6 キルス兄ちゃん
へとへとになって家に帰った。
身体中痛い、もう動きたくなかった。
「おにい、お帰りー」
ああ、マイスイートエンジェル、今日は抱きつかれると痛いので勘弁してください。
「金ちゃんお帰りー、お母さんお腹空いたの」
「バカ金、晩飯早く作れ!」
「母さん、俺晩飯作るの無理かも・・・」
ピキ
あー、母さんが微笑んでるけど、黒いオーラが・・・
「じょ、冗談だよ、大至急作りますです」
「もうー、金ちゃんたら、危うくヤルところよ」
ヤルって何だよ、殺るか、殺るなのか!
「バカ金、母さんには素直に対応しろよ」
ドSの香葉ねーがビビってる。
伊藤家のゴッドマザーは最悪だな。
「金ちゃん、何か言ったー」
「いえ、何でもありません!」
俺は疲れ切った体で晩飯を作ることにした。
▽
晩飯を食った後、俺はキルス兄ちゃんに訓練したを報告する事にした。
「教官がバルドだったのか、それは酷かっただろう」
「うん、何回も気絶した」
「あのドS教官に指導されるとはな」
いや、あんたたち夫婦もドSでしょ。
「まあ、バルトが指導すれば身体強化のスキルは取れるだろう」
兄ちゃんは蜂蜜酒を飲みながら呟いた。
「後は斧だな、取得したスキルをレベルアップしないとな」
香葉ねーはビールを飲みながらジャーキーを口に入れる。
「金ちゃん、ヒールも取得したんだろ?」
俺は兄ちゃんの蜂蜜酒に手を出す。
ビシ
「痛いよ、兄ちゃん、俺にもくれよ」
「金ちゃんは訓練中は禁止、それよりヒールだ。使えるか?」
「よくわかんないだよね、やったことないし」
「ヒールはな、自分の魔力を使った傷を治したり、減った体力を上げるんだよ」
兄ちゃんはいきなり右手を俺の左足に触って
「ヒール」
俺の足に豆ができて潰れて痛かったのが、いきなり治ってしまった。
「こんな感じかな、金ちゃんは身体中痛いし、HPが下がってるだろ。MPがなくなると気絶するからギリギリまで練習してみな」
「わかったよ、兄ちゃん」
俺は自分の傷ついてる場所に手を合わせて
「ヒール」
MPは減ったが全然治らない。
「ダメー、集中しないとね。自分の魔力を意識して治す部分に治れ、治れとやらないと」
兄さんヘラヘラ笑いながら、失敗してるの喜んでませんか?
俺はからかわれながら練習する事にした。