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旧 リック&レイド  作者: アール・ワイ・オー
第一章 シュヴァリエ聖騎士国 十騎士偏
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戦うお馬鹿達、決着を付ける!

ソニアはライオネル同様辺りにいた騎士達を下がらせようとした。しかし退こうとした騎士達が突如胸を押さえ苦しみ始め次々に倒れていった。


「一度刃を向けた相手から敵わないって理由で逃げようとするからそういう目に会うんだ。世の中そう都合よく行く物じゃない」


レイドはそう言いながらソニアに視線を向けた。


「何をしたかは知らないけど私に此奴等と同じ手が通用すると思わない事ね」


ソニアはレイピアを腰から引き抜くと一気に近付きレイドへと突きを放った。しかしそれはレイドには当たらなかった。一切身動きをしていないのにも関わらずソニアの突きは外れたのだ。


「へぇ。貴方相手の殺気をコントロール出来る様ねぇ。私の意識がレイピアが届こうとした時一瞬晒された様な感覚したもの。どういった原理なのか分からないけれど貴方にはそういった特殊な能力がある様ねぇ。俗に無能者と呼ばれる黒髪を持つ貴方がどうやったのか興味が唆るけどそれは貴方を狭間付かせたあとゆっくり聞こうかしらぁ」


ソニアは距離を取り後ろに下がると「フレイム」と唱えレイドの周りに火炎を発生させたがそれも見事にレイドに当たるか、というギリギリの所へそれた。


「これならどうかしらぁ?フレイム!」


レイドは初めてその体を動かし発生する火炎を避けた。


「やっぱりねぇ。意識を集中させ殺気を研ぎ澄ませば当てる事は可能の様ねぇ」

「あんたが何者か知らないし興味もないが他の奴らとは一味違うみたいだな。下手な小細工は通用しなさそうだ」


レイドは剣を構え大地を蹴った。その瞬間ソニアの視界からレイドが消える。直後背後から現れたレイドがソニアの首筋目掛けて剣を振るう。ギリギリの所でソニアは対応しレイピアで受け流した。


「驚いたわ。これ程とはね。驚異のスピードとそしてその剣技、部下達じゃ敵わないわけだわぁ。力も相当な物ねぇ。一撃受けただけで手が痺れてるもの。しかも貴方が待ってるその剣は一般に流通しているものでしょう?私のこのレイピアは炎流細剣ソニエールと言って立派な魔剣なのよ。普通魔剣と一般の剣がぶつかれば弾き飛ばされてもおかしくないのにねぇ。本当に貴方一体何者よ」

「この剣も無事ではないさ。今の一撃でヒビが入っている。それと俺は唯の冒険者、レイドだ」


レイドはそう言うと持っている剣をソニア目掛けて全力で投げた。剣は凄まじいスピードで回転しながらソニアの方へ飛んで行く。ソニアはそれを回避しレイドの方へ火球を放ち反撃する。レイドは倒れた騎士達の剣を拾いながら火球を避け自らの血で作ったドス黒い色をしたランスをソニア目掛けて放つ。


「フレイムバースト」


ソニアがそう唱えると周辺から凄まじい量の炎が爆音と共に吹き出て放たれたブラッディランスとぶつかり爆発を起こした。


ソニアは上空から気配を感じ取り上を見上げた。

そこには投げナイフを構え今正に放とうとしているレイドの姿ががあった。


「全く嫌になるわねぇ」


ソニアは高速で飛んでくるナイフを紙一重で躱わし終えるとソニエールを構え魔力を高める。


「お遊びはこれまでよ。シュヴァリエ騎士団の五番隊副隊長である私をその気にさせたのが貴方の運の尽き。これでお終いよ」


ソニアが魔力を高め魔法を発動しようとした時異変は起きた。

周辺の地面が光り出しソニアを中心として六芒星を描き出した。見てみれば六芒星の点と点を結ぶ様にナイフが刺さっておりそれ等がこの六芒星の発生原因だと思われた。


「体の魔力が奪われていく?!それに体に力がはいらないわ。一体何をしたの?」


ソニアが問うとレイドは口を開いた。


「俺の血を塗ったナイフを六芒星を描く様に投げあんたがその中央に来る様に追い詰めただけ。後はあんたがそこで俺にデカい敵意をぶつければ発動する仕組みになっていた術に掛かったってだけの話だ。その術は発動後掛かった相手の体力と魔力を奪い取り更にその間体を拘束する。一つ言っておくと無理に動こうとすれば無駄に体力と魔力を消耗するだけで解除する事は不可能。体力と魔力が尽きるギリギリの所まで減れば自動的にこの術は解除される。だから余り動こうとしない方がいい」


ソニアは呻き声を上げ膝を着き朦朧としていく意識の中去っていく男の姿を見ていた。




その頃リックとライオネルは激しい攻防を繰り広げていた。


「ロックブレイク」


リックはライオネルによって出現した岩の刃を光の壁で防ぎ光の剣による斬撃を放った。


ライオネルは盾で何とか斬撃を受けきるとリック目掛けて土魔法によって地面を流動させ流れる様に近付き接近戦に持ち込む。


「全く!ガードが固くて粘着質なこの戦法、しつこくて嫌になるぜ」


リックはそう言うと光の壁を発生させライオネルを弾き飛ばそうとする。


「それはお互いさまですな。しかしこの光の壁は神聖魔法。この魔道具がある私に分がありますな」


ライオネルは背負っていた剣を取り出し光の壁に斬りかかった。


「この剣は神聖魔法の魔力を吸う魔道具。今回持っていたのは偶々なのですが運が悪かった様ですな」


ライオネルは自信満々にそう言い壁を斬り続けるが一向に壁が破壊される様子がない。


「どういうことだ?!何故壁をはかいできない?!」


焦り始めるライオネルに対してリックがその疑問に答えた。


「残念ながらこれは神聖魔法じゃないんだな〜。詳しく説明してやりたいところだが今は決着を付ける方が優先だ」


リックはライオネルを弾き飛ばすとライオネルの周りを覆う様に光の壁を発生させた。


「守護光陣。更に光陣反射壁、そしてソーラーライト!」


突如二重に発生した光の壁に閉じ込められたライオネルは脱出しようと魔剣を覚醒させ壁に魔法剣を放つ。徐々にヒビが入り壁を破壊できるかどうかというところでライオネルの閉じ込められている壁の頭上に光の玉が現れそれは壁の内部の鏡の様になっている部分にぶつかり反射し壁の中を駆け回るかの様に飛び回り始めた。

高速で幾度となく反射された光の玉は暫く反射した後上の方へと反射しながら上って行った。


「これくらいでいいだろ。リフレクト!」


リックがそう叫ぶと壁の中の中央に光で出来た鏡の様な物が現れそこへ光の玉が激突した。

直後迸る光と共に鏡の様なものから光線が放たれ真下に居たライオネルへ直撃した。辺りを閃光が包み込みライオネルの絶叫が辺りに響き渡る。

閃光が収まるとそこには鎧から煙を上げ倒れるライオネルがいた。


「み、見事」


そう言い切るとライオネルは完全に意識を失った。


リックが辺りを見回すとレイドが此方にやって来るのが見えた。


「此奴達かなりのやり手だった。見たところ騎士達の中でもかなり上の方だと思う。こんな奴らが揃いも攫って国に反逆するとは考えにくいな。」


レイドがそう言うとリックも肯定する様に頷く。


「マジでどうなってんだろな?」


リックはお手上げという風に手を上げて首を傾げた。


「取り敢えず一通りしっかり話をしてもらわないとな。なあルナ?」


レイドが視線を向けた先には今まで何もなかった所から突如として現れたルナとリリアラ、それにラムネーゼとシェリア、そしてシェリアに担がれたカシムの姿があった。


「その前にここから逃げるわよ!」


ルナの一声で一同は一先ず国境の谷まで行く事にしたのだった。









お読み下さり有難う御座いますm(__)m

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