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旧 リック&レイド  作者: アール・ワイ・オー
第一章 シュヴァリエ聖騎士国 十騎士偏
8/24

戦うお馬鹿達

乱戦になる中一人の騎士が背後からレイドの腹部へ剣を突き込んだ。剣はずぶりと突き刺さり血が溢れる。


「どうだシュヴァリエ騎士団の力思いしったか!所詮無能者は無能者だと言う事だ!」


騎士は剣を引き抜くと目を血走らせながら唾を飛び散らせて叫んだ。


それをリックは近くの騎士をいなしながら哀れな物を見る目で見ていた。


「あーあやってしまったなあいつ。これでレイドの独断場になってしまったな」


レイドは周りの騎士を力任せに吹き飛ばし、出血している場所を抑え溢れ出る血を拭った。直後に刺された腹部の傷が不思議な事に塞がっていき完全に治ってしまった。


それを見ていた騎士達は驚愕し、レイドの周りに居た騎士達に声を掛けた。


「おい!そいつやっぱり普通じゃ無いぞ。何をして来るか分からんから気を引きしめてかかれ!」


レイドは自分の手についた血を目の前の騎士の兜に擦り付けた。そして複数人の騎士を正体不明の力で動きを止め、不敵に笑った。

動きを止められなかった騎士の一人がレイドの首目掛けて剣を一閃したその時、突如レイドと先程レイドに剣を突き刺した騎士が入れ替わった。

入れ替わった騎士はレイドの代わりに首に剣を受けその頭は宙に舞い地面に落ちた。

その顔は驚愕の表情で固まっていた。

仲間の首を跳ねた騎士は何が起こったのか分からずただ呆然としていた。


「あいつは何をしたのだ!」


パニックを起こした騎士がレイド目掛けて斬りかかる。すると今度は先程兜に血を擦り付けられた騎士とレイドの場所が一瞬の内に入れ替わった。入れ替えられた騎士は腹部を剣で斬り裂かれ倒れた。


騎士達は慌てふためき混乱の嵐に包まれた。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


リリアラとラムネーゼは他の馬車とは見るからに違う煌びやかな装飾が施された馬車の中に居た。


「何やら外が騒がしいです」


長らく沈黙が支配していた馬車内で外の騒ぎが聞こえ不思議に思ったラムネーゼがリリアラにそう切り出した。


「外の騎士に聞いて見ましょうか」


リリアラがそう言い終え馬車の扉を開けようとすると扉が一人でに開いた。リリアラは驚き開いた扉の外を見ると見張りの騎士が二人地面に倒れ伏していた。そして扉の正面の大地から光が発生しその光が収まるとそこには一人の女性が立っていた。


「ごめんなさい驚かせちゃったかな? 」


女性はそう言うと失礼するわね、とリリアラに一声かけ馬車の中に入って来た。


「そこに倒れている騎士達は気絶してるだけだから大丈夫よ。あっ自己紹介しとくね!私はルナリレイア。ルナでいいわよ」


ルナはより一層激しくなる外の騒ぎを気にした様子もなく明るくリリアラとラムネーゼにそう話しかける。


「あの外で何が起こっているんでしょうか?それと貴女は一体何者なのですか?」


リリアラは至極当然の質問をした。


「私は世界を気ままに旅する華麗な美人冒険者。悪は許さず旅先で出会う涙を流す人々の為に尽力する正義の使者よ! そして外の騒ぎは私の仲間のお馬鹿共が暴れている音だから気にしなくていいわ」


ルナは自慢げに言うと腰に手を当てその豊かな実のなった胸を張った。リリアラとラムネーゼは敢えて突っ込みを入れずルナの話を聞いていた。


「仲間の馬鹿の内の一人が特殊な能力を持っていて貴女達の心が泣いてるって言うのよ。だから私は貴女達を助ける事にしたの。まあその馬鹿が話し合いが終わる前に飛び出したからほぼ勢いだけなんだけどね」


ルナはため息を吐きながら話を続けた。


「貴女達を見つけて遠くから様子を伺ってたんだけど、両方ともシュヴァリエの騎士って事がわかって私達もどうしたらいいか分からなくて困っていたら話を聞いて来るって馬鹿は飛び出して行ったんだけどこうなる事は分かっていたのよね」


(いつから見ていたのかは分かりませんが明らかに普通ではない状況で普通に話し合いが出来ると思うその人は一体どんな方なのでしょうか)


内心リリアラは顔を引き垂らしていた。


「お姉ちゃん達はいつから見ていたのです? 」


ラムネーゼはルナに尋ねた。


「私達が見たのは女性の騎士が枷を付けられる所からだったわ」

「疑問に思ったのですが、何処から此方を伺っていたのですか?お世辞抜きでシュヴァリエの騎士達は皆優秀です。ここは隠れる所が全くないと行っていいほどの草原です。シェリアが捕まる所が見えるほどの近くに貴方達が居たのなら、それに気付くはずです。それにシェリアが捕まる時、私達も居ましたが周囲に人が居るようには思えませんでした」


リリアラは素直に疑問に思った事をルナに質問した。


「それはここからもう少し行った先にある高台から見ていたのよ」


その言葉にリリアラとラムネーゼは驚いた。


「ここから先の高台って大分距離がありますよ?!まあ他にも色々疑問はありますけど。」


リリアラは驚愕した後しかし直ぐに冷静になった。そしてそこまで話した後少し間を置き再び続けた。


「助けに来て頂いたと言う事は分かりました。私達もここから逃げ出せるのならそれ以上の事はありませんから。ですがその前に先程仰られていた枷を付けられていた女性騎士のシェリアともう一人カシムという私達の護衛をしてくれている騎士がいるのですが彼らも助けて頂きたいのです。助けてもらう側なのに勝手な事を言っているのは分かっています。ですが私達は命を懸けて守ってくれる彼等を見捨てる事は出来ません! 」


頑な意志を込めた瞳でルナを見つめた。


ルナはそんなリリアラに綺麗な笑顔で答えた。


「そんなに必死になるぐらいあの女性の事が大事なのね。大丈夫よ!元から彼女も助けるつもりだったから。もう一人いるみたいだけどそれぐらいは問題じゃないしね。取り敢えず此処から出てさっさとその二人を助けてとんずらしちゃいましょ! 」


ルナは二人の手を繋ぎ「インビジブル」と唱えると二人の手を引き馬車を出た。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



リックは掌から光の壁を発生させ飛来する魔法を全て弾いていた。


「その程度の魔法じゃあ幾ら攻撃しても俺は倒せないぜ!」


騎士達はたった二人を拘束出来ず躍起になっていた。


「クソッ!黒い奴は異様な能力を使い唯でさえ厄介だというのに、もう片方の此奴は神聖魔法を使うのかっ。一体なんだというのだ!」


騎士達は次々と倒れその数を減らしていく。一方二人しかいないリックとレイドは全く消耗していない様子であった。


「呪槍ブラッディランス!」


レイドは自分の血を一滴分指先から垂らした。するとその血が見る見る間に肥大化し形状かえランス状になっていき出来上がったそれはレイドの頭上辺りに浮遊していた。


「行け」


レイドはその槍を騎士達が固まっている場所へ放った。騎士達の何人かはその槍で貫かれ倒れていった。その後槍が地面に突き刺さり小さな爆発が起こりそれに巻き込まれたもの達は吹き飛ばされた。その様子に気を取られていた数名の騎士達は驚異的なスピードで近づいて来たレイドに首を斬り裂かれていく。


一方リックは手に出現させた光で構成されたと思われる剣を振るい騎士達を倒していく。攻撃は光の壁で弾き確実に騎士の数を減らしていった。


レイド達がこの場にやって来て3分もかからず騎士はその数を半分以下にしていた。


レイドは騎士の魔法をその驚異的なスピードでかわしまた一つ首を撥ねようとしていた。しかし横から放たれた豪火により断念せざるおえなくなった。


「どうやら好き勝手してくれたようねぇ。でもオイタはここまでよ」


そう言い現れたのは女騎士ソニアだ。


「漸く大将のお出ましか」


一方リックの方には肩を厳つかせながらライオネルがやって来ていた。


「何者かは知りませんが、これは我等がシュヴァリエ騎士団と知っての狼藉ですかな? 」

「今はおたく等が何者なんて関係ないな。それに先に手を出して来たのはおたくのとこの騎士だ。これは所謂正当防衛ってヤツだぜ」


リックは自分でもそれにしてはやり過ぎと自覚しながら言った。


「まあ何を言おうが最初っからやる気みたいだし結局戦うしかなさそうだな」


リックはそう言うと光の剣を構えた。


「貴方達は下がっていなさい。幾ら束になってかかったところで先程までの二の舞になるだけでしょうから。此処からは私一人で貴方と戦いましょう」


周りの騎士達を下がらせるとライオネルは剣を抜きリック目掛けて魔法をはなった。





お読みくださりありがとうございm(__)m

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