シュヴァリエ騎士団 二番隊
あまり話がすすみませんmm
「ここまで・・・なのか」
シェリアは地面に膝を付き項垂れる様にしていった。
辺りには複数人の騎士達がシェリアを囲んでいた。
「シェリア殿、大人しく我々と共に巫女様を連れて王都まで御同行願います。これ以上争った処で結果は同じでしょう」
明らかに他の騎士とは違う雰囲気を纏い、立派な髭を蓄え、その鍛え抜かれたであろう巨体を鮮やかな紫の鎧で包んだ男がそういった。
「何度も申した筈だ。今リリアラ様達を王都にお連れする事はできないと」
シェリアはそう言うと再び立ち上がり剣を構えた。
(そうだ!ここで私が諦めてどうする?!この命に代えてもリリアラ様を守ると誓ったのだ。なんとしてもリリアラ様とラムネーゼ様が国境の谷まで逃げる時間を稼がなければ! )
シェリアは決意を固め相手を見据えた。
「仕方ありません。こうなった以上力ずくで連れて行くしかないようですね。いくら巫女様二人にその専属護衛騎士が二人といえど我々シュヴァリエ王国騎士団二番隊の精鋭部隊が相手ではそもそも数で不利な貴方達に勝ち目はないでしょう」
男は剣を鞘から抜き放ち構えた。
「二番隊副隊長ライオネル・ケッピンガー、いざ、参る」
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レイド一行は現在森を抜け、国境の手前までやってきていた。
一行が今いる場所は谷になっており、ここを越えるとシュヴァリエの領土になっている。
乾いた風が吹きそれを心地よいと思いながら肌で感じ取っていたレイドは、風に微かに血の匂いが混じっている事に気づいた。
「やれやれ、案の定厄介事のようだ」
「げっ、早速かよ。場所はここから近そうか? 」
リックが問うとレイドは頷いた。
「はぁ~、この展開を予想はしてたけどまさかシュヴァリエに入る前に起こるなんて。ほんと嫌になるわ」
ルナはそう言うと眉間に手を当て心底嫌そうな顔をした。
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「流石は巫女の護衛騎士に選ばれただけの事はある。だがやはり多勢に無勢だったようですな」
ライオネルの言葉に対してシェリアは無言で睨み返す。その周りには二十人程の騎士達が倒れていた。
「巫女様は無傷で連れて来いという命令でしたが、護衛騎士の生死は問われていません。まだ抵抗するというのなら命の保障はできません。それでもまだ闘りますか? 」
シェリアはその問いに対して答えた。
「無論だ!」
(時間はそこそこ稼げた筈、リリアラ様も今頃はラムネーゼ様と共に国境の谷辺りまでは辿り着いていらっしゃるだろう。私は役目を果たすことができた。心残りは生きて再会するという約束が果たせないことだ。次の一撃で私は確実に死ぬだろう)
シェリアがそう覚悟を決めライオネルに視線を向けると剣を構え口を開いた。
「その気高き騎士の誇りに敬意を表して我が最高の技で引導を渡しましょう」
ライオネルの剣の周りに魔力が集まり輝き始めた。
「魔法剣グランドスレイブ!」
ライオネルがそう叫ぶと同時に剣を縦に振るうと、剣が突き刺さった大地から衝撃波が発生し大地を割りながらシェリアの元に向かっていった。
もう剣を振るう力も残されてはいなかった。
シェリアは自分の最後を覚悟し目を瞑った。
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