表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/67

第二十二話:ウサギとりんご




「こんにちは、ドクター・佐久間です…」




 …すまん、乗っけから変な奴を出してしまって…。




「夏樹、失礼だよ?読者が引いてるじゃないか?」




 いや、引いてないし…。てか、もしそうなら、お前のせいだし…。てか、読者って誰だよ?!


「いやー、最近めっきり寒くなって来ましたねぇ…」




 はっ?



「いやー、このまま秋が過ぎ、冬が来て…夏が来る頃には、マイナス何度になっているのでしょうか…?」




 …漫才か?漫才がしたいのか?…成程、ツッコミ待ちだな?俺に突っ込まれるのを待ってんだな、太郎?よぉーし、ならば望み通り力いっぱい、ツッコミを入れてやろうじゃないか!?




「なんでやねん、夏樹!!」




 何ぃぃぃっ!?ボケが突っ込んだぁぁっ?てか、ツッコミに突っ込んでどうすんだよ?…て、バシバシ叩くな、普通にいてぇ!!




「何で冬の次が夏なんだよ、夏樹!?春はどこ行ったんだよ、夏樹!?」



 しかも、そっちぃぃい!?マイナス何度の所じゃなくて、冬の次が夏って所ぉぉっ!?もはや、漫才ですらねぇぇえっ!?




「では、歌います。曲名は…」




 意味が分かんねぇぇえっ!!てか、歌の前説?今の漫才崩れは、歌の前説だったの!?



「夏樹って、ツッコミの天才だね!!しかも、ボケさせても一流だし…」




 しかも、歌わねぇのかよっ!?馬鹿か?お前は馬と鹿の合成獣かっ!?



「あっ、今のは面白くなかったなぁ…。いつもはもっと凄いボケをするだろぉ?…はい、じゃ、もう一度ボケて…」




 いや、ボケて無いし!?もし、何かがボケてるってんなら、お前の頭だよ、太郎…。




―――――――――

―――――――

―――――

―――

――







「ふむ、夏樹はもう全快なんだな?」



 俺の病室で、椅子に腰かけている凛。彼女は、りんごの皮を剥きながら、もう1つの椅子に座っている相手に話かけている…。




「うん…もぐもぐ。夏樹は、超人だからねっ…もぐ。治療後の経過もすこぶる良くて、もぐもぐ…。もう、普通の生活ぐら、もぐ」



「もぐもぐ、うるせぇよ、太郎!!てか、人のりんごを勝手に食うなっ!!」




 凛が話かけているのは、もちろん太郎だ。しかし、こいつは、凛が剥いたりんごをもぐもぐと凄い勢いで食べている。




「もぐ?ももぐ、もぐぐ、もぐぐ!!もぐもぐ、もぐもぐ!!」



 いや、だから…もぐもぐと、うるさいよ…。てか、口に入りきれてないよ…。おいおい、まだ食うか!?




「んぐっ…。ごほっ、詰め込み過ぎた…。まぁたく、良いじゃないか?りんごぐらい…。相変わらず、凛ちゃんに甘えてるなぁ、夏樹は…」




 甘えてねぇよ。凛が勝手に周りの世話をしてるだけだ…。別に、俺は頼んでない…。




「あ、そのウサギちゃんりんごは、俺のだからな…。食うなよ、太郎!!」



「やだ!!僕だって、ウサギちゃん好きだもん!!」




「なぁぁっ!?ふざけんなぁ、誰のりんごだと思ってやがる!?」


「へーん、元は僕が夏樹にあげた、お見舞い品だもーん!!一割は、食べる権利あるもーん!!」




 落とし物かよ!?確に、拾った人には一割は貰う権利があるけど…。



「落ち着け、君たち…。りんごは、まだある。ちゃんと、2人分ウサギを作ってやるから…」



 そう言い、もの凄い早さでりんごをウサギちゃんの姿に切っていく凛。凄い…。彼女のナイフ捌き…、早さ、ウサギちゃんの形の出来栄えの美しさ…どれをとっても、最高クラス。料理のプロも真っ青だ…!?




「もぐ、凛ちゃん、すごーい…!!ウサギちゃんが、みるみる内に増殖してゆくよー…!?」



 いや、増殖って…。せめて、量産って言いなさい!!量産型・ウサ!?




「まぁたく…。何で夏樹は、凛ちゃんにプロポーズしないの?早くしないと、誰かに取られちゃうよ?」



「「ぶふーっ」」




 な、ななな?何を言うか、いきなり!?何で俺が凛にプロポーズなんぞ…?




「た、たた、太郎?き、ききき、君は、何か大きな間違いをしているようだね?べ、べ、別に私達は、恋仲なんかじゃ…」




「別に、恋人じゃなくてもプロポーズはするじゃん?君達は早く、くっつくべきだと…僕は思うんだけど…?」



 いや、だから。そんな事じゃなくて…!!別に、俺と凛はそんな関係じゃ…。てか、お前はどうなんだ?




「お前こそ、早く結婚した方が良いじゃないか?金持ちは、跡取りとか、問題が多いだろうし…?」




「あははっ、別にぃーっ。結婚しても良いけど、家庭とか興味ないしぃー。大体、ウチの親も同じだから、僕は家庭の暖かさなんてミジンコ程も知らないしぃーっ。跡取りだって、問題ないよぉ?今は卵子提供とかあるし…。僕はそれで優秀な子供を作るよー?」



 あはは、左様か…。家庭なんかに興味ないか?あははっ…。




「よし、まずは…お前に家庭の、いや、家族のなんたるかを叩き込んでやる!!覚悟しとけよ、太郎!?」




 後日、太郎が我が空海家の居候となる事が決定したのだった…。

 こんにちは。

 さて、病院話も終わりに近づいてきました。ドクターが言うには、兄は超人、手術後の経過は順調だとか…。


 さて、第二十二話。漫才から入りました。前回、隙有らばドクターを出すと言いましたが…、無くても強制的に登場!?(笑)



 しかし、今回は妙な組合せでしたね。…でも、兄とドクターと凛は、主に仲良しです。大抵、この面々に後1人(まだ、不登場)が加わったグループで集まっています。…兄、曰く腐れ縁だそうです。



 では、今回はこの辺りで失礼致します。ありがとうございました。



 兄…、ウサギ好き!?



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ