らせていた。

 どう考えても、自分はこのまま辺境伯の屋敷にいるべきではないと。


 マルリエッタの回復を見届けてから早足で部屋に戻り、アデリオを呼び出す。

 この日もアデリオは天井裏から現れた。


「そろそろだと思ったよ。この屋敷を出て行くの?」

「……ああ。迷ったが、俺がここにい続けるのはよくないと思い知った」

「だから最初から逃げたらよかったんだよ。変な情まで湧かせて」

「そ、それは」


 まったくもってアデリオの言うとおりだとクレアは思った。

 彼はいつも合理的だ。


「で、いつ出て行くの?」

「明日だ。でも、サイファスに不利な噂が流れないよう情報操作はする。あいつはいい奴だから、そのくらいの罪滅ぼしはしたい」

「いい奴、ね。クレア、辺境伯を見くびらない方がいいよ。腐っても残虐鬼と呼ばれる男だ」

「鋭そうに見えたが、戦闘以外は案外普通の奴かもしれない」

「……だといいけど」


 その後は、翌日に向けて二人で荷物の整理をした。

 武器類、実用的な衣類、日用品。それらを纏めて袋に詰めていき、その袋はベッドの下に隠す。


 ちょうど作業を終えたところで、サイファスがクレアを呼びに来た。


「クレア、君に紹介したい人がいるんだ。来てもらえないかな」

「紹介? わかった」


 サイファスに連れられ客間へ来てみると、そこには大変見知った人物が立っていた。

 日に焼けた大柄な体に騎士の服を着た中年男性は、砦や前線でクレアと共に過ごしたあの隊長だったのだ。


「おい……紹介したい奴って」

「この間、君に副官を置くよう勧められたでしょう? 彼がその副官だよ」


 ちらりと隊長を見ると、彼は大層難しい表情でクレアを観察していた。

 使用人たちと一緒に入ってきた侍従姿のアデリオを見て、その顔はさらに複雑怪奇に歪められる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ