二十五、鞘無し
恐らく誤字脱字、多数あるかと思いますが、仕事が忙しくて全てを確認しきれていません。
申し訳ありませんが、暫くお待ち下さい
懐かしき冒険者ギルド。その入り口の木製のドアを押して入ると、早速見覚えのある顔の女性と目が会う。
空を染め始めた夕焼け色と同じ色の髪の猫人族の女性アルンは、カナタを見るなり声を挙げた。
「アオイさん!」
「やぁアルンさん。久しぶり!」
「ええ、本当ですよ!帰ってこないから心配してたんですよ?」
前回冒険者ギルドを出て一週間ほどしか経っていないとはいえ異世界での濃すぎる生活は、あれから数ヶ月は経過したのではないかと、カナタに感じさせていた。
アルンからすればいつもの生活を送っていただけなのだから、然程時間は経っていないようにも感じる筈なのだな、前回カナタは散々アルンに質問した挙句、冒険者としての登録を行う事なくギルドを後にしており、その際、何処かで素材を売って登録料にかかる大銀貨を手に入れて戻ってくるような雰囲気を醸し出していたため、待てど暮らせど帰ってこないカナタの事を心配していたようだ。
「ああ、ちょっと野暮用でバロンを出てたんだ。それじゃ早速、冒険者登録をしたいんだけどいいかな?」
「はい、勿論です!其方の方はアオイさんのお連れの方ですか?」
「そうだ。グランも一緒に登録するから書類は二枚用意してくれ」
陽が傾き始めているからか、ギルド内の食堂兼酒場には前回より多くの冒険者達の姿がある。
まだ完全に日が落ちきっておらず、それほど騒がしさも無いせいかカナタとアルンのやり取りは冒険者達にも聞こえているようで、明らかに素人の体つきをしたカナタと、どう見ても子供の姿をした、顔を覆面で覆った子供。
そんな二人が冒険者になると聞き嘲笑うような反応を見せる者もいるが、直接何か言われた訳でもないため、カナタは聞こえぬふりをしてアルンとの会話を続ける。
カナタは単純に多くの目がある場所で声を張り上げたりする事が恥ずかしいという日本人気質によってトラブルを回避しようとしているだけであり、内心は腹立たしさで煮え繰り返っていた。
今であればグランが暴れたとしても止めないでおこうとさえ思っていたカナタだったが、当の本人は嘲笑れていることに気がついていないのか、単純に興味を惹かれる相手が居ないのか、至って自然な立ち振る舞いでギルドの建物内を興味深そうに見回している。
「アオイさんもグランくんも気にしないで下さいね?ちゃんと安全な依頼もありますし、少しずつ経験を積み重ねて行けばいいんです。それでは、こちらの書類に記入をして頂きますが、代筆は必要ですか?必要な場合は一人につき銀貨一枚が別途必要となります」
「そんじゃ頼む」
カナタが小金貨二枚をアルンに手渡して代筆を依頼すると、案の定グランが字を書けると駄々をこね始めるのだが、字を読む速さから考えて相当な時間を要するのは明らかであり、恐らく書けない文字も多いことが予想されたため、字は宿でゆっくり教えてくれと宥めアルンに書類を託すこととした。
アルンはお釣りとして大銀貨一枚と銀貨三枚をカナタに手渡すと、二人に質問をしてそれを書類に記入するという作業に入る。
「アオイさんはカナタ アオイさんですね。ではグラン君のお名前は?」
「イプシロンだ!グラン・イプシロン!」
グランがそう名乗った瞬間、数秒の沈黙がギルドを包むと、どう言うわけか再びギルド内の冒険者達から笑いが巻き起こる。
先ほどとは違い、皆がグランを馬鹿にしたように声を出して笑っているのだ。
これにはグランも、そして平和主義者のカナタまでもが腹を立て、街で問題を起こさぬようにという言い付けを守るため歯をくいしばり耐えるグランの前にカナタは一歩を踏み出し、笑い続ける冒険者達に向かって声を張り上げた。
「テメェら、何が可笑しいんだ!?グランは名前を言っただけだろうが!!」
しかし、必死になるカナタの姿が可笑しいのか、笑いは更に大きくなるばかり。
そんな中、一人の犬の姿をした獣人がカナタの問いに答えるように声をあげると、それに続くように周囲の冒険者達が口々に声を張り上げ笑い始める。
「その名前が可笑しいから笑ってんだろうが!」
「全くだぜーーー。ぼくグラン!グランイプシロン!字だって書けるんだよ!」
「ギャハハハ!!オメェ、そりゃ流石にやり過ぎだ!あのボウズもそんな喋り方はしてなかっただろ!?」
「似たようなもんだろ!イプシロンなんて大罪人と同じ名をあんな笑顔で叫ぶなんて、あのガキゃどうかしてるぜ!?ウハハハ!!」
「大体、ガキとヒョロヒョロの雑魚が冒険者になってどうする気だよ!?此処は遊びでくる場所じゃねぇんだぞぉ?」
冒険者達がグランを笑うのは、犯罪者と同じ名前を子供が叫んだから。
何ということは無い、そのような下らぬ理由でグランを傷つけようとする者達をカナタは許すことが出来ない。
グランは自分の名前を名乗る時、まるで名乗る事が嬉しくて堪らないかのように、いつも笑って答える。
それが会ったことのない両親との数少ない絆の証だから。
本人はそんな事を口にはしないが、少なくともカナタはそう思っている。
両親がくれた体を鍛え、両親が自分を呼ぶ為に考えた名前を大切にしている。
そんなグランの想いを、犯罪者と同じ名だからという理由で踏み躙る者達が許せない。
カナタは、拳を震わせるグランの頭に手を置くと、背中の不折剣に手を伸ばした。
「大罪人?そのイプシロンって奴が何をやったか知らねぇけど、それがグランと何の関係がある」
カナタはゆっくりと冒険者達の元に近づき不折剣を抜く。
「おいおいおい、嘘だろ?見ろよコイツの剣!玩具の剣だぜ!?刃も付いてねぇ剣で俺達に喧嘩売る気らしい!ギャハハハハ!!」
「鞘無しの剣なんて背負ってるから可笑しいと思ったら、そういうことかよ!はっはっは、そりゃ鞘なんて要らねぇはずだぜ!」
「うるせぇよ。いいからかかって来い」
「ウハハ、よし。俺が口の利き方と冒険者の厳しさってやつを教えてやろう。
剣まで抜いてんだ。大怪我しても文句はねぇなあ?」
カナタの前に立ちはだかるのは、グランのモノマネをした馬面の獣人。
質の悪いソバージュのような栗色の鬣を靡かせ気取る男は、首から下げた銅のプレートをチラつかせる。
馬面の男は、椅子から立ち上がると腰の剣に手を掛けた。
「おいおい、まだ冒険者にもなってねぇヒョロ造相手にホスかよ?死んじまうぞあいつ・・!」
「ホスっていやCランクでも手練れって話の男じゃねぇか!あいつがそうだったのかよ・・・!」
「しかもホスは一度キレると手に負えねぇって噂だぞ!?誰か止めた方がいいんじゃねぇのか?」
「止めれるわけねぇだろ、あいつはC級のトップクラス。
無闇に喧嘩なんか売るから悪ぃんだし、どぉせすぐに衛兵が来るんだから死にゃしねぇよ。
ああ言うのは一回痛い目見りゃいいんだ」
周囲の冒険者達の反応は、Cランク上位者が如何に並外れた強さを持っているのかを物語っており、中には数秒後の惨状を想像したように顔を背ける者も居る。
事実として、普通に戦えばカナタには万に一つも勝ち目など無いのだが、幸いにも今日は不落之果実は未発動。
高々Cランクの冒険者に負ける要素は、ゼロだ。
好都合なことに、受け付け近くの妖精猫族の衛兵は、ホスを止めるには人手が居ると判断したのかギルドの外へ走って行ったばかり。
カナタはグランの仇を取るべく、全力でホスを傷付けるように挑発する。
「丁度良かったよ。お前の下品な馬面が一番嫌いだったんだ・・・、ん?
つぅかお前、臭ぇけどちゃんと体洗ってんの?さっきから馬小屋の匂いがすると思ったらお前の仕業か、この馬糞野郎が」
「て・・っ、てめぇ、殺すーーっ!!」
カナタの挑発を受けたホスは赤くした馬面を歪めて剣を抜き放ち、それを頭上へ振り上げた。
カナタは、不折剣を肩に置いてホスへ歩みよると、脳内で唱える。
『不落之果実!!』
************
ホスの振り下ろした片刃の剣はカナタの頭上で止まり、それを見る周囲の冒険者達は目や口を大きく開ける者や背ける者、手で顔を覆う者など様々だ。
(どうするかーーー)
今であればホスを力で捩じ伏せることは簡単だ。
だが、それでは物足りない。それに一方的に怪我をさせてしまえば、駆け付けて来る衛兵に取り押さえられるのはカナタの方だろう。
そうなってしまえば冒険者の登録どころでは無くなってしまう。
カナタは一瞬動きを止めて考えると、不折剣の先端だけを鋭い刃に変え、動かぬホスに向かって何度も振り抜いた。
そして視界の端に色が戻り始めた頃、カナタは持てる力の全てを振り絞るように拳を握りしめホスの歪んだ馬面に叩き込む。
(どんだけ効くか分からねぇが、喰らえ!!)
思った以上に硬い顔面にカナタの拳は激しい痛みを感じるが、それと同時に少しだけ気分が晴れるのを感じた。
そして視界の中心に色が戻る直前、カナタはホスの横を通り過ぎて背後に回り込み、不折剣を背中に戻す姿勢で待機する。
そのコンマ数秒後ーーー、ギルド内に時が戻った。
「ブホッ!?」
「何やってんだあの兄ちゃん!!わざわざホスを怒らせてーーーー、ん?」
「ヤベェ!ホスのやつ本ーーーーって、あれ?」
「逃げろ兄ちゃん!!お前、死ぬーーーーーーなっ!?どうなって・・・・・」
突然ホスを挑発し、何故か余裕の表情でホスに向かって進む玩具の剣を持った黒髮の青年。
そこに長大な剣は振り下ろされ、誰の目から見ても回避は不可能かに見えた。
この場にいる誰もがカナタの頭が割れる場面を脳裏に描いたその瞬間ーーーー、カナタの姿はその場から消え、同時にホスの背後に現れたのだ。
誰もが目を見開き、事態を飲み込めぬまま固まり、ギルド内には静寂が流れる。
いつの間にか下から叩き上げられた様に天を仰いでいるホスは、自身の身に起きた状況を理解しようと視線を下げ、先ほどまでカナタの立っていた場所を見る。
“”何処に行ったーーー“”
爆発しそうな怒りに乗せ、そう口に出そうとした時だった。
ホスは自分の身体が軽くなったのを感じた。
予期せぬ感覚に困惑するのと同時、静寂に包まれたギルド内にガシャリと音が鳴り響く。
それは聞き慣れた音だった。
ギルドでの依頼を完遂させ、仲間と酒を飲み、宿に戻って床に重い鎧を脱ぎ捨て眠る。
長く冒険者をして来たホスにとっての日常。疲れ切った身体が重みから解放される音。
その感覚が、その音が、何故、今ーーー?
ホスはカナタの居た場所へ向けていた視線を自身の身体へ向ける。
(ーーーー裸?)
ホスの身に纏われていた、魔物の鱗から造られた高価な鎧。
それが木の床に落ちてバラバラになり、その下に着けていた布の服やズボンまでもが切り裂かれ、木の葉のように舞っている。
ホスは自身の周りで舞い落ちる布切れに釘付けになり、暫くして漸く状況が飲み込めた頃、周囲の者達の視線が自分の背後を見ている事に気がついた。
ホスは咄嗟に振り向くーーー。
案の定、そこには先ほどまで目の前にいた筈の黒髮の青年の姿があった。
肩に担がれていた玩具の剣は、背に取り付けられた金属の輪に通され、今まさに納刀を終えようとしている。
ーーーー直後、納刀による金属の優しく触れ合う音が、その場に居る全員の耳へ届いたーーーー。
*************
金属音がギルドに響いて暫く、誰一人として声を発しようとも動こうともせず、ただただ今起きた事を咀嚼して飲み込もうとしている。
ホスの足元には数滴の血がポタポタと落ち、生温い物を感じたホスは自身の鼻へ手を押し当てた。
「血ーーー?」
手を赤く染める鼻血を見たホスは、何の前触れもなく衝撃に襲われ天井を見上げていたことを思い出している。
それをやったのが黒髮の青年だと確信しながらも、いつ、どうやって攻撃されたのか、その糸口すら掴めない。
だが確実なのは、目の前から突然消えた青年が自身の着ていた鎧や服をバラバラに切り裂き、顔へ打撃系の攻撃を加えた上で背後に現れた事。
そしてその動きの一切が見えなかった事だ。
誰かが口を開いたのをキッカケにして次第に周囲はざわつき始め、あっという間にギルド内は其々の様々な思いが飛び交い騒がしくなる。
だが、やはりホス以外の者も何が起こったのか理解出来ていない様子で、其々が其々の意見を聞いて何が起きたのかを見定めようとしていた。
そんな中、他の者達の十秒先を行くカナタからは既に怒りは消え去り、心中は納刀のタイミングがバッチリ決まった事への満足感で満たされていた。
カナタは不折剣から離した手をグランへ向けると親指を立てて笑い、立ち尽くすホスの横を通り過ぎる。
「仇はとったぜ、グラン」
「ああ、見てたぞ!相変わらずスゲェなカナタは!!最後のキンッてやつ、今度俺もやってみるよ!」
「最後のって言うと納刀の音か。アレは難しいぞ?タイミングもだが、いい感じの音を鳴らすには金属の種類と分厚さ、納刀のスピードを調節する必要があるからな!
まあ、頑張って修行したまえよ!アハ、アハ、アハアハ!」
まるで先程何も無かったかのような雰囲気で気楽に話すカナタ達。
それを見て緊張の糸が解けたのか、騒ぐ野次馬達の誰かが裸で立ち竦むホスを見て小声で言った。
(クククククーーーッ、
おい聞いたか?ばっ、馬糞野郎だってよ!ブブゥゥ!!)
(お、おい、やめろ!聞こえたら殺されるぞ!!)
(け、けどよぉ!あの“鞘無し”の兄ちゃんが消えた途端、ブホッ!?とか言って天井見てたんだぞ!?あんな気取った顔してブホッ!?だぞ!?ヒィーッヒッヒッ!)
(ブウゥ!!やっ、やめてくれ、それ以上言うな!!)
「つぅか、Cランクって言ってもあの程度なのかよ。あいつ、いつも威張り散らしてたくせに大したことねぇんじゃねぇか?」
「だが、あの”鞘無し”の兄ちゃんの動きも凄かったぜ!?俺には剣を振るとこなんか一回も見えなかった!」
「バァカ!そりゃEランクのお前にゃ、あの動きは見えねぇよ!この間Dランクになった俺ですら最初の一太刀、いや二太刀しか見えなかったんだからな!」
「なっ!?お前、あいつの動きが見えたってのか!?」
「そりゃ見えたさ!まず鞘無しの野郎は、ホスって奴の顔面を剣の腹で叩き上げたんだ。
そんで顔を跳ね上げた隙にあの剣で鎧と服を斬り落としたんだよ。
ありゃ、とんでもねぇ早業だぜ」
「本当かよ!?けっ、けど俺にゃあいつがブホッ!?ってなったとき、鞘無しはもうあいつの背後に居たように見えたぞ!?」
「かあぁぁ、そんなだからオメェはEランクのまんまなんだよ!見ろ、俺の鉄プレートをよぉ!?
ったく、獣角プレートが偉そうに言うなこの馬鹿!
鉄プレートの俺が言うんだから間違いねぇ、鞘無しは超高速の使い手だ!」
「まじか!そりゃスゲェもん見れたな!おい!鞘無しの兄ちゃん!さっきは悪かったな!こっち来て飲めよ!」
「てめぇもさっきまでは、あの兄ちゃんとガキのこと馬鹿にしてただろ!?兄ちゃん!こんな奴ほっといて俺らと飲もうぜ!」
全く見当外れな意見が、一人の知ったかぶりDランク冒険者によって広がって行き、更にはカナタに擦り寄ろうとする者達まで現れた。
だが、やはり先程まで自分達を笑っていたような者と仲良くする気にはなれず、今は冒険者ギルドへの登録が先決だと、カナタは冒険者達の話を聞き流してグランとアルンの待つ受け付けに戻って行く。
そんな時だったーーー。
「カナタ!危ねぇ!!」
グランが突如叫んだのだ。
その目線を追うように咄嗟に背後へ振り返るカナタは、怒りの形相で迫るホスの姿を捉えた。
怒りに任せて剣を振りかぶるホスを前に、再び不落之果実を発動させようと意識を集中させる。
だが、本日二度目の特級魔法が発動されることはなかった。
「そこまでだぁぁあああ!!」
突然鳴り響く、建物全体を揺らすような怒号。
冒険者ギルドの入り口付近から聞こえた凄まじい声に、ホスを含めた建物内部の者全てが動きを止めて振り返り、カナタやグランも聞き覚えのあるその声の主を見る。
「オッさん!」
「ガルーさん!?それにメイナさんも!もう帰って来たのか!?」
入り口に立って居たのは、妖精猫族の衛兵に連れられやって来たガルーとメイナ。
まだ全快していないメイナを気遣い、後からゆっくりと帰って来ていた二人は王都へ到着するなり騒ぎを聞きつけ冒険者ギルドへ急いで向かったのだ。
「おう、まぁな!ケンロイ達の様子を見に行けねぇかと考えてたんだが、何やら騒ぎになってたんで衛兵に話を聞いたら、どうも兄ちゃんやボウズが関係してるようだったんでな、急いで駆けつけてやったのよ!
怪我はーーーねぇか!?」
迷宮で良いところを見せられなかった事を悔いていたガルーは、少しでもこの手柄を大きく見せたいのか、必要以上のドヤ顔でカナタ達へ視線を送る。
「おっ、おう、助かったよ!ありがとな!」
特に助けてもらう必要もなかったのだが、ここは駆けつけてくれたガルーの顔を立てることを選ぶカナタ。
動きを止めていたホスは、剣を鞘に収めてガルーを見ている。
「ガ・・ガルー・・・。
ちっ、Bランクの、それも武技使いが出張って来ちまったんじゃどうしようもねぇ。
命を拾ったなーーー鞘無し。
次に会ったら容赦しねぇ。それに、さっき俺を笑った奴らも覚えてろ。必ず後悔させてやるからな」
“馬糞のホス“はそんな捨て台詞を残して、ギルドを去って行った。
「ガルーって、犬猫団のガルーか!?」
「鞘無しが何でBランクと知り合いなんだ!?鞘無しはまだ冒険者でもねぇんだろ!?」
「武技使いってマジかよ・・。化け物みてぇに強いんだろうな」
「あの鞘無しを助けるぐれぇだしな。やっぱBランク以上は本物の化け物ってことだ」
ーーーーもう、何でもいい。
カナタはそう思った。