第八話:兄と仕事
仕事って、何だと思う?
俺的には、自分又は家族を養うための手段だと思うんだ…。
だから、俺はどんな仕事だろうと頑張って取り組もうと思う。大好きな家族のため、妹達が何も不自由しないように…。
例え、どんな仕事でも…。
「だぁから、刑事さん。食い逃げなんだって。ちょこっと見ない内に居なくなってたんだよ」
食い逃げ…今時?
「成程、背は140センチぐらいで性別は女性ですか…」
食い逃げ…。何を食べたんだろう?
「ふむ、水色のTシャツに桃色のスカート…」
あ、肉うどんか!?…あぁ、俺も肉うどん食いてぇー。
「貴様!!真面目に仕事しろっ!!」
「うわっ!?びっくりした!!」
「びっくりした…ではない!!真面目に仕事をしないか!!」
「いやだって、食い逃げでしょ、氷川警部補。そんなの交番勤務の奴らがやる事じゃないですか…?」
「馬鹿者!!どんな事件だろうと真面目に取り組む、警察官として常識だ!!」
てっ、言われましても…。俺達は県警のデカですよ?刑事と書いてデカと読む、あれですよ?それが、食い逃げ犯って…。
「はぁ、では空海巡査。聞き込みに行ってまいります…」
さて、そこのアンタ…突然で何の事か分からないだろうが…。
俺は、いま仕事中なのだ。何の仕事かというと…刑事さんだ。ちなみに階級は巡査だ。
空海夏樹・27歳・職業・刑事ってね。はぁ、早く帰りたい。仕事なんて地獄だ…。
前に俺は仕事命の人間だ、とか言われたけど、別にそんな事はない。ていうか、むしろ俺は仕事したくない派だ。
ほら、よく『僕はねぇ、今自分にあった職業を探しているんだ。えっ?どんな職業が良いかって?…そうだなぁ、楽してお金が儲かるやつかな?』って、いう奴らがいるじゃん?…俺は、そんな奴らに近い存在だ。だから、仕事の合間を見つけてはよくさぼっている。
ただ、俺が仕事をしないと家族が路頭に迷う事になるので、とりあえずそれなりの仕事はしている…。
「とは言うものの、食い逃げ犯人を追うはめになるとは…はぁ」
あぁ、帰りたい。こんな仕事嫌だ。俺は、実は引きこもりなんだぞ?あれだぞ?あの、日の下を歩くと数分で肌が焼ける生物なんだぞ?
つまり、こんな真っ昼間から外を歩くなんて自殺行為だっての!!…て、言っても自分から聞き込みするって外に出てきたんだけどね。
「んっ?」
何やら下から俺の服をチョイチョイと引っ張る奴がいるんだけど。
「…………………」
「……………………」
俺も服を引っ張っている相手も口を開かない…。何故、俺が口を開かないかと言うと、何かこの子がめっちゃ俺の顔を凝視してくるからだ…。
「あの何かな?お兄さんに何か用?」
…プレッシャーに負けた。ていうか、何でこの子は俺の服から手を離さないんだ?
「あの?…もしもーし?」
あれ?無反応?おーい、お兄さん、何が何だか訳がわからないよー?
「コロッケ…」
キャベツに人参、玉ねぎ、なりー!!…このギャグがわかる奴が何人いる事やら(笑)
「…コロッケ?」
「コロッケ…」
そう言い服を引っ張る少女?は、コロッケを売っている精肉店を指さした。
あぁ、コロッケか…、て何が?
「…あの、もしかして俺に…買えと?」
まさか、そんな理不尽な。てか、非常識だろ?道行く他人に物をねだるのは…
「買え」
非常識ぃぃいっ!?
たかがコロッケされどコロッケだよ?…意味わからんけど。
こんにちは。
これ、続きます。もしかしたら長くなるかも…?
最初の方で『息抜きで書いてみたウンタラ、カンタラ』と言っていたのに最早、影も形も…ははっ。
話は長くなり、文章はガタガタになるかもしれません。
しかし、もう少しこのまま、この物語にお付き合い下さい。よろしくお願い致します。
さて、第八話目です。 兄の仕事、わかって頂けたと思います。しかし、まぁ、刑事とは…馬鹿兄にしてはまとも過ぎですね(笑)
ただ、あまり、警察関係は詳しくないので27で平巡査はありなのか無しなのか良くわかりません…。どうなんでしょう?
まぁ、何にしろ兄の仕事っぷりはちょくちょく書いていきたいと思います。お楽しみに!?
それでは、今回はこの辺りで失礼致します。ありがとうございました。
名無しの兄!!改め、空海家・長男・空海夏樹!!
やっと、名乗れた兄。…でも、何か今更って感じが…(笑)