第二十話:腐れ縁のある関係!!
いま俺は手術後の診察を受けてます。んで、目の前には…
「はい、じゃあ、あーんして…」
「…やだ…」
「はっ?…いやいや、嫌じゃなくて…」
…いま俺の事、ワガママだと思った人…手を挙げなくて良いから、謝れ!!
「ごめんなさい」
お前もかよっ!?…あぁ、コイツは俺の主治医の…
「ドクタァァァッ…さぁ、くぅ、まぁぁぁぁっ!!…です」
…うん。分かってくれた?俺が駄駄をこねる理由…。嫌でしょ?こんな奴が主治医だと…。口とか…開けたくなくなるでしょ?
「夏樹は、子供だなぁ。大丈夫だって、別に実験台にしようなんて思ってないから…今更…」
「今更って、何だぁぁあっ!?おまっ、お前はそうやって中学の時から…」
「ん〜、はい終了…口閉じて良いよ」
主治医は、大口を開けた俺にそう告げる。やられた、どうやら口を開けさせる方便だったようだ…。
「もぉ、夏樹は本当にワガママだなぁ。次期、医院長の僕に手術や診察をして貰えるなんてVIPクラスじゃないと有り得ないんだよー?」
別に好きでお前に手術や診察をして貰ってるんじゃないよ…。てか、本来は俺が病院に運び込まれた時、別の先生が手術する筈だったのに…。無理矢理に交代させたのは何処のどいつだよ…!?
「経過は順調…。相変わらずの超人っぷりだねー。体に風穴が数箇所も開いてたんだよー?しかも、左脇腹とか凄かったし…」
「別に、俺の生命力だけのお蔭じゃねぇよ…。お前の医者としての腕は知ってるからな…」
「えぇえっ…?」
ニコニコと屈託のない笑顔で笑う主治医。こいつとは腐れ縁で中学からの知り合いである。
佐久間 只太郎通称・太郎
彼は、世界有数の名医でどんな手術もこなす神の子とも言われる。自分は、ただのマッド・サイエンティストだから、などと言っているが、俺から見ても太郎の凄さは歴然である。
「褒めすぎだよー。僕は夏樹ほどバケモノじゃないからー…」
「はははっ…。バケモノって何だ、バケモノって!?」
とりあえず、アイアンクローをしとく…。
「いだだだだっ!!夏樹、夏樹!!指っ、指が顔に食い込んでる、食い込んでるよーっ!?」
太郎は、俺の腕を掴みバタバタと足をばたつかせる。…あっ、動かなくなった…。
「佐久間先生、患者さんのカルテを……」
「あっ…」
えぇと、まずい…。俺のアイアンクローで気を失った太郎を見て看護師の人が絶句している。
「た、太郎は寝てるだけで…。つ、疲れてるからコイツ…はっ、ははっ」
「きゃぁぁぁあっ、人殺しぃぃぃぃいっ!?」
死んでねぇぇぇえっ!?アンタ、何勝手に太郎を殺してんのよ?
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「いやいやいや…。ヒドイめに合ったよ」
あぁ、俺もな…。あの後、看護師の皆さんが団体で追い掛けてきて俺は、ボコボコにされた。顔などに青アザが増えた。
「あははっ。夏樹は馬鹿だなぁ。病院で怪我を増やすなんて…あははっ」
「ははっ、もう一回アイアンクローをされるか?」
「そしたら、また、顔に青アザが増えるね?」
ぐっ…。にぱっと屈託のない笑顔…。くそっ、こいつはぁ!!
「はぁ、しかし…。個室とは生意気だね、夏樹…」
「悪かったな……て、お前が個室にしたんじゃん!?」
『あれ、そうだっけ?』と、とぼける太郎。…なんか、扱いにくい。
「あ、なんか眠くなってきたよ、夏樹?」
あーそうかい。じゃあ、とっとと帰れよ。俺も一息つきたいし…。
「ふぁぁあっ…。夏樹、電気消して…。僕、寝るから…」
をぉいっ!!ここで寝るのかよ!?うぉっ、何、人の布団に入ってきてんだよ…!?
「でんきぃーっ。夏樹ぃー、電気消してぇぇっ!!」
「いやいや、電気ついてないから、太陽だから…」
「じゃぁ、太陽消してぇ」
えっ、何者!?太陽を消すって、俺…何者!?
こんにちは。
祝・第二十話!!いや、ここまで来ました(笑)正直、五〜六話で終わると思ってました。最初の後書きを見て貰えれば分かって頂けると思いますが、当初はその程度のお話だったんです…。ですが、読者様、皆様の応援のお陰で、遂に第二十話目!!番外も入れると、それ以上!!
皆様、本当にありがとうございます。これからも、頑張って面白い話?を書いていきたいと思います。これからも、応援のほどよろしくお願い致します!!
では、第二十話のお話…(笑)
変な奴が登場しましたね…(笑)ドクター・佐久間、通称・太郎…。
兄とは、腐れ縁です。ドクター、良い性格をしてますね。兄の親友といった所でしょうか?かなり、お気に入りのキャラです。これから、ドクターは隙有らば、ちょくちょく出そうと思ってます(笑)
では、今回はこの辺りで失礼致します。ありがとうございました。
第二幕は、新キャラがいっぱいです!!