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不良令嬢と残虐鬼辺境伯の政略結婚!!  作者: 桜あげは 


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24/99

24:不良令嬢の反撃!

 マルリエッタは、あっという間に指示を出すリーダー以外の男たちを伸してしまった。

 彼女の目は残った男を睨んでいる。


「あなた方は、どこの手の者です? 痛い目に遭いたくなければ話しなさい!」


 しかし、リーダーの男は何も話さず、じりじりとマルリエッタとの距離を詰める。

 男の武器は先端にとげのある鉄球がついた鎖鞭だった。

 ぶんぶんと鉄球を振り回した男は、それをマルリエッタめがけて投げつける。


 鎖鞭は当たれば肉を引き裂き、時には内臓をも損傷させてしまう恐ろしい武器だ。

 わざわざそんな武器を選んで使うあたり、悪趣味と言える。

 マルリエッタは、人間の動体視力では追いづらい、不規則な動きをする鎖に苦戦していた。


(助けるか……)


 迷っていたところ、不意にマルリエッタの体がのけぞった。

 背後に潜んでいた別の仲間が、彼女に不意打ちの攻撃を仕掛けたのだ。


 その隙にリーダーの男が体勢を崩したマルリエッタに近づき、彼女を昏倒させる。

 不意を突かれたマルリエッタはその場に崩れ落ちてしまった。


「殺すな。辺境伯夫人に直接仕えているなら、きっといい家のお嬢様だ。高値で売れる」

「それで、馬車にいる辺境伯夫人は?」

「もちろん連れて行く。辺境伯への大事な人質だからな」


 新しく現れたならず者二人が馬車に迫る。


(なるほど。サイファス絡みか……)


 クレアは動きやすいようドレスの裾を結んで身構えた。

 そうして、ならず者たちが扉を開け放った瞬間、右足から外に飛び出し、厚い靴底で一人の顔面を力強く踏みつけた。


「ぐえっ!」


 一人を倒した直後に、もう一人の顔面に拳をたたき込む。

 続いて、体勢を崩した男の腰から剣を引き抜き奪った。その柄で二人を昏倒させたのち、クレアはリーダーの男に向き直る。


「おい、オッサン。さっさとマルリエッタを放せ……死にたくないならな」

「なんなんだ!? この女もお前も、おかしいんじゃないのか!? 残虐鬼の屋敷の女は皆こんななのか!?」


 当初の予定と違ったのだろう。

 リーダーの男は、おののきながら、苦し紛れに声を張り上げた。


「こ、こいつがどうなってもいいのか! 大人しく我々に従え!」


 マルリエッタを抱えたまま、男はなおもわめきちらす。

 だが、クレアは動じない。


「裏に誰がいるのか吐かせる必要はあるが、事情を知っている奴は一人いればいいんだ。あとは生かすも殺すも俺次第……」


 そう口にしたクレアは、倒れた男たちを眺める。

 いずれもまだ、息はある。


「そんじゃ、オッサンには消えてもらうか」


 焦った表情を浮かべるリーダーの男は、露骨に慌て始め、太い腕でマルリエッタの首を抱え込んだ。骨を折ろうとしているのだ。

 しかし、その隙を見逃すクレアではない。


 クレアは持っていた剣をためらうことなく男の眉間めがけて投げつけた。

 剣はまっすぐ飛び、男は間一髪のところでそれを避ける。

 それと同時に相手の懐に迫ったクレアは、マルリエッタを掴み、男から引き離すことに成功した。


 しかし、我に返った男はすぐさま地面に置いていた鎖鞭を持ち、クレアに狙いを定めている。

 支離滅裂な仕事ぶりを見たクレアは、呆れながら男に問いかけた。


「いいのか? 俺はサイファスに対する人質なんだろ? そんなもんを当てたら大怪我じゃ済まなくなるぞ?」

「う、煩い! お前が辺境伯夫人のわけがない! 夫人はか弱い令嬢のはず。お前は偽物だ!」


 男から距離を取り、マルリエッタを馬車の陰に隠したクレアは、今度は鎖鞭を避けつつ男に迫った。


「剣を捨てた丸腰の女に何が出来る!」


 鎖鞭が使えない距離まで近づいたクレアを倒そうと、男が腕を伸ばす。

 体術でならクレアに勝てると踏んでいるのだ。


 実際に体格差は大きい上、正面突破を試みているクレアは不利だった。

 しかし、男の間近に迫ったクレアはニヤリと不敵に笑い、懐に手を入れる。


「誰が丸腰だって?」

「……っ!?」


 直後、甲高い金属音が鳴り、静かな通りに男の苦悶の叫びがこだました。

 幼少期を密偵として過ごしたクレアには、懐に凶器を隠し持つ習性があったのだ。


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