英雄殺しの焔
大変遅くなってすみませんm(__)m
リックは、ラムに炎耐性のある保護魔法を掛けると、辺りの炎に怯まずメルティアの方へ突っ込んで行く。
メルティアは両拳に炎を纏わせ、リックを迎え撃つ。
流れる様な華麗な動きでリックの剣を躱し、まるで踊るかの様に体を回転させ炎を纏った拳をリック目掛けて振るう。
それを間一髪の所で躱し、態勢を立て直すとリックも反撃とばかりに一文字に振り下ろす構えを作ると一気に剣を振るった。
光の剣から目も眩むような眩い斬撃が放たれる。
しかし、メルティアはそれを魔法で相殺する。
「〈ヴォルカニックヘイル〉」
大きさは決して大きくはないが、包容されている魔力が凄まじいと一瞬で判断できる程の濃縮された熱量を持った火球が光の斬撃とぶつかり合う。
二人はお互いに衝撃により距離を取り、再び向かい合った。
「彼方・・・やっぱり英雄国家アルフレッドの王家の人間・・・」
メルティアはリックに何か確信を持ったかの様に話しかけた。
「何故そう思うんだ?あの国の英雄一族は基本自国に閉じこもっているか、魔族退治に魔界へ行っているかのどちらかで有名だろ?こんなとこに普通は居るはずがないと考えるのが一般的では?」
「確かにその話は有名。けど、私は知ってる。彼方の使うその剣技が普通のものではない事を。門外不出のその剣技は英雄の血を持つものでしか使う事が出来ない技術」
「物知りだな。確かにあんたの言う通り、この技術は英雄の一族のみが使えるとされるモノ。だが俺が技術を見様見真似で盗み自分の物にする事に成功したのかもしれないぜ?」
メルティアは表情を相も変わらず変えずに返答する。
「それは不可能。ブレイブハートと呼ばれるその技術はそう言う次元のものじゃない。分かりやすく言うなら神聖魔法や暗黒魔法の様に最初から使える人間とそうでない人間の2種類に分けられ、それが途中で覆る事は無い。それに形だけ真似出来たとしてもそれに意味はない。事実彼方の高速移動にはただ速いだけでなく光の残像を作り出すブレイブハートによるアビリティが発動していた。それが何よりの証拠」
「お喋りってのは強ち嘘じゃないみたいだな」
リックはそう言うと間を空け再び口を開いた。
「確かにあんたの言う通りだ。ブレイブハートは英雄の血族しか発動出来ない。だがここで最大の疑問が生まれるわな。英雄の血族は皆代々、ブレイブハートと共に受け継いでいるものがある。それは、この国の巫女と同じく、神聖魔法を使う事が出来るという事だ。だけど、俺は見ての通り本来神聖魔法使いが使えないであろう、属性魔法を使い、あんたからしたら正体不明の神聖魔法に酷似した魔法を使う。これでも俺をあの国の英雄一族の一員だと言うのか?」
メルティアは問いに答える。
「正直彼方があの国の関係者かどうかなんて事は今はどうでもいい問題。重要なのは彼方が英雄の血族だと言うのなら闘い方が代わってくると言うだけの話。もしそうならその光の剣の正体を掴めるかもしれないと思って聞いてみただけ。けど少なくとも今の会話で彼方が英雄の血族だと言う事は私の中で確定した。残念ながら彼方がここで灰になる事も確定した」
「俺がブレイブハートの所持者で英雄の血族だったら何がかわるんだ?」
「それを彼方が知る必要も無いし、知る事もない。身を以て知る事になるけどその時には彼方はこの世に居ない」
メルティアはそう言うと冷たい瞳をリックに向けたまま、静かに詠唱した。
「彼の物を焼き尽くし、真紅に燃える空を統べる王、万物を等しく塵と化し浄化せす為力を貸したまへ。〈ディスティーハーダー〉!!」
メルティアの周囲から火の渦が現れたかと思うと、それは空高く舞い上がり空を紅く染める。
天へと昇った炎は雲を燃やし一体となり、形を変えて巨大な竜の顔の様な形へと変化していく。
「おいおい、冗談キツイぜ」
リックは空を見上げそう呟いた。
何故だかわからないが体の力が抜けていく感覚に襲われリックは膝をつきそうになるのを何とか堪えた。
上空には紅く染まった雲とも炎とも言える竜の顔をした塊が大きくその口を開けていた。
刹那、リックの居た場所へ隕石とも言える炎の塊が降り注いだのだった。
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